椎名林檎「ワインレッドの心」は、安全地帯が歌うと切なく感じます。

それを椎名林檎がアレンジし歌うと、重たく危険な香りに変わるところが面白いです。

曲調が徐々に変わっていくさまが素敵で濃ゆいワインの赤を思わせます。

サルサ

オルケスタ・デ・ラ・ルス「ダンスはうまく踊れない」は、見事にサルサと融合しています。

曲名はうまく踊れないといっています。

しかし、これを聞くとダンスができなくてもできそうな気になってきます。

力強い歌声や途中のかけ声などとってもかっこいいです。

ロック

ACIDMAN「傘がない」の原曲は少し侘しさを感じます。

でも、彼らがアレンジすると壮大で宇宙を思い浮かべるような音から始まります。

そして、その後にグッとロックな曲に変わっていきます。

重厚感のある音が歌詞とマッチしていて、聞けば聞くほど考えさせられます。

斉藤和義「カナリア」は、ロックだけど独特のけだるさを伴う声と曲がくせになりそうです。

途中でジャズっぽいところも出てきてロックというくくりでは表しきれません。

SIX LOUNGE「Just Fit」は、はじめから爽快感がほとばしる音たちが走りだします。

情熱的なアレンジが印象的で繰り返し聞きたくなります。

ヒップホップ

iri「東へ西へ」は、中性的な声で歌われています。

声に心をつかまれて、すぐに検索してしまいました。

ヒップホップのような、かといって型にはまっていないジャンルレスな印象です。

現代的でクールなアレンジはスタイリッシュという言葉がぴったりだと思います。

KREVA「最後のニュース」は、浮遊感と荘厳なアレンジがされており、さすがの一言です。

目を閉じてじっくりと聞きたくなる1曲に仕上がっています。

ミクスチャーロック

King Gnu「飾りじゃないのよ 涙は」は、アレンジでここまで変わるものなのかと感じました。

中森明菜が歌う時は、かっこいい大人の女性という印象が強い曲でした。

彼らのアレンジでは、女性の儚さのほうが強く出ていると思います。

原曲とは違ったKing Gnuらしさをしっかりと楽しめる1曲です。

 

トリビュートアルバムにそれぞれが込めた想い

これだけの豪華なアーティストが集結したのは「井上陽水」だからといえるでしょう。

それぞれアーティストの裏話・想いやコメントが読めるサイトがあります。

このトリビュートアルバムに関するコンテンツも豊富です。

全15曲のダイジェストや原曲イントロが聞けるプレイリストなども聞けます。

2019年11月27日発売!井上陽水をリスペクトするアーティストたちが、華やかに、鮮やかに、強く、優しく、思いのままに、陽水の歌をカバー

ジャケ買いでも後悔しません

井上陽水【トリビュートアルバム】収録曲を全曲解説!時代を象徴する名曲は現代にどう奏でられていくのかの画像

懐かしさと新しさに華やかさ、全部入ったアートなジャケットです。

色使いもさることながら、よく見てほしいところがあります。

鏡に映る姿は紙袋に井上陽水の顔が書かれているように見えます。

でも、手前の人を見ると顔をかたどったワイヤーを持っています。

これが表すのは、見る角度によって印象が変わることではないでしょうか。

それぞれの角度で見えているものが違い、解釈が違うことも素敵なことである。

そんな意味が含まれているような気がします。

1枚の写真でここまで深く作り上げられたものってなかなかないのではないでしょうか。

飾りたくなるジャケットの一つといえます。

アートデイレクターのとんだ林蘭とワイヤーアート作家の小川学のコラボで製作されました。

まとめ

唯一無二の才能の持ち主である井上陽水が作る楽曲たち。

それはゆるく優しく鋭い、そんなところが長く愛される一つの要因ではないでしょうか。

そんな彼を慕うジャンルをまたいだアーティストたちが心を込めて作り上げたトリビュートアルバム

井上陽水の作品を再び聞くきっかけになりました。

さらに参加アーティストたちの「らしさ」をあらためて感じられるものでした。

まだ聞いていない方にはぜひ一度聞いてほしい1枚です。

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