LOVE PSYCHEDELICO 「Place Of Love」
LOVE PSHCHEDELICOの7thアルバム収録曲
「Place Of Love」は、2人組ユニットLOVE PSYCHEDELICOの7作目のアルバム「LOVE YOUR LOVE」に収録されている曲です。
決してストレートな言葉ではなく、深みのある言葉でしっとりと物語を描く大人っぽい楽曲は、結成20年というベテランのさすがの表現力を感じさせられます。
ボーカルのKUMIさんの独特の発音や耳に絡まるような艶やかな歌い方からは、長く愛されてきたLOVE PSYCHEDELICOのおしゃれな魅力が溢れています。
一人揺れる心情を艶やかに描く
愛は泣いていたんだろう秘密の場所で
答えは無いと知るんだろう空の向こうで
揺れてたい 触れていたい 永遠にkiss
音も無い部屋で今憂いとdance
ほら振り向けばあの日がcalling
燃えるscarlet sky
出典: Place Of Love/作詞:KUMI,NAOKI 作曲:KUMI,NAOKI
憂いと愛情の狭間にいる苦悩
歌詞は出だしから、悩ましげでどこか艶やかな心情を赤裸々に歌っています。
「愛は泣いていた」「答えは無い」といった暗く救いの見えない表現が、報われない愛の模様を描いた映画の世界観を音で聴かせてくれていますね。
「揺れてたい 触れていたい」と欲望が表れてくる一方で、「憂い」を感じてもいます。
そこには許されない愛に対して罪悪感などのネガティブな気持ちを自ら持ちつつ、それでも抗い難い大きな感情に揺さぶられているような苦悩が見えます。
「振り向けばあの日がcalling」という歌詞は、主人公の忘れられない過去の不倫を言っているように思えます。
どこまでも嵌っていく禁断の愛
愛は照らしていたんだろう久遠の場所で
憂いは消えてしまうんだろう時の向こうで
離れない 終わらない 永遠に lost
君のいない部屋で 今想いは lie
ほら目を閉じてあの日へfalling
揺れるscarlet sky
出典: Place Of Love/作詞:KUMI,NAOKI 作曲:KUMI,NAOKI
欲望のままに落ちていく
もう止めたと誓ったはずの禁断の関係にまた溺れる2人の男女。
「憂いは消えてしまうんだろう」という言葉は、許されない愛を重ねることにも次第に抵抗がなくなっていく人間の心情を歌っているのでしょうか。
終わった不倫が忘れられず、まだ昔の関係を引きずっている主人公の気持ちがドロッとしたトーンで綴られています。
映画を見る前から、止めたはずの不倫にまた嵌って沈んでいく主人公の姿が目に浮かぶようです。
なぜ不倫という一般的に見ればとても褒められない行為がこうも魅力的な題材になるのでしょうか。
それはきっと不倫なら一切の利害関係もなく、純粋に愛し合ったり慰めあったりできるからなのでしょう。
率直で分かりやすい安心感を得られる行為だからこそ、たとえ悪いことだと分かっていても多くの人が魅力を感じてしまうのかもしれません。
救われない愛を振り返る
愛を抱いていたんだろう秘密の場所で
揺れてたい 触れていたい 永遠に kiss
音も無い部屋で今憂いと dance
叶わない術もない胸の wish
ほら振り向けばあの日が calling
燃える scarlet sky
出典: Place Of Love/作詞:KUMI,NAOKI 作曲:KUMI,NAOKI
哀しい愛はどこへいくのか
そんな純粋な愛に溺れる主人公ですが、「叶わない 術もない」と歌われているようにそれが永遠の愛ではないことは分かっているのでしょう。
行き場もない関係で、ハッピーエンドが訪れることもないと分かっていながら、それでも失いたくない安心感にしがみついてしまう。
一時的な幸せの中にもそんな苦しみが常に付いてまわって、そこには哀しさしかありません。
救われない秘密の愛という、まるで麻薬のような関係が生々しく描かれている歌詞です。