夜空を歌う中島美嘉の名曲

中島美嘉【CRESCENT MOON】歌詞の意味を解釈!主人公は何を恐れている?愛を信じて進もう…の画像

数多くの大ヒット曲で知られる歌手、中島美嘉

デビュー曲である「STARS」をはじめ、「見えない星」「ORION」といくつもの夜空の名曲を世に送り出してきました。

彼女には夜空、特に星のイメージがあるという方も多いのではないでしょうか?

伸びやかでクールな歌声も、静かな夜空に遠く響いていくような感覚を覚えます。

2ndシングル【CRESCENT MOON】

今回ご紹介するのは「STARS」に次ぐ2ndシングルとしてリリースされた【CRESCENT MOON】

夜風のようなストリングスにビートのきいた軽快なテンポのポップチューン。

どこかミステリアスな雰囲気が漂って彼女の歌声が心地よい1曲です。

10万枚の限定生産でしたが、発売初日にソールドアウト

続けてリリースされた3rdシングル「ONE SURVIVE」には別バージョンも収録されている中島美嘉初期の人気曲です。

デビュー作「STARS」が主題歌となり女優デビューも果たした「傷だらけのラブソング」。

最終話のエンディングソングにもなり、記憶に残った方もいるのではないでしょうか。

今作のテーマは題名の通り「三日月」、夜空をきらめく星と対をなす月に焦点が当てられています。

MVはこちら

楽曲のイメージがファンタジーな世界で巧みに表現されているMV

透明度の高い独特な存在感と、デビュー間もない初々しさにも注目です。

三日月の意味するものとは?

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暗闇の中で静かに満ち欠けを繰り返す月

どこまでも広がる夜空で、さまざまな表情を見せる神秘的な存在でもあります。

月は古来から信仰の対象として崇められてきました。

今回のテーマである「三日月」はこれから満ちていく過程にある月。

「成長」のシンボルともされています。

今作の中での「三日月」はなにを意味しているのでしょうか?

歌詞の意味を紐解いていきましょう。

失うことの怖さ、不安定な関係

手に入れたからこそ感じる失う怖さ

こうして髪を撫で あなたの横顔を見る
星の花粉が舞う 海辺の砂の斜面
せっかく手に入れた愛の輝き
砕けるのが怖くて その腕につかまっていた

出典: CRESCENT MOON/作詞:松本隆 作曲:大野宏明 

幻想的なシーンから物語は始まります。

穏やかな静寂の中、最愛の彼の横顔を見ながら主人公が感じているのは不安

やっと手に入れることができた彼、そして彼の愛。

その輝きは脆(もろ)くて儚いもの。

簡単に砕けてしまうものかもしれないという不安が映し出されています。

欲しくて求めていたときとは違う、別の感情。

自分のものになったからこそ感じてしまうのでしょう。

幸せの中にいても、ふとした瞬間によぎります。

この関係が壊れて、自分の知らないどこかへ行ってしまうんじゃないか...

大切に思えば思うほど、失ったときの怖さも生まれてしまう。

そんな気持ちから彼の腕にしがみつくようにつかまる主人公が描かれています。

二人は不安定な三日月の上

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三日月の寝台に寝ころび
黙って添い寝して
言葉で話しかけずに目で問いかけて

出典: CRESCENT MOON/作詞:松本隆 作曲:大野宏明 

闇にぽっかりと浮かんだ二人が寝転んでいる三日月の寝台。

これから成長していく過程にある三日月は、細く繊細な曲線を描いています。

それは不安定さの現れでもあり、二人の関係についてもいえることでしょう。

少しでも動いたら傾いてしまうかもしれない危うさと隣り合わせの状況。

このまま二人でいられるなら、そっと静かに添い寝していたい。

ただ目で語りかけて、見つめていたいだけ。

主人公は自分の中で育まれる愛を分かっていながらも、まだ不安を感じています。

二人のこれからの行方もまだ見えない夜空のどこかに隠されてしまっているようです。