煩わしい心すら
いつかは全て灰になるのなら
その花びらを瓶に詰め込んで
火を放て 今ここで
誰より強く願えば
そのまま遠く雷鳴に飛び込んで
歌えるさ カスみたいな
だけど確かな バースデイソング
出典: TEENAGE RIOT/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
生きている間にどんなに思い悩んだとしても、誰しも天命を全うするときが訪れるでしょう。
死を想う「メメント・モリ」という言葉には、だからこそ今を楽しもう!という意味があります。
そう考えたときに米津は「クソかっこいい曲を作る!」というわけですね。
しかもできるだけ美しい思いを爆発させよう!と呼びかけています。
実際にGコードで始まるサビになっているところがクソかっこいいです。
閃光ライオット
「雷鳴」という歌詞から連想されるのは、10代のロックフェス「閃光ライオット」。
2014年を最後に終わってしまいましたが、初回の2008年に米津は2次審査で落選しています。
当時の米津は17歳。
米津自身も10代の頃の熱い創作意欲を再び取り戻して、生まれ直そうとしているようです。
言えなかった3文字やDコードは諸説アリ
言えなかった3文字
しみったれたツラが似合う
ダークホース
不貞腐れて開けた壁の穴
あの時言えなかった三文字
ブラスバンド鳴らし出す
メロディー
出典: TEENAGE RIOT/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
「閃光ライオット」の主催はTOKYO FM系「SCHOOL OF LOCK!」やソニー・ミュージックなど。
2016年からソニーに所属し、「Lemon」をヒットさせた米津は予想外の大穴だったかもしれません。
審査に落ちたときなど、10代の米津はつらい思いもしたはずです。
そんな多感な時期に言えなかった3文字とはいったい何だったのでしょうか。
「つらい、きつい」といった弱音、あるいは素直になれなくて「ごめん」と言えなかったとか。
1. Flamingo
2. TEENAGE RIOT
3. ごめんね
出典: Flamingo/TEENAGE RIOT/米津玄師
両A面シングル「Flamingo/TEENAGE RIOT」の3曲目は「ごめんね」というタイトル。
「つらい」などの弱音以外に、「ごめん」という3文字も想像できる根拠になっています。
今のところ正解は明かされていません。この3文字にはいろいろな言葉が当てはまるでしょう。
自分自身に置き換えてアレコレ想像してみるのもおもしろいですね。
ニーチェを気取っていた?
真面目でもないのに賢しい顔で
ニヒリスト気取ってグルーミー
誰も聞いちゃいない
そのDコードを
それでもただ信じていたんだ
出典: TEENAGE RIOT/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
出ました、グルーミー!虚無主義のニヒリストといえばドイツの哲学者ニーチェでしょうか。
永劫回帰とか超人とか、難しい言葉のオンパレード。いろいろな解釈ができるはずです。
ざっくりいうと人生に意味はないし、あったとしても人間にはわからない……くらい。
ただ「だからこそ今を思いっきり生きよう!」という考え方はこれまでの歌詞とも重なります。
ニーチェのようなニヒリストを気取って暗い顔をしていた……と自分を客観視している感じです。
Dコードの曲
10代の米津がこよなく愛して信じた、変則的なDコードやGコードの曲。
それはソニック・ユースの「Teen Age Riot」だけではないでしょう。
BUMP OF CHICKEN「天体観測」の歌い出しは「D♭→B♭m→A♭→G♭」。
さらにRADWIMPSの「有心論」も「DonF♯→G→A→Bm」とオンコードながらDコードで始まります。
「Lemon」という王道路線の曲を作ることもできる!と証明してみせた米津だからこその音楽愛。
そう解釈できるでしょう。