この想いと引き換えに
目の前の扉をくぐって
生きて 生きて 生き抜いてやれ
汚れたのはどっち?見上げた星空

出典: りんどう/作詞:KENTA 作曲:KENTA

今自分にはなんともいえない、悲しくなる気持ちがあるかもしれません。

時間には逆らえない、社会も嫌なことだらけ。

そうだったとして、そこで立ち止まってしまえば一巻の終わりです。

絶望で終わるよりも、生き抜く方法を考えたいところ。

まずは今心に抱いている気持ちを引き換えにして、未来への扉を開いてみましょう。

どんな形でも良いのです。

もうとにかく生き抜いてみせることの方が、ずっと価値があります。

必死で生き抜いた後の自分は、泥だらけで汚れているでしょう。

ですが、何が何でも頑張ろうとした自分の気持ちは汚れてなんかいないのです。

素直な自分の気持ちより、悲しいことばかり起こる世間の方がよっぽど汚れているのかもしれません。

心に迷いが生じたときは、空を見上げてみましょう。

空は誰にも汚されることなく、誰にとっても平等です。

暗闇には星が光り、そして太陽の昇る朝が訪れます。

雨が降っても霧が出ても、その後にはいつか必ず晴れるのです。

生き抜いた先には、きっと美しい景色が広がっていることでしょう。

どんな環境でも枯れないように

花は咲く 嘘のように
風に揺られ雨に打たれて
何処にいても枯れないように
願い歌う 祈りの詩

出典: りんどう/作詞:KENTA 作曲:KENTA

アスファルトのひび割れとか崖の一角とか、植物って驚くような場所で花を咲かせます。

ですが植物は動物と違い、生えた場所が過酷な環境だったとしても自分で移動することができません。

それでも彼らは、雨風に耐え抜く力を持っています。

人生もまた、まさにのような辛く苦しい出来事に遭遇することがあるでしょう。

に絶望して死んでしまわないように、「祈りの詩」というものを捧げる存在。

それがWANIMAの立場となります。

WANIMAは自分の歌を聴いてくれる人々に、花のように生き抜いてほしいのでしょう。

花は一見たおやかで弱く見えますが、に負けない強さを秘めているもの。

「弱いままで強くなれ」という言葉にも通じますね。

歌う側から聴き手への思いが現れた歌詞です。

人生の辛さを自然の厳しさに置き換えて表現しています。

嘘のような場所に咲いた花は、だからこそ人の心を揺さぶるほど印象付けるのでしょう。

その厳しさに負けないよう、人もまた花のようにたおやかで強くありたいものです。

何処にいても絶望することのないように、WANIMAが祈りを込めて歌を届けています。

存在すること

世界全体から見れば、人は小さな存在でしかありません。

あまりにも小さすぎて、簡単に消えてなくなってしまいそうなほど。

そのことに悩み、苦しむ人もいるでしょう。

ですがどんなに広い世界でも、「自分はここにいる」というアピールをする手段は必ずあります。

そしてそのアピールを、WANIMAはしっかり受け止めてくれるのです。

優しく力強いメッセージが込められた歌詞から、彼らの思いが伝わってきます。

谷底のようだった暗闇の中で、救われた気持ちになった方は決して少なくないでしょう。

暗闇の中にある命

底知れない深い谷で
ぼんやり光ってる
命を削り刻んで
好きなだけ…あともう少しだけ
弱いままで強くなれ

染まらない 終わらない

出典: りんどう/作詞:KENTA 作曲:KENTA

1番にもほぼ同じような歌詞がありましたが、2番は「祈り」ではなく「命」になっています。

胸に刻んで、自分は生きているということを表せるのでしょう。

真っ暗な谷間に浮かぶ光は、存在の証と思われます。

心も命もすべて合わせたのがこの光。

その上で、生き抜く希望を持っている限り光り輝くのです。

最後の6行目は、「自分は世間の暗闇に染まらない・絶望しない」という決意の表れのように感じられます。

染まってしまうことは、生きる希望を諦めるのと同義というわけですね。

信号を拾っていく

空を飛ぶ鳥に乗って
海を目指す魚になって
ここにいると呼ぶ声がする
約束はしてないけど
またいつの日か 歌いなぞる 命の詩

出典: りんどう/作詞:KENTA 作曲:KENTA

この部分の歌詞も、歌い手であるWANIMAのことを歌っているようのでしょう。

WANIMAは鳥や魚のように、様々な場所をまわって色々な人の信号を拾っていきます。

実際に駆けまわったり、インターネットなどを使ったりして集めるのかもしれません。

その信号とは、「自分はここにいる」という存在アピールのこと。

同時に彼らは聴き手であり、逆境に晒されながら何とか生き抜いている人々でもあります。

彼らに生きていて欲しいから、WANIMAは歌を届けるつもりであることを語っているのです。

歌い手としての覚悟信念と呼べるものではないでしょうか。

りんどうのような人生を

最後にやっとこの曲のタイトル「りんどう」が歌詞に登場します。

今までの歌詞の通り、りんどうの花は一見弱そうですが実はとても強い花。

弱いままで強くなれる花なのです。

WANIMAはこの曲を聴いてくれる人々に、りんどうの花のような人生を送ってほしいのでしょう。