巡っていく季節の中で

空の波 風になり髪を揺すった
朽ち果てたトタン屋根 パタパタ鳴った
みんな朽ちていきながら生まれ変わる

上手に描いた図面の未来は遠いけど
旅は続くだろう 季節をループしながら

出典: 蒼の世界/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

時が経てば形あるものは風化し、やがては朽ちていく運命にあります。

永遠に変わらないものなどありません。

それは人も、想いも、思い出も同じです。

時の流れは平等に、そして残酷にすべてのものに訪れます。

しかし、それで終わりではありません。

過ぎゆく季節の中で生まれ変わっていくのです。

落ち葉もやがて土に還り、木や草花を肥やして成長し新しい命となって育まれていきます。

思い描いている形になるのは遠い未来だとしても、少しずつ少しずつ進んでいくのでしょう。

巡る季節と共に変わっていく未来へ歩いていくのです。

新しい世界を彩る落ち葉の夢

飽和な時代 満たせぬ想い
矛盾の森に雨が降り
心の落ち葉の中で僕は土に還る
泥にまみれて生まれ変わろう
君の呼吸を聞きながら
葉を落とし未来に根付くよ落葉樹

出典: 蒼の世界/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

恵まれた時代に生きている私たちは流されてしまうのは簡単なことでしょう。

気が付くと大切なものを見失ってしまいます。

変わらない思いを持ち続けるのはとても難しいことです。

たとえそれが愛だったとしても。

代わりに与えられるものはたくさんあって、なにが本当に大切だったかもそのうち忘れてしまうでしょう。

からっぽの心が訴えても、自分に必要なものが果たしてわかるのでしょうか。

凛とした冷たい空気、木々が枯れていく季節の中、彼は気づいたのです。

枯葉が落ちる意味、そして雨の降る理由も。

ただ朽ち果てて落ちていくだけではなかったのです。

冷たく降り注ぐ雨も、彼を成長させてくれるもののひとつでした。

季節に導かれるように彼の意識も心の中で生まれ変わっていきます。

鳥が揺らす太陽の下
旋回中の影 地面這い
秋の重心 日々の円周
コンパスの針で切り取った
世界に色付く落ち葉の夢

出典: 蒼の世界/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

永遠に続くことがないのなら、生まれ変わればいい

まだそばにいてくれる君と、新しい世界を二人でまた見ればいい。

枯れて落ちるだけの運命にあると思っていた落葉樹も、新しい世界を彩る力があります。

いままでは、ただ流れていく季節をなにも感じずに過ごしているだけでした。

その中に起こる些細な変化も、当たり前のことに感じていただけです。

しかしそこには小さな奇跡が積み重ねられています。

たった1枚の落ち葉がみる夢は大きな未来に繋がっていたのです。

季節は巡り移ろいながらも、その人にとって大切なものを教えてくれています。

未来でも君にまた出会いたい

もう一度どこか知らない世界
見つけてみないかい二人で
止まない雨もじっと待つよ 息潜めて
無限の未来 再び出会い
空気の中に溶け出した
幸せにそっと交わるよ 落ち葉の中で
シャラララ…
雨が上がっていったらそこに虹の気配
虹の気配…

出典: 蒼の世界/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

きっともう彼の目には当たり前の世界は映っていません。

いまここにある季節を感じて、彼女の手をとって進んでいきます。

不安定に表情を変える秋の空に見出したもの、それは希望の光でした。

雨が降ってこそ姿を現す虹、いままではその存在を感じることもできなかったのでしょう。

ただ遠い存在だった未来もいまでは大きく広がって二人を待っていてくれます。

生まれ変わった心でみる世界は二人に新しい幸せを教えてくれるはずです。

二人で同じ景色をみて感じることができる幸せにも、もう気づいているのだから。

まとめ

【蒼の世界】でみたものは

【蒼の世界】の歌詞に描かれていたのは深まる秋という季節、そしてまだみぬ未来でした。

落葉樹もやがて形を変え虹を導いてくれる存在だと気づけたのも、【蒼の世界】だったからではないでしょうか。

この楽曲で表現されている蒼は、晴れ渡った夏の空や光り輝く海のような青ではありません。

鮮やかな青の景色では眩しすぎて、なにが大切なのか気づけなかったでしょう。

冷たく枯れていく季節に感じる温もりと、その中で未来に向かって根をはる生命の息吹。

蒼の風景だからこそ感じ取ることができたのかもしれません。

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最後に、レミオロメンの関連記事をご紹介して終わります。

巡りゆく四季の情景を切り取って描かれた歌詞の意味を知ると、もっと楽曲を身近に感じることができるはずです。

季節が訪れる度、心に鮮やかに蘇る2曲。

ぜひチェックしてみてください。