ポップでキュートなサウンドが炸裂する「Mei Mei」。
ここまで「人間の真理を鋭くえぐる」ようなディープな楽曲が多めでした。
ですが、ここではかなり楽曲のスタンスが変わります。
「悩みはあるけど、人生全部ひっくるめて楽しんでしまえ」と言わんばかりのハイテンション。
もはや、お祭り騒ぎです。
一見楽観的に見える人ほど苦労を重ねていることがあります。
「苦痛」があるからこそ「楽しみ」の重要性が分かるのです。
また、シンプルに考えることで突破口を開けることだってあるはず。
この楽曲も、様々な思考を巡らせたからこそ生まれた産物なのではないでしょうか。
8 シックシックシック
「病気」に切り込む
「シックシックシック」はタイトルのとおり、「病気」について綴った作品。
皆さんは「病気」についてどんなイメージを持っていますか?
この楽曲の主人公は「病気である」と周囲に言われ、病院で診断を受けようとします。
でも、本人の認識では自分は至って健全。
「病気」にカテゴライズされたとしても、本人に病識が無い場合は多くあるでしょう。
彼らは歪みながらも、傾きながらも、自分にとって良いバランスを保って生きています。
「あなたは病気だから」という言葉を突きつければ、疎外感しか生まれないのではないでしょうか。
9 ビューティフルなフィクション
「美しい世界」は存在するのか?
辛い現実世界で生きる人を描いた「ビューティフルなフィクション」。
「美しい世界」は「フィクション」…つまり創作の世界、嘘であると歌っています。
辛い人生の中で無理矢理押し付けられた「世界は美しい」という概念。
あるいは無理矢理「きっと未来にはいいことがある」と自分に言い聞かせているのかもしれません。
アニメや漫画での主人公は、苦痛を乗り越えて幸せを掴み取ります。
自分もそんな「フィクションの世界」にいるのではないかと錯覚することで、現実逃避しているのです。
繰り返される「ビューティフル」という言葉が皮肉ですね。
10 内臓ありますか
心に傷を負った人たちへ
ピノキオピーが放つキラーチューン「内臓ありますか」。
とてもインパクトのあるタイトルですね。
心に傷を負い続けるほどに空っぽになっていく「人間の中身」について歌っています。
それを「内臓の有無」に例えているのが独特な表現ですね。
「表面」ではなく「中身」に目を向ける
また、アルバム「零号」の「人間の表面ではなく中身に焦点を当てる」という考えとも一致しています。
様々な感情や現象に振り回されても、誰しも「人間という構造」には大差ない…。
目の前の出来事に左右されている人に対して、視点を変えるように呼びかけている気がします。