ほらまたチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った

出典: 夜に駆ける/作詞:Ayase 作曲:Ayase

再び生の象徴であるチックタックという時計音が登場します。

以前の時とは違い、僕は君を救うことの困難さを感じている様子です。

ついに「終わりにしたい」という言葉を君の前で言ってしまいます。

君は僕のその言葉を待っていた様子で、初めて笑いました。

君が見ている世界は、どこまでも死が中心です。

僕が君に生きてほしいと願いっているように、君も僕に死にたいと感じてほしいと願っていました。

僕の努力は報われませんでしたが、君にとっては僕と死にたいという願望が叶った瞬間です。

死に魅了される僕

笑う君

騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕の目に映る君は綺麗だ
明けない夜に溢れた涙も
君の笑顔に溶けていく

出典: 夜に駆ける/作詞:Ayase 作曲:Ayase

冒頭では笑えないのは君でしたが、僕の方が笑えない状態になりました。

僕が君に影響されて死にたくなったと考えられます。

君に一目ぼれした僕でしたが、君を綺麗だと表現するのは初めてです。

寂しい目をしていた君。

しかし、僕も死にたいと考え始めたことで笑顔になるほど満たされた気持ちになっています。

泣いている僕を見て笑う君は、最初から僕を道連れに死ぬ予定だったのでしょう。

曲もこの部分から転調し、生きたいと思っていた僕が死にたいと感じたことをドラマチックに表現しています。

飛び降りる2人

明けない夜に溢れた涙
変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ
二人今、夜に駆け出していく

出典: 夜に駆ける/作詞:Ayase 作曲:Ayase

変わらない日々に不満を感じているのは僕の方だと、明らかになりました。

君は、生きることが辛くなった彼を優しく自殺へと誘います。

歌詞に登場する終わりとは、命の終わりのこと。

染み付いた霧が晴れるとは、僕が自殺を決意したことを表していると読み取れます。

ポジティブに2人で生きることを考えていた僕の気持ちが、180度変わってしまいました。

君は今まで生きようと差し出された僕の手を払いのけてきましたが、共に死のうと手を差し出しました。

君にも僕の死の決意が感じられたのでしょう。

涼しい風が吹き抜けるとは、2人で飛び降り自殺するためにビルの屋上に行ったことを表していると考えられます。

繋いだ手を離さず、2人はそのまま飛び降り自殺を図りました。

原作小説を読むと分かりますが、実は君の正体は死神です。

君が見ていた世界とは、常に死だったと考察できます。

死神である君は、初めから僕と生きるつもりはありませんでした。

僕を死へと誘いあの世に送ることが目的だったと考えられます。

MVの最後でも飛び降りた後、僕は命を落とした様子です。

死神の君は動けるようで、僕と手を合わせて口づけしています。

最後に

YOASOBIの「夜に駆ける」の歌詞を解説してきました。

冒頭で死にたいと思っていると考えていたのは君でした。

最終的に僕の方が死にたいと考えてしまうという驚きの展開が綴られた歌詞です。

僕の気持ちが変わる箇所は、曲も分かりやすく転調しています。

君は僕を死に誘い、生きたいという気持ちはなかったと読み取れました。

原作小説とその続編、さらにMVをチェックすれば、より歌詞の意味が理解できます。

歌詞の意味を知ったうえで、YOASOBIの「夜に駆ける」を聞けばまた違った印象に聞こえるでしょう。

YOASOBIの「怪物」もアニメの世界観にリンクしているため、歌詞を深くチェックすることがおすすめです。

YOASOBIは小説を元にした楽曲が人気を集め、特に若い世代から人気を集めています。活動の幅を着実に広げ、タイアップ楽曲も多く配信しており『怪物』もアニメのオープニングテーマとして起用されました。今回はアニメの物語ともリンクする『怪物』の歌詞を読み解きます。

同じく小説を元に作成された「群青」の歌詞も合わせて確認しておくと、YOASOBIの魅力が伝わるでしょう。

YOASOBIは小説を元にした楽曲を制作しており、『群青』もその1つです。今がどれだけ未熟でも夢に向かって努力する背中を押してくれる応援ソングになっています。印象的なメロディにのせた歌詞に込められた思いを読み解いてみましょう。

今回の紹介をもとにYOASOBIの魅力が伝われば幸いです。繰り返し聞いて、歌詞の理解を進めていきましょう。

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