歌詞はとっても短いのです。

【もののけ姫/米良美一】歌詞の意味を映画と合わせて解説!アシタカの思いが歌詞になっている!?の画像

歌詞を追っていくにあたり…。

「もののけ姫」の歌詞はとても短いのが特徴です。

しかしこの短い歌詞の中に様々な思いが込められており、映画を見た事がなくても素敵な歌詞と思えるはずです。

映画を見た事がある人もそうでない人も、「もののけ姫」の世界に浸ってみましょう!

自分に対する気持ちか、誰かに対する気持ちか

はりつめた弓の ふるえる弦よ
月の光にざわめく おまえの心

出典: もののけ姫/作詞:宮崎駿 作曲:久石譲

歌詞最初1行を見るとわかる事があります。

それは、弓矢を構え矢を放とうと弦を思い切り引いている姿が見えてきませんか?

「ふるえる弦」でわかるのは、力いっぱい引いているという事です。

弓矢を向けている対象が人なのか動物なのかはわかりませんが「ためらい」も感じとることができます。

その矢を放ってしまったら対象は死んでしまうかもしれない。

殺す勇気はあるのか。

そんな姿を感じとる事ができました。

月の光は夜の闇を明るく照らします。

まっすぐなほどに素直で明るい光です。

満月の夜は地面に自分の影が映る事もあります。

闇夜も照らす月の光は、自分の本当の気持ちをも照らしているのではないでしょうか。

明るく照らされてしまった心は、本当に弓矢を向けた対象を傷つけていいのか迷うのです。

危機とした状況であるのはわかります。

そんな状況でも心がざわついてしまう「おまえ」とはアシタカ自身の事ではないでしょうか。

映画内でアシタカはあり得ないほどの弓矢の威力をみせます。

それは「死の呪い」からくるものなのですが、一度矢が放たれると対象の首をふっ飛ばすほどです。

拳銃となんら威力は変わりません。

なんなら、拳銃以上ではないでしょうか。

その矢を放つたびに、アシタカの体内の毒はどんどん広がっていきます。

恐らく矢を放つ瞬間、毒が体内に広がっていってしまう恐怖にも襲われているに違いありません。

その恐怖と闘う気持ちも「ざわめく心」に込められているのではと感じました。

人を傷つけるもの

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とぎすまされた刃の美しい
そのきっさきによく似た そなたの横顔

出典: もののけ姫/作詞:宮崎駿 作曲:久石譲

人や物を傷つけるものであっても刃というものは芸術的な美しさがあります。

この部分の歌詞で「そなた」と出てきますがこれはおそらく「サン」の事ではないかと想像できます。

アシタカと出会った頃のサンは人間でありながらも自身を「山犬」と思っていました。

自分たちの住処である山を人間たちが荒らし、住みにくくしている。

そのことから人間に対して憎悪しかなかったのです。

人間の住む村「タタラ場」に忍び込み、村の長であるエボシの命を狙います。

その姿はまさに、人や物を傷つける為に磨かれた「刃」の様に鋭く美しくアシタカの目に写ったのでしょう。

とても鋭利でありながら、自分たちの家族を守ろうとする美しさを感じたのではないでしょうか。

サンはもちろん人間の言葉を話せます。

自分は山犬だ!と主張しながらも、どこか人間である事を理解している様にも感じ取れるのです。

人間なのに人間に対して憎しみを抱く。

これは現実の世界でも起こっていることで、この先もずっと抱えていく問題だと思います。

この部分の歌詞をとてもわかりやすく説明するならば…

山犬として育ち、今まで見た事が無い生き方をしてるサンにアシタカが惹かれてしまう。

そんな解釈が一番わかりやすいのかもしれません。

ちょっと薄っぺらくなってしまいますが(笑)

「死の呪い」とは…

悲しみと怒りにひそむ まことの心を知るは
森の精 もののけ達だけ もののけ達だけ

出典: もののけ姫/作詞:宮崎駿 作曲:久石譲

これが最後の歌詞になります。

アシタカが受けた「死の呪い」は映画内では明確に体に症状が現れていました。

物語として見る分にはそれでいいのですが…。

もののけ姫という作品を1つ掘り下げてみてみると「人間」という生き物を表しているように思いました。

「死の呪い」は強大な力が出せる代わりに、その力を出すごとに命が短くなる。

というものです。

その呪いはなぜ生まれたかというと、人間の心の闇が生んだとされています。

人間は欲が深く、身勝手です。

もののけ姫の映画ではそれを人で表すのではなく「タタリ神」として表しているのも特徴です。

映画冒頭に出てくるタタリ神はとても醜く気持ちが悪い印象で描かれています。

まさに、欲にまみれ身勝手な人間の心の姿と言えるでしょう。

人間は様々な感情を経験することで本当の気持ちを忘れてしまうものです。

生き物としての本当の心を知っているのは、山に住む生き物、まさにもののけ達だけ。

そう伝えたい歌詞なんだ感じる事もできました。

最後に

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「もののけ姫」の歌詞を映画のシーンから紐解いてみましたが、いかがだったでしょうか。

映画もののけ姫は普通の物語として楽しむこともできますが、深堀していくことで別の視点でも楽しむことができます。

主題歌「もののけ姫」はその別視点でも読み解く事ができるので何度聞いても飽きることがありません。

眠れない時のヒーリングミュージックとしてもおすすめなのでぜひ聞いてみてくださいね♪

他にもジブリ作品の主題歌を紹介した記事がございますので、是非チェックしてみてください!

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この記事ではアシタカの人間性、そして難解な台詞から時代背景などを考察しています。

アシタカやサンがとった行動の裏にはどんな理由や心理があったのか。

それを知ることで、より楽曲「もののけ姫」の世界観に惹きつけられるはずです。

ぜひあわせてお読みください!