SIRUP【LOOP】歌詞＆動画を独自解説！メロウなテイストが気持ちよすぎる…ループに酔いしれよう

信号を何回通過したのでしょう。

時には赤信号につかまりながら、時には青信号をスムーズに渡りながら。

2人を乗せた車は、どんどん走っていきますね。

”焦らないで、もうすぐ着くよ”

出かけたのは確か朝でした。しかし気が付けば黄昏時です。

バックミラーが歪んでいる、これは太陽のせい？

2人の車はトンネルに入ります。そしてトンネルをもうすぐ抜ける2人の車。

”出口は君と見たいな”この言葉は一体どういう意味なのでしょうか。

思い切り解釈してみましょう。これは夢。そして”僕”の妄想です。

トンネルの先は夢から覚めた先、つまり現実世界に戻ることへの比喩なのではないでしょうか。

とはいえ、正確にはすべてが妄想ではないのでしょう。

彼女はかつて確かに存在しました。カフェで一緒にコーヒーも飲みました。

ですがここで、先ほどのシーンをよく思い返してみましょう。

1番の歌詞で”僕”は君に会えると”自分に言い聞かせて”歩を進めます。

もしかしたら思い出のカフェに行けば君がいるかもしれない。

しかし君は現れません...。

”君といつまでも過ごしたい”

それは叶うことないの願いです。

君と過ごした日々は確かにあったのでしょう。

しかしそれは過去の癒えることのできない記憶です。

「LOOP」とは過去をやり直したい”僕”の”夢”と”妄想”の繰り返しを描いているのではないでしょうか。

どんな理由があったのかは分かりません。

しかし出会いの数だけ別れは訪れます。

マーケティングの傾向として男性は過去に、女性は未来に投資をするというものがあります。

あくまで統計的な数値ですので人類すべてに当てはまるわけではありませんが...。

”僕”は過去の美しい記憶を忘れられず今日も眠い目をこすりながら歩きます。

行く先は思い出のカフェテリア。

先程まで夢の中で他愛のない会話を交わしたあの場所です。

そこに行けばあの日に戻れるのではないか？

夢の続きが見られるのではないかと微かな願いを込めてカフェのドアを開けます。

2人分のコーヒーを注文する僕。ミルクは1つ。

MVのラスト、コーヒーを飲みほした”僕”は1人海辺を歩きます。

これはSIRUPの過去の物語なのでしょうか？

アーティストは作品を作ることで過去と向き合うそうです。

SIRUPと親交のある小袋成彬はフロイトの説いた「喪の仕事」にこのことを例えました。

「喪の仕事」とは傷ついた心を回復させるための重要なプロセスです。

「LOOP」という楽曲を生み出すことでSIRUPは傷ついた心を癒すことができたのではないでしょうか。

今回はメロウなテイストが心地よいSIRUPの「LOOP」の歌詞と映像を独自に解説してみました。

一聴するだけならハッピーなラブソングとしても楽しめる「LOOP」。

SIRUPは映画を愛することからMVにも徹底したこだわりを持っているそうです。

綿密にディレクションされたSIRUPのMVはどの楽曲もとてもスタイリッシュ。

別の機会に他の楽曲についても解説させていただきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

最後にSIRUPの世界観が好きな方におすすめのアーティストの記事を紹介いたします。

SIRUPとも親交の深い向井太一は今や世界を又にかけ活躍する新世代のシンガー。

彼の最新楽曲「Pure」のMV解説記事をぜひご覧ください。

SIRUPのサウンドディレクションに強い影響を与えた小袋成彬。

宇多田ヒカルとの共作も収録した「分離派の夏」は必聴アルバムです。

下の記事では彼の魅力と共に”分離派”という言葉の意味を解説しています。

まさに新世代のシンガーソングライター崎山蒼志。

当時15才でくるりの岸田繁を唸らせた天才シンガーです。

下の記事では崎山蒼志の人生初MVとなった「夏至」のMVを解説しています。