そもそも恋愛に本気と遊びの区別があること自体、妙な話かもしれません。
ただ、ゲーム感覚で好きでもない相手と交際するタイプも存在します。
複数の相手と同時につき合うとか、1回デートしてみたかっただけとか。
他にもパターンはありそうです。
いずれにしても女性主人公は、こうした本気ではない交際のほうが助かる。
そう感じているようです。
相手の男性がどう思っているかはまだわかりませんが、これは女性側の話。
適当なつき合いなら、危なくなりそうだとわかった時点で別れられます。
ところが本気で好きになってしまったので別れることができないわけです。
別れて、別の男性を探せばいい。
そんなわけにはいかないという熱い想いが伝わってきます。
2番の歌詞を見よう!
男性は本気ではないの?
理由もなく引かれてた 陰りさえ
今なら意味も分かるわ
「このあたり潮時…」とあなたは
思っているはず 横顔違う
出典: 禁区/作詞:売野雅勇 作曲:細野晴臣
女性は、年上男性と本気で交際していることがわかりました。
ただ、男性はどうなのでしょうか。
答えがほのめかされている場面です。
もしかしたら男性は「ちょいワルおやじ」なのかもしれません。
少なくとも女性は、男性の少しダークな部分に魅力を感じていたわけです。
ところがそれは男性の根っからの性格ではなく、原因があって暗い雰囲気を漂わせていたということ。
女性はそれに気がついてしまいます。
男性はどうやら本気ではありません。
適当につき合って別れようと思っているから、顔つきがちょっぴりダークになっていたわけです。
もちろん、これは女性が考えたこと。
本当に本気の交際ではないのかどうかは、男性にしかわからないでしょう。
禁止区域に立ち入った
謎めいた 微笑み 惑わされて
振り向けば 帰り道 黄昏れの中
出典: 禁区/作詞:売野雅勇 作曲:細野晴臣
危ない恋に落ちる心理
結局のめり込んでしまった
「平凡な愛でいい…」心うらはら
危険な気なあなたしか
もう愛せない
出典: 禁区/作詞:売野雅勇 作曲:細野晴臣
女性が男性に対して「大人」という表現を使っていたことから、年齢を基準に解釈してきました。
ただ「危ない交際」というと、そこにはやはり不倫も含まれそうです。
年齢も不倫も関係なく、「本気ではない交際」のことかもしれません。
いずれにしても、ありきたりなつき合いではないということ。
何の問題もない、幸せな交際のほうがいいと思いながらも、現実は別。
「立ち入り禁止区域」にいる男性にのめり込む様子が伝わってきます。
別れるつもりはない
唇口でふさがれた 胸がつぶやく
私からサヨナラを
言わせるつもり…
それはちょっとできない 相談ね
出典: 禁区/作詞:売野雅勇 作曲:細野晴臣
いやいや「立ち入り禁止区域」に踏み込みましょう。
こうした作詞家の意図が見え隠れするようです。
中森明菜さんにしてみると「こんな大人っぽい歌詞は歌えないと言わせるつもり?」といったところ。
葛藤がありつつ、結局、挑戦した。
そんな裏話を想像するのも乙です。
結局、別れないという結末でした。
女性の本気度が相手に伝わり、禁止区域が安全地帯に変わるといいですね。