人工の星たちが煌めく
キミと私の仮想ゲーム

出典: ポリゴンウェイヴ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ

星すらも人工物の仮想世界で生きる、キミと私。

仮想ゲーム上のキャラクター達が住んでいる世界でストーリーが展開されていくことが冒頭で分かります。

「私」と「ボク」2つの一人称について考察!

この後の歌詞で、私の代わりにボクが登場します。

「私」と「ボク」。同じく一人称ですが、どちらが主人公なのでしょうか。

彼らは特定の人物ではなく、単に仮想世界のキャラクターをランダムにピックアップしていると解釈しました。

根拠としては、キミとボクや私の物語として描かれている部分がそもそも少ないからです。

キミについては後ほど考察します。

「人工の太陽」と「キミ」について考察!

Perfume【ポリゴンウェイヴ】歌詞の意味を考察!人工の太陽とは?感じたい"夢"とは何かを読み解くの画像

人工の太陽が眩しくて
ボクはキミが見られなくて
そうきっと景色のせいにして
「都会でしょ」って気取ってるの

出典: ポリゴンウェイヴ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ

先ほど、ボクと私は仮想世界のキャラクター達だと考察しました。

RPGでいえば、いわゆるNPCです。

ボクが見られないキミというのは、現実世界のプレイヤーなのではないかと考察しました。

「人工の太陽」は画面のブルーライトや、画面そのもの。

「景色」は、ボク達が暮らすポリゴンの世界。

ボクはポリゴンの世界の住人だから、画面の向こうのキミを見ることは許されないのです。

ポリゴンで表された非現実的な自分達の世界を、ボクは都会的だと強がっているのかもしれません。

感情がある?

ポリゴンウェイヴ  涙って
カクカクしたって流れるわ

出典: ポリゴンウェイヴ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ

「カクカク」というのはポリゴンでできた自分を表現しているのでしょう。

涙を流すことから、人工のキャラクターであっても感情はあるということが分かります。

無機質な擬音とは対照的なというワードで、孤独な切なさが引き立つフレーズです。

「夢」とは?

作り物だらけの世界で 感じたい
夢って何?
今が夢
キミの夢
ボクの夢
コレハユメ?

出典: ポリゴンウェイヴ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ

ゲーム上のキャラクターであるため、家も人も街も「作り物」です。

それでも「夢」は感じていたい。

この「夢」は寝ているときの夢と、目標として描く夢の両方の意味があると解釈しました。

まず、前者は過去の記憶を整理するための脳の働きです。

そして後者は、未来に向けて描くものです。

人工のキャラクターには過去も未来もない。

だから前者と後者どちらの意味の「夢」も知らないのでしょう。

最後のこれは夢?という問い。

過去も未来も描けない彼らには、この世界が夢か現実かも分からないということではないでしょうか。

中田ヤスタカ氏の描く「都会」

Perfume【ポリゴンウェイヴ】歌詞の意味を考察!人工の太陽とは?感じたい"夢"とは何かを読み解くの画像

ビルたちもリズムに合わせて
「都会でしょ」って気取ってるの

出典: ポリゴンウェイヴ/作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ

ビルがリズムに乗っている様子が「都会的」だと表現されています。

都会と聞いて思い出すのが、同じく中田ヤスタカ氏作詞の「TOKYOGIRL」や「ワンルームディスコ」。

どちらも都会での生活を歌ったものですが、「ポリゴンウェイヴ」とは違って現実の都会が舞台です。

歌詞のフレーズも生活感漂うものばかりで、安心感すら感じられます。

ただ一つ似ているのが、どれも踊りや音楽の表現が組み込まれている点。

現実世界でも仮想世界でも、中田氏の思い描く都会には音楽が欠かせないのかもしれません。

現実に落とし込んで考察!

作り物の世界でも忘れたくないこと