しかし、そんな過去に縛り付けられた心を解きほぐそうとする人が表れます。
しかも、その人は自分と同じように辛い過去を抱えているようです。
これは、まさに映画の中での主人公2人の関係性をそのまま如実に描いています。
そして、自然と2人は惹かれあい、脱皮するかのごとくだんだんと過去から心を引き剥がしていくことができるようになってきた様子が窺えます。
強くなりたくて 歩き出してみる
止まった時計を 胸に抱いたまま
言葉は怖くて すべて壊れそうで
ふたり見つめてた陽炎
出典: かげろう/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
そんな2人は、これまで辛い過去を背負ってきたせいか関係を保つことに慣れていないのかもしれません。
そして、そんな脆く儚い2人の様子を「陽炎」に例えているのではないでしょうか。
人混みの中を 走り出している
止まった時計を あなたと動かしたい
忘れられないこと 忘れたくないこと
夜明けに揺れてる陽炎
出典: かげろう/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
しかし、2人はどんどん惹かれあっていきます。
そこには、気付けばどんな障害も乗り越えていこうという気概が存在しているようです。
2人であれば人混みも掻き分け、止まった時計も動かすことができるし、そうでありたいと信じる想いを強く感じます。
とはいえ、辛く苦しい過去は無かったことにはできません。
でも、忘れようとすればもっと苦しいかもしれないし、本当は無理をしてまで忘れなくても良いのかもしれません。
それは2人のこれからや時間が少しずつ解決してくれて、いずれは「陽炎」のように儚い想い出になるのではないでしょうか。
全体を通して、まさに映画のキャッチコピーのように過去に捕らわれ自問自答しつつも前に進んでいこうとするような内容になっていますね。
最後に
他に映画主題歌になった曲は?
いかがでしたか?
このように「かげろう」の歌詞は「潔く柔く」の世界観を踏襲した内容になっていました。
ちなみに、シングル「かげろう」には斉藤和義をテーマにしていくえみ綾が描き下ろした漫画も特典として付属しています。
歌詞のみならず、上手に「潔く柔く」の世界観とコラボしていてとても素敵ですね。
この「かげろう」以外にも斉藤和義の楽曲で映画の主題歌に起用された楽曲があります。
それは「歌うたいのバラッド」という楽曲です。
彼の楽曲の中でも、特に名曲としての呼び声の高い1曲で映画「夜明けを告げるルーのうた」の主題歌に起用されました。
この記事を読んで斉藤和義が気になった方は「かげろう」と合わせて、こちらもぜひチェックしてみてください。
【斉藤和義/歌うたいのバラッド】PVを徹底解説!PVに登場する女性は誰?路地裏で歌う姿がカッコイイ! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
斉藤和義の代名詞とも言えるバラードの名作『歌うたいのバラッド』は、20年以上経った今でも新たなファンを増やし続けています。心に刺さるPVとあわせて作品の魅力に迫ります。
「潔く柔く」を包み込む音楽を手掛けた池頼広
「潔く柔く」の中に流れる空気感をそのまま音にしたような、斉藤和義の「かげろう」。
そして「かげろう」が流れるまでのストーリーをじわじわと盛り上げたのが、池頼広による音楽です。
池はアニメからミステリーに至るまで幅広いジャンルの映画音楽を手掛けています。
「潔く柔く」からは想像できないような映画作品も…。
そのひとつが映画「ドラゴンヘッド」です!
漫画が原作という共通点はあるものの、映画の世界観は重なるところがありません。
2作品を比較して、池頼広の振り幅の広さをぜひご堪能ください。
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