生まれ変わったJYOCHOを聴こう!
だいじろーソロプロジェクトから5人組バンドへ
アルバム『美しい終末サイクル』を発表
超絶テクの余白に漂う美しいJYOCHO=情緒
2018年12月5日にアルバム『美しい終末サイクル』を発表したJYOCHO。
新ボーカルとして猫田ねたこ加入後にリリースされた『互いの宇宙 e.p』の延長線線となる作品です。
変拍子+超絶速弾きギターというジャズ・フュージョンのようなトリッキーな演奏。
しかし楽曲を聴いた後に残るのはアンビエント音楽のような美しい余韻です。
猫田ねたこの透明感溢れる歌声とアグレッシブな演奏が融合した不思議なグルーヴ。
まさにバンド名JYOCHO=情緒を感じる余白を活かしたサウンドは唯一無二の領域に達しています。
今回紹介するのは『美しい終末サイクル』の中でもっともトリッキーな演奏を楽しめる楽曲。
『sugoi kawaii JYOCHO』のMVをチェック!
アルバムで一際異才を放つインストナンバー
JYOCHOを知らない方は予備知識なしでMVをじっくりご覧ください。
『sugoi kawaii JYOCHO』の演奏時間はわずか2分足らず。
この圧倒的な情報量に驚かされたことでしょう。
すごいカワイイと名付けられた楽曲の演奏はまったく可愛くありません。
次はなるべく大きな音で、可能でしたらヘッドホンを装着してみましょう。
全てのパートにおいて異常な程に手数の多い演奏。
しかし不思議なことに後味は汲みたての炭酸水を飲み干した後のような清涼感です。
シンプルかつ緻密なMV、映像監督は?
5分割のスプリットスクリーンを効果的に用いた『sugoi kawaii JYOCHO』のMV。
映像監督は近年のJYOCHOのMVをほぼ全て手掛ける瀧澤雅敏氏です。
瀧澤氏は新しい学校のリーダーズの作品でも画期的なMVを制作しています。
JYOCHOが2018年春に発表した『互いの宇宙 e.p』収録の『pure circle』。
そして『美しい終末サイクル』のリードトラック『つづくいのち』のMVとぜひ見比べていただきたいです。
楽曲の持つテーマを最大限活かす手腕でJYOCHOの持つ多面的な魅力を見事に引き出しています。
難解かつポップなJYOCHOの魅力とは?
MVで最初に目にするのはだいじろーの超絶ギターテクです。
フィンガーピッキング・タッピング・解放弦の使い方など全ての音色が緻密に計算されています。
彼らのサウンドを称するプログレッシブ・ポップという新しい概念。
プログレという協奏曲的なアプローチはしばしな難解なイメージを与えかねません。
しかしこれほどにアクの強い演奏ながら耳に残るのは牧歌的な主旋律という謎...。
これまで発表してきたMVは主に猫田ねたこの美しい声を活かしたボーカル曲でした。
しかし『sugoi kawaii JYOCHO』は紛れもないインストゥルメンタル曲。
なぜそよ風のような爽やかな耳触りが残るのか?
その謎はバンド5人のアンサンブルにあることがこの曲で証明されたのです。