Shangri-La

【Shangri-La/angela】「蒼穹のファフナー」の物語を凝縮した神曲OP!歌詞の意味を解説の画像

atsukoとKATSUによる音楽ユニット「angela(アンジェラ)」が、2004年8月4日にリリースした6thシングル「Shangri-La」。

テレビ東京で放送された超人気アニメ「蒼穹のファフナー」のオープニングテーマを務めました。

それにより、angelaの知名度は一気に広がりました。

どこまでも続く様な奥深い歌声と、世界観に即した切ない歌詞と相まって多大な人気を集めました。その人気は衰えることなく、10年以上経った今でも根強い人気を持っています。

また、この曲のカバーも行われています。

2012年に「THE IDOLM@STER」の登場人物「如月千早」がカバーし、2018年に音楽ゲームアプリバンドリ!ガールズバンドパーティ!」に登場するバンドRoselia」もこの曲をカバーしました。

蒼穹のファフナーとは

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この「蒼穹のファフナー」は、2004年に全26話で放送されました。いわゆる「無印」と呼ばれるファフナーシリーズの第一作目です。

他にも、2005年には「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」がテレビ放送され、2010年には「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH」という劇場版にもなりました。

2015年には「蒼穹のファフナー EXODUS」が放送されるなど、何年にも渡りその人気は続いています。

「Shangri-La」が起用されたのは、「無印」となる第一作目です。

人類存亡をかけた切ないロボットアニメ

「蒼穹のファフナー」は、西暦2146年という未来を舞台としたロボットアニメとなっています。

ある日、太平洋に浮かぶ「竜宮島」に未知の生命体「フェストゥム」による侵略が始まりました。そして、そのフェストゥムによる侵略により、竜宮島は一瞬にして地獄へと変化しました。

そこで立ち上がったのが、フェストゥムの対抗組織「アルヴィス」です。島の大人達で構成されたこの組織は、少年達を人型決戦兵器「ファフナー」に搭乗させてフェストゥムと戦わせます。

ここで登場する少年達のほとんどが人工子宮によって生み出されており、少年達はフェストゥムと戦うために「フェストゥム因子」を埋め込まれています。

そうして、人間以上の性能を持つ少年達がフェストゥムと戦います。

このアニメは、戦いを義務付けされた少年達の人類存亡をかけたロボットアニメなのです。

そこで繰り広げられる戦いや切ない死生観などが、魅力的となっています。

Shangri-Laの物語に忠実な歌詞

この曲のタイトル「Shangri-La」は、一般的に「理想郷」や「楽園」という意味で用いられます。

この言葉が、既に蒼穹のファフナーの世界を表しています。

というのも、作中で言われた主要人物達の会話です。

主人公「真壁一騎」は、幼馴染「皆城総士」に『俺達はどこへ行くんだ?』と尋ねます。その時、皆城総士が答えた台詞が『楽園だよ』というものです。

少年達は、楽園へと辿り着く為に戦うのです。

そういった意味で、「Shangri-La」というタイトルがつけられたのではないでしょうか。

必死に生きる姿

愚かでいいのだろう 見渡す夢の痕
さよなら 蒼き日々よ
流れに身を任せ いつか大人になってゆく
少しずつ汚れてゆく事なの?
熟した果実だけ 選ばれて
ナイフで裂かれて 呑み込まれる前に

出典: Shangri-La/作詞:atsuko 作曲:atsuko&KATSU

最初の部分の「愚かでいいのだろう~蒼き日々よ」は、後述で解説します。というのも、この言葉は繰り返されているので、ここでは何ともいえないのです。

さわりだけ解説すると、「蒼き日々よ」というのは「平和な日々」のことを指します。平和な日々に別れを告げる少年少女の姿が見えますね。

「流れに身を任せる」というのは、大人達の指示に従ってフェストゥムと戦うことを指しているのかもしれません。

その後の「熟した果実」はフェストゥム因子を埋め込まれた少年少女達の事です。有能な人材だけが選ばれ、実戦に投じられる様を描いています。

「少しずつ汚れていく」や「呑み込まれる前」は、フェストゥム因子の副作用です。この副作用は、生命の危険をもたらすもので、ここから少年達が必死に生きている姿が見えてきます

ひたすら前を向く少年少女

僕等は目指した Shangri-La
欲望は抑えきれずに
空想にまみれた 「自由」を求め続けた
今なら言えるだろう ここがそう楽園さ
さよなら 蒼き日々よ

出典: Shangri-La/作詞:atsuko 作曲:atsuko&KATSU

この歌詞を読んでいるだけで、胸が切なくなりますね。

少年達は、「楽園(戦いの無い場所)」を目指す為に必死に戦い続けています。

「空想にまみれた自由」とは、言葉の通りです。戦い続けている少年達は「自由」という言葉の意味を知らないのです。その為、自分が思う「自由」を求め続けました。

そして、最終的に自分がいた場所が「楽園」ということに気付きます。

この楽園というのが、「愛情に満ちた世界」です。戦わされていたり遺伝子操作をした島の大人達ですが、大人達はしっかりと少年達に愛情を注いでいたのです。

そのことに気づいた少年達は、それを守る為に平和な日々を捨てるのです。

欲望は悲しみへと…