ONE OK ROCK「Push Back」はどんな楽曲?

アルバム「Eye of the Storm」の中でも、特にメッセージ性の強い曲に仕上がった「Push Back」。

叩きつけるようなバスドラムとスネアで、骨太なビートを作り上げています。

その強大なビートの上で、Takaのボーカルとバックコーラスが空間を埋め尽くすのです。

音楽的に過度期にいるONE OK ROCKの、実験的な楽曲ではないでしょうか?

曲名の「Push Back」とは日本語で「押し返す」という意味です。

その言葉にどんなテーマが込められているのか?

歌詞和訳しながら、歌われている心情を徹底解説していきます。

1番の歌詞を和訳

曲のイントロ

ONE OK ROCK【Push Back】歌詞を和訳して意味を解釈!「彼ら」が伝えたいこととは?の画像

Gun to our heads
They’re trying to tell us what to think
We’re stuck on the edge
So go ahead and push us
We’ll get up and push back

出典: Push Back/作詞:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi 作曲:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi

“俺たちの頭に突き付けられた銃

彼らは俺たちに何を考えるべきか伝えているんだ

俺たちは崖っぷちで動けない

やれよ 押してみろよ

また立ち上がって押し返してやるから” 

楽曲のイントロではTakaを中心にたくさんの声を重ね、曲のメッセージを歌い上げています。

出だしからかなり過酷な状況ですね。

歌詞の主人公たちは、撃たれそうなのでしょうか?

なにせ、銃を頭に突き付けられているのです。

ただ、崖のへりにいるようだとも歌っているので、ギリギリの状況をそのように喩えたのでしょう。

相手に徹底的にやられてしまったとしても、また起き上がってみせるといっているのです。

崖から落とされるということは、一度は立てなくなってしまうかもしれないと思っているのでしょう。

一旦心が折れたとしても、それでもカムバックしてみせるという固い意志が感じられます。

主人公たちは誰と戦っているのでしょうか?

何と戦っているのでしょうか?

その答えを追求していきます。

ちなみに、“go ahead”は「どうぞ、やって」という意味です。

1番Aメロを和訳

They call it revolution
But nothing’s changed
They call it medication
We’re still in pain

出典: Push Back/作詞:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi 作曲:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi

“彼らはそれを革命と呼んだ

でも、何も変わっちゃいない

彼らはそれを薬と呼んだ

俺たちはまだ痛みの中にいる”

革命とはどの革命でしょうか?

明言していないのでここではわかりません。

実際に起こった革命について言及したのではないのでしょう。

声を大にした革命のようなことでも、何も変化していないと訴えているのだと思います。

薬についても同じです。

「よいものだ。」といわれて受け入れ続けてきたことで、かえって苦境にいると喩えています。

“痛みの中にいる”という言葉から、歯を食いしばっているイメージが湧いてきますね。

1番Bメロを和訳

Now we’re back in the fight
止まることなく走り続けて
この先に待つどんな苦難どんな試練も
It’s like their holding the

出典: Push Back/作詞:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi 作曲:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi

1行目と4行目の英語の文章を訳します。

“今、俺たちは戦いの中に戻った

それはまさに 彼らが持っている…”

“戻った”ということは、一旦戦いから離脱していたということでしょうか?

もしかしたら、“彼ら”によって徹底的にやり込められてしまったあとなのかもしれません。

しかし、この先に何があってもあきらめないというような意志をのぞかせています。

Bメロの最後の“the”は、また次にくるサビの“Gun”に続きます。

苦難や試練が、銃を突きつけられていることに等しいと叫んでいるのです。

サビはイントロと同じ歌詞なので、次は2番の解説をしていきます。

2番の歌詞を和訳して考察

You’re precious reputation
Goes up in flames
You’re empty information
We know it’s all fake

出典: Push Back/作詞:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi 作曲:Taka・David Pramik・Michael Jade・Jamil Kazmi

“お前の評判は最高だ

燃え上がっていくようだ

あんたの情報はまさに空っぽ

俺たちはそれが全部嘘だと知っている”

「あんたは本当にすごいよ」と言ってくる取り巻きたちを揶揄したパートです。

やたらと褒めてきますが、中身がなく適当に言っているだけだと冷めた目で見ているのです。

歌詞の主人公=ONE OK ROCKなのかどうかはわかりません。

しかし、彼らがバンドとして抱えた状況を歌っているようでもあります。

ONE OK ROCKは大成功しましたが、その際にたいして意味のない賞賛の言葉を聞き飽きたのかも。

褒められるのはうれしいですが、イエスマンばかり周りにいても仕方がありません。

何かにつけて褒められても、自分たちの成長に繋がらないというストイックな考えを持っているのでしょう。

もちろん真相はわからないですが、その可能性はあると思います。

裏を返せば、ONE OK ROCKが今後もさらに成長を遂げることを約束してくれた歌詞なのです。

曲はここから1番のBメロの歌詞と、サビの歌詞を繰り返して最高に盛り上がって終わります。