君の目が貫いた
僕の胸を真っ直ぐ
その日から何もかも
変わり果てた気がした
風に飛ばされそうな
深い春の隅で
誰にも見せない顔を見せて
出典: まちがいさがし/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
1番と同じ歌詞のサビですが、最後の言葉が変化しています。
より「君」への関心が深まっており、特別な関係性でいたいという願いが読み取れますね。
恋愛としての要素が色濃くなった印象も受けます。
2人だけの「特別」を積み重ねていきたい…。
そんな深い愛情がにじみ出る言葉で楽曲は締めくくられました。
「パーフェクトワールド」の世界感とマッチ
ドラマのストーリーをチェック
「まちがいさがし」はドラマ「パーフェクトワールド」の主題歌としての関心も高いです。
というのも、ドラマの世界感と見事にマッチしており、ドラマとともに聴くことで感動を誘います。
「パーフェクトワールド」のストーリーも見てみましょう。
主人公の女性と、事故により身体障害者となった男性との関係を描く恋愛漫画。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/パーフェクトワールド_(有賀リエの漫画)
「パーフェクトワールド」は有賀リエによる漫画が原作となっており、映画化もされています。
「身体障害」というシリアスなテーマを題材にしたこの作品。
読者からの反響が大きく、2019年には第43回講談社漫画賞少女部門を受賞しました。
「まちがいさがし」の歌詞とリンク
物語では川奈つぐみと身体障害を持つ鮎川樹が、様々な問題と向き合いながら恋愛を進めていきます。
決断するたびに「これで良かったのかな?」という「間違い探し」のような感情も味わうことでしょう。
でも、かけがえのない存在に出会えた幸せは、他の何にも代えられようがありません。
出会う前の選択一つ一つが今を作り、出会ってからの選択一つ一つがかけがえのない未来を作ります。
幸せの尺度は自分自身が決めるもの。
この考え方は「まちがいさがし」の世界感と見事にマッチしているといえます。
ドラマを見ながら楽曲を聴いた時の感動は、さらに大きなものとなるでしょう。
米津玄師のセルフカバーverも必聴
オリジナルバージョンとセルフカバーの違いとは?
米津玄師本人による「まちがいさがし」セルフカバーverも公開されています。
2020年を代表するヒットアルバムとなった米津玄師の「STRAY SHEEP」。
その一曲に米津玄師本人が歌う「まちがいさがし」が収録されています。
菅田将暉のまっすぐで青い若々しさを感じるオリジナルバージョン。
こちらはあまり音に手を加えず、菅田のまっすぐで感情豊かな歌声を最大限生かすアレンジです。
それに対し、米津玄師のセルフカバーバージョンはエフェクトやサンプリングを効果的に使用。
明るく穏やかな印象を受ける仕上がりです。
菅田の歌うオリジナルバージョンに対して、大人びた雰囲気を纏う一曲となりました。
米津玄師と菅田将暉の深い親交
米津玄師と菅田将暉が初めてコラボレーションしたのは「灰色と青」。
米津のアルバム「BOOTLEG」に収録された一曲です。
米津と菅田のデュエット形式で歌われる「灰色と青」は、ふたりの男のドラマを感じさせる印象的な一曲。
映画「キッズ・リターン」のような曲を作りたい、という米津のイメージが一曲の中に詰め込まれています。
この時コラボレーションしたのが、歌手としても実力を発揮し始めていた菅田でした。
菅田の歌声に惹かれた米津がコラボを申し込んで生まれた「灰色と青」。
それからも両者の交流は続きます。
米津はメディアへの出演が極めて少なかったことでも有名です。
しかし菅田がパーソナリティを務める「菅田将暉のオールナイトニッポン」には時折出演。
仲の良さを垣間見ることができました。
そんな菅田に楽曲提供するにあたり、米津には並々ならぬ思い入れがあったようです。
菅田の魅力を活かし、多くの人の共感を呼んだ「まちがいさがし」。
2019年にはレコード大賞や紅白歌合戦への出場も果たします。
まさに歌手・菅田将暉を代表する一曲となりました。
歌詞で解釈してきた「まちがいさがし」という歌のどこか切なくも暖かく優しい感情。
それは米津玄師が菅田将暉という友人に向ける親愛の想いでもあったのでしょう。
「何気なくそばにいて」という歌詞は恋愛の歌としても魅力的です。
そして、それ以外の親しく大切な相手への想いとも読み取れます。
ここには、米津の菅田に対する想いもまた反映されているのです。
人生において大切な「愛」。
その愛には様々な形があります。
そして「まちがいさがし」はそうした様々な愛の歌としても読み解ける一曲です。
恋愛や友愛、そして親愛。
様々な愛の形に寄り添ってくれるのが「まちがいさがし」なのです。
だからこそ「まちがいさがし」は多くの人の共感を呼び、これほど愛される一曲となりました。
恋人にはもちろん、大切な人にそっと贈りたい一曲です。
最後に
「まちがいさがし」はいかがでしたか?
まずはじっくりと考えさせるAメロからの展開…。
サビになると真っすぐな感情がワッと飛び出し、菅田将暉の世界へと引き込みます。
歌詞では「目が貫く」という表現をしていますが、筆者も胸を貫かれる感覚を覚えました。
正しさを求めると間違いばかりに目が向いて、大切なものを見失ってしまいがちなのかもしれません。
でも、大切なものに気が付くことができれば、どんな未来へも立ち向かっていけるともいえます。
色々と考えさせられる歌詞でしたね。
米津玄師が描き出す詩的で心を揺さぶる歌詞と穏やかで優しく印象的なメロディ。
それを菅田将暉のまっすぐで若々しい、感情を揺さぶるような歌声が運ぶ「まちがいさがし」。
両者の魅力が胸に迫る名曲です。
たとえ自分は「間違い」の方なのだとしても、大切なものを慈しんで日々を生きていきたい。
そんなあたたかい感情に包まれる、忘れ得ぬ一曲です。
「間違い」か「正解」かということに振り回され心が疲れてしまったとき。
是非この一曲を思い出してみてください。
そばにいる大切な人に愛しい想いを伝えたくなる。
そして、そばにいてくれることに感謝を伝えたくなるでしょう。
そんな「まちがいさがし」という曲を、改めて歌詞を噛み締めつつ聴いてみてはいかがでしょうか。