ピコピコとした明るいエレクトロニクスサウンドが楽しい「(Rotten) Apple dot com」。

タイトルを和訳すると「(腐った)林檎ドットコム」です。

歌詞ではどんどん腐っていく自分を描写しています。

そして、腐った人間になればなるほど、林檎が美味しく感じる…。

人は不幸な境遇になって初めて幸せとはどんなものか分かることがほとんど。

また、自分が不幸せだと、他人の足を引っ張ったり何かに依存して精神のバランスを取ろうとするでしょう。

そんな人間の泥臭い心理を表現したのが、この楽曲なのだと思います。

3 おばけのウケねらい

おばけだって苦労している

古くから人々が恐れる存在、おばけ。

それをユニークに描いた「おばけのウケねらい」では、おばけの悩みや苦労を知ることができます。

ダンスチューンに乗せられて吐露されるおばけの本音は、とても面白いです。

おばけっぽい音色が見事にサウンドとマッチしています。

人々は自分が恐れるものに対してどれくらい寄り添えているのでしょうか?

この楽曲ではおばけが題材となっていますが、人の思考の癖が表現されている気がします。

4 ヨヅリナ

画面越しの誰かに向ける愛情

「ヨヅリナ」では、現実世界に意味を見いだせずに逃避している自分を客観視しています。

画面越しの誰かに寄せる愛情…。

それが健全な愛情ではないのだと認識しているからこそ、自分を「キモい」などと責めてしまいます。

2次元の世界に恋愛したり、ネット世界で出会うことが当たり前となった現代。

同じ経験をする人も少なくないのではないでしょうか?

もちろん、歌詞のとおりそれが「キモい」わけではないと思います。

でも、現実世界の問題が山積みになったまま逃避しているため、自分の中で不完全燃焼になっているのでしょう。

ここまでのアップテンポな曲調と打ってかわり、幻想的なサウンドが憂いをまとっています。

5 I.Q

不器用でも生き抜く

人間の知能指数を表す「IQ」をテーマにした楽曲「I.Q」。

上手に問題解決ができず、賢く振る舞うことのできない主人公は自分を「IQが足りない」と語ります。

不器用な自分は、いつだって賢い人に嘲笑われ、掌の上で転がっている…。

どれだけもがいても全敗してしまう自分の「才能のなさ」を悔やんでいます。

不器用な自分でもいいから、必死に生き抜いてみせる

そんな覚悟が感じられる歌詞は、とてもカッコいい負け犬の姿を描いているのではないでしょうか?

失敗しても頑張り続ける人は「努力の天才」です。

6 閻魔さまのいうとおり

不条理だらけの世界で出会う

ピノキオピーらしい「狂気」に満ち溢れた楽曲「閻魔さまのいうとおり」。

荒んだ心を持った男女が出会い、お互いの居場所を見つけます。

「人々が犠牲にならないように」と、生贄にされる少女の命はなぜ軽んじるのか?

「優しいお母さん」も裏では家庭内で虐待を行っているのに、なぜ上っ面だけで評価されるのか?

こういった「不条理ともいえる事実」に目を向けています。

「神さまのいうとおり」は、例えば鬼ごっこの鬼をランダムに決める時に使う数え歌ですね。

それが「閻魔さま」になっているのが皮肉。

「神様なんていない」とか「この世は地獄のようだ」という意味が込められているのでしょう。

7 Mei Mei

楽しんでしまえばいい