【SHE IS SUMMER/会いに行かなくちゃ】歌詞の意味を解釈！君に会って気持ちを伝えたい！

仕事が終わり、いまだ止まぬ雨の中を走って家へと向かう「僕」。

積乱雲の隙間から斜めに強く差し込む無数の陽光の矢が、雨粒を煌めかせます。

リアルの「僕」が駆け抜ける道は、太陽そのものと、それを反射する雨で輝きに満ちています。

天気雨がもたらす、奇妙なテンションに満ちた眩しさ。

では「僕を作るかたまり」が歩む道はどうなっているのでしょう？

「君」に会いに行こうという気持ちは消えていません。

しかし「僕」はもう未来の自分の心が見えてしまっているようです。

今「君に抱いている気持ち」はそう遠くないうちに消えてしまいそうだということを…。

この想いが雨に打たれ流され消え去ってしまうまでは「君」に会いに行かなくちゃ。

それは未練とか疚しさとか義務といった、ネガティブなものではないと思います。

消えてしまうであろう想いであっても、今はまだ厳然として存在するもの。

それに対して誠実でありたいという心から生まれる、祈りにも似た衝動。

そして何よりも「今は大好きなんだ！」という気持ちではないでしょうか。

全体を通じ、驚くほどに「自らを俯瞰した歌詞」だという印象を強く受けます。

変わりゆく世界、変わりゆく自分。その変化とともに手放したり、消滅していく様々なもの。

何かを失う時、特にそれが恋愛感情だと、人は往々にして酷く感傷的になりがちです。

この歌詞は非常に抒情的でありつつも、そういったセンチメンタリズムを極力排除していますね。

「恋こそ我が人生」「この恋を失ったらもう未来なんて考えられない」という人もいます。

そういう人を否定しているわけでは決してないのです。

誠実さだけでは、何度でも会いに行きたいと思う衝動が生まれるはずがありません。

好きだから会いたい！　会えるうちにいっぱい会いたい！　根本はやはりそこでしょう。

かつてMICO自身が大事な音楽仲間を失い、ダメージのため一時期引きこもっていたこと。

そこから再び音楽活動を再開したこと。

彼女の中で「失うもの、そして続いていく未来」との折り合いをつける方法を見出したであろうこと。

そういった体験が、この歌詞に大きく影響しているように思えてなりません。

ところで、この歌詞の中には「夏」という言葉がひとつも入っていないことにお気づきでしたか？

それを連想させるような言葉は「暑くなっていくように」「夕立」くらいしかありませんよね。

なのにしっかりと夏の空気と陽射しが思い浮かぶようになっています。

「会いに行かなくちゃ」のMVがありますので、ぜひご覧ください！

MICO本人が出演していることもあり、視点は女の子側からになっています。

洋服を選ぶシーンも登場するのですが…後は見てのお楽しみ！

先に歌詞解釈をした後にMVをご紹介したのには2つ理由があります。

その1は「メロディ・アレンジ・そしてMICOのボーカルのインパクトがめっちゃ強い！」から！

正直、歌詞解釈なんてぶっ飛ぶほどではないでしょうか(笑)

その2は「解釈を読んでもらった後だと、女の子側の行動に色々意味が見出しやすい」からです。

「君」＝MICOが目覚めるところから、本編は始まります。

元気に機嫌よく目覚めた彼女は、服を選び、トーストを焼き、リュックを背負ってお出かけ。

おとめ座の星占いのラッキーアイテムは「リュック」です。

ドアを開けるとそこは…。

再び目覚めた彼女。なんか変。日めくりカレンダーはまた7/31。

前回とは違う服を選び、トーストを焼き（ちょっと色が濃い）、違う色のリュックを背負います。

ドアを開けると…（笑）

ついに彼女はキレます。クッションを放り投げ、洋服を蹴飛ばし、トーストは黒焦げ。

間に入る映画館やコインランドリーでのショットもやさぐれ感満載でしたね。

彼女は何とかループからの脱出に成功しますが…最後の最後に鳴り響く目覚まし時計のベルが怖い！！

映像ということで、皆さんも色々な解釈がしやすいかと思います。

筆者が感じたのは、歌詞解釈でも述べた「閉塞感」でした。

但しこちらは「彼女にとっては謎の繰り返しで生まれる閉塞感」という形になっていますね。

出口がな～い！

そうそう、なぜ日付が7/31なのか？　その理由はこの記事の最初の方にありますよ♪

このミニアルバム『hair salon』には初回限定盤と通常盤の2種類があります。

初回盤にはライブ映像を収録したDVDがセットになっているとのこと。

この記事がアップされた時点では公式サイトに正式曲順が載っていないので、次のリンクをご覧ください。