「新世界」
まずはMVをチェック!
「新世界」のコンセプトは”Scrap and Built”。
次々と新しいものが生まれていく一方、過去のものは解体されていく。
そうして休むことなく”新世界”へと変貌していく”シブヤ”を舞台に、”シブヤ”の象徴でもある女子高生の視点から捉えています。
”シブヤ”の姿を記録する女子高生の手には、三角形が描かれています。サビの歌詞とリンクしていますね。
シュンタロウや、メンバーの演奏シーンで現れるエフェクトは、変わっていく痛みを表現しているということ。
Hello Sleepwalkersの曲制作
独特の曲の作り方をするこのバンドの曲は、複雑な構成のものが多く、それが彼らの魅力の一つでもあります。
通常曲を作る際には、1曲全体の流れや骨組みを作ってから、細部を詰めていく、というパターンが多いです。
ですがHello Sleepwalkersのほぼ全ての作曲を手掛けるギターヴォーカルのシュンタロウは、まずAメロを作ったらその部分を完璧に仕上げ、次にBメロ、それも完成させてからサビへと進んでいく。
そういうかなり個性的手法で曲作りを行っていると語っています。
なかなかそういうやり方で作曲する人はいません。というかほぼいないのではないでしょうか。
作曲者本人にもAメロの次に何が来るのかわかっていない、だからあの曲展開が全く読めないHello Sleepwalkersならではの複雑な構成の曲が出来上がるのでしょう。
多くの曲が掴みどころのない不思議な感じを醸し出しているのは、そういう作曲方法によるところが大きいのかもしれませんね。
インストバージョンも公開
そんな個性派バンドのHello Sleepwalkersですが、今回ご紹介する「新世界」は、キャッチーでこのバンドの曲としては比較的分かりやすい曲の部類に入ると思います。
あくまでも、このバンドにしては、ですよ。
特にサビは印象的なフレーズで、一度聴いたら耳について離れないようなインパクトがあります。
こういう曲をアルバムのリードトラックに持ってくるあたり、さすがですね。
もともとファンの方はいいですが、このバンドを全く知らない人がディープなハロスリ節全開の曲を聴いたら、まずは驚いてしまうでしょう。
最初は優しくマイルドなリード曲でアルバムに誘導し、アルバムでガツンとその世界を堪能してもらう。
いろんな人に興味を持ってもらうためには、いい方法だと思います。
この曲が収録されているミニアルバム『シンセカイ』のリリース時には、この曲のインストバージョンも公開されました。
何でも、曲そのものをじっくり味わってもらうため、普段は歌詞に気をとられて聴いていないような部分にも耳を傾けてもらいたい。
その上で、歌が入ったものを聴いたら曲のいろんな面が見えて楽しんでもらえるのではないかと思ったそうです。
自分たちの作った曲を、とても大切に思っている様子が伝わってきますね。
世界的エンジニアがミックスを担当
この「新世界」のミキシングは、世界的なミックス・エンジニアのトム・ロード・アルジが手掛けました。
トム・ロード・アルジはプロデューサーやミックスエンジニアとして、音楽界の権威であるグラミー賞を3度受賞している超大物。
U2やビリー・ジョエル、ザ・ローリング・ストーンズなどの世界的アーティストの作品を数多く担当しています。
日本では、浜田省吾の作品にも関わったことがあるんですよ。
彼のおかげで、この曲で表現したいこと全てが表現できたと、シュンタロウは語っています。
「新世界」の歌詞
ではここからは、「新世界」の歌詞をご紹介しましょう。
弱りきった魚 あれは僕らの影
流れに逆らって泳いだ
砕け散った夢は水の上に浮かんで
今はもう季節の中にいる
いつから君と旅をしていたんだっけ
理由も答えも思い出せなくて怖くなった
重ねたライト 三角形の太陽
なぞった運命は六畳半に埋もれて
ガラクタみたいに時間が積もっていく
さよなら新世界
出典: 新世界/作詞:シュンタロウ 作曲:シュンタロウ・タソコ
変わりゆくのもに逆らっても、やっぱり時の流れには勝てないのでしょうか。
結局は、その流れに飲み込まれていくことになります。
失いたくないものや、変わって欲しくはないものもあっても、変わり続けるこの街では留まることはできません。
三角形の太陽
羽のない渡り鳥 地図にないどこかへ
風向きに逆らって歩いた
陸続きの夢は砂の上に揺らいで
今はもう季節の中にいる
続く波形の山脈 涙の海洋
重ねたライト 三角形の太陽
なぞった運命は六畳半に埋もれて
ガラクタみたいに時間が積もっていく
さよなら新世界
出典: 新世界/作詞:シュンタロウ 作曲:シュンタロウ・タソコ