スピッツ「ヤマブキ」

スピッツ

スピッツ【ヤマブキ】歌詞の意味を解釈!なぜ崖の上を目指すの?笑う理由とタイトルの真意を歌詞から考察!の画像

1987年に結成して以来、今までに16枚のアルバムを発表しているスピッツ

2017年に結成30周年を迎えても、今だ品質の高いポップスを作り続けている彼ら。

様々な音楽を取り入れながらも、スピッツとしか形容しようがない音楽を作っているのです。

そのブレない音楽性に影響を受けたアーティストも数多く、その存在感の大きさを物語っています。

今回はそんな彼らの2019年に発表された16th アルバム見っけ』の1曲に関する記事です。

「ヤマブキ」

今回、ご紹介するのは16th アルバム『見っけ』の12曲目に収録されている「ヤマブキ」です。

スピッツらしいストレートで爽快感のあるロックナンバーとなっています。

「ヤマブキ」は、メロディラインの美しさ以外にも、歌詞の秀逸さが目立つ楽曲です。

今回は、そんな「ヤマブキ」の歌詞の意味を解釈していく記事となっています。

歌詞を読み解きながら、一緒にその楽曲のタイトルに込められた意味を考えていきましょう。

1番

社会からのエスケープ

スピッツ【ヤマブキ】歌詞の意味を解釈!なぜ崖の上を目指すの?笑う理由とタイトルの真意を歌詞から考察!の画像

似たような身なり 似たような能力
群れの中から 抜け出したのさ

出典: ヤマブキ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

前奏が終わった後の、出だしのAメロパートです。

ここでは、社会の中で暮らすことについて描かれているのでしょう。

この歌詞の1行目は、学校や会社といったものを私たちに想起させます。

制服やスーツ、義務教育や資格勉強など。

そういった、ある意味で枠に嵌められるような物事を指しているのでしょう。

また2行目では、そんな社会の仕組みから抜け出すことを描いています。

この歌詞で描かれる主人公のことを指しているのでしょう。

ここからどのように歌詞のストーリーが展開していくのでしょうか。

監視カメラよけながら
夜の泥に染まって走れば 遠くに見えてきた

出典: ヤマブキ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

1行目「監視〜」が指しているのは、社会からの監視の目のことでしょう。

それは、例えば世間体や上司、学校の先生。

身の回りにいる目上の人々や、支配力の大きい存在。

2行目から伝わるのは、主人公の彼がそんな場所から逃げ出す光景です。

逃げ出すといえど、彼は嫌になって投げ出した訳ではありません。

彼には目指すべきものが見つかったのでしょう。

「夜の〜」という部分から伝わるのはその必死さ。

彼は、夜に紛れて息を殺して走っているのです。

そうやって走り続ける中で、見えてきたものとは一体何なのでしょうか。

遠くに見えるもの

あれはヤマブキ 届かない崖の上の方で
ハングリー剥がされても よじ登っていけ

出典: ヤマブキ/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

必死に夜を走っている最中、遠くに見えてきたもの。

それは「ヤマブキ」でした。「ヤマブキ」とは春に咲く花の名前です。

ヤマブキ(山吹、棣棠、学名:Kerria japonica)は、バラ科ヤマブキ属(本種のみの一属一種)の落葉低木。黄金色に近い黄色の花をつける。春の季語。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマブキ

「ヤマブキ」は黄金色の花で、日本では山吹色の語源にもなっている花。

その色から、花言葉には「気品」や「高尚」といったものが付けられています。

夜の中を走りながら、金色の光を放つ花の色が見えた主人公。

この歌詞中の「ヤマブキ」が表しているのは、何なのでしょうか。

その色や花言葉から推測できるもの。

それは、主人公にとっての目標のようなものなのではないでしょうか。

そう考えれば、2行目「ハングリー〜」という表現にも納得がいきます。

崖の上に咲いている「ヤマブキ」。

そこへ向かって、泥臭くよじ登っていく。

必死に崖を登る彼に、迷いはありません。

何故なら、彼にはそれを手に入れるというがあるから。

そんな風景が、爽快なエレキギターの音と共に脳内に広がります。

2番