哀れプラズマガール 点滅エラーモード 風呂沸きゃマグマ風呂
涙目の合図「ドンマイ」

糞ブレイキン 更年期リリィー オルゴールみたいなウーマン
エプロンにいっぱいしたワッペン ひとつ取ってくれた

出典: 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

「リリィー」はやはり“メイドメカ”として相当難ありの様子です。

“メイドメカ”の仕事である家事も碌にこなすことができません。

“オルゴール”が示すのはもしかしたらゼンマイ仕掛けのようにいちいちネジを回さないと動かないことを示しているのでしょうか。

しかもなにか失敗する度に大声でわめく「リリィー」。

これではただの手のかかるポンコツロボットです。

「ジャンク品だから仕方ないか」と諦めもなんとなくつきます。

ドタバタと騒がしく過ぎていく日々。

おそらく「リリィー」は彼女なりに一生懸命役目を果たそうとしているのかもしれません。

主人公に渡した“ワッペン”は彼女のお詫びのしるしでしょうか。

それとも自分の失態をそれほど責めずに家に置いてくれている主人公への親愛の証なのでしょうか。

そんな毎日を送る中、「リリィー」には段々限界が近づいているようです。

「リリィー」との別れ

マキシマム ザ ホルモン【糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー】歌詞解説!「リリィー」はどうなった?の画像

ガー‥ガガ ピガガ… ガガガ…ピーガー‥‥
ガガピガ‥ ピガガ ガガガ…ピー‥ガー‥
ガー‥ガガ ピガガ ガガガ…ピー‥ガーーーー
…ガガピガ ピガガ ガガガーピーガーー…‥

糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー ブレイキン 脳 脳 脳 サビつき脳 脳 脳
恐るべき大泣きリリィー 電気モードの脳 OH NO! NO! NO! NO!

出典: 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

「リリィー」から発せられる不気味な電子音。

いつ動きが止まるのかわからない状況を予感させます。

どうやら錆ついてしまったのは身体だけではないようです。

大きな声で感情を爆発させて泣く「リリィー」の声。

おそらくたまったものではないでしょう。

お祭り騒ぎのようなやかましさも感じます。

糞ブレイキン 更年期リリィー いよいよ電子容量オーバー
うつろに引退したがって 「グッバイ」 Message to you

鉄と鉛のギシギシ鳴り止まん
オイル漏れボディー メイドメカ リリィー
パパにバレればバラバラさ 不燃物ゴミ行きのリリィー

出典: 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

いよいよ「リリィー」との別れのときがやってきてしまいました。

機械の身体は悲鳴を上げ続けています。

主人公は家族に内緒で「リリィー」を迎え入れたのかもしれません。

ポンコツの使えない“メイドメカ”というだけで簡単に処分の対象になってしまうでしょう。

このままでは「リリィー」は無残にも解体されてただの“ゴミ”になってしまうのです。

とうとう暴れだす有様 そして問答無用に逆さま
「ソノ スクラップ ノ ナカニマザルノ ハ チョットマッタ」
と同時にグシャグシャだ
体バラバラ さらばババア…
遠く転がる首のつなぎ目で 電気ショートの音が虚しく響きだす…

ガー‥ガガ ピガガ… ガガガ…ピーガー‥‥
ガガピガ‥ ピガガ ガガガ…ピー‥ガー‥
ガー‥ガガ ピガガ ガガガ…ピー‥ガーーーー
…ガガピガ ピガガ ガガガーピーガーー…‥

出典: 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

「リリィー」もその行く末を自分でも思い描いていたのでしょうか。

最後の抵抗を見せるも、虚しく自分からバラバラになってしまいます。

もう「リリィー」はただの機械の塊

いつもうるさくて煩わしさを感じていた電子音を聞くこともありません。

さっきまで「リリィー」に流れていた電気の音だけを残して「リリィー」という存在は消滅してしまいました。

「リリィー」が恋しい?!

きっと「リリィー」は出会ったときから限界に近かったのでしょう。

そんな状態でもママ気取りして“メイドメカ”として主人公に仕えようとしていた「リリィー」。

主人公は「リリィー」を疎ましく感じていたかと思いきや、どうやら実際は違ったようです。

もう「リリィー」はいない...

糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー
ブレイキン 脳 脳 脳 サビつき脳 脳 脳
恐るべき大泣きリリィー ブレイキン 脳 脳 脳
ブレイキン NO! NO! NO! NO!

出典: 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

楽曲の途中から同じフレーズで繰り返される歌詞

しかしここでの“NO”はいままでのように「リリィー」を否定するだけの要素ではないかもしれません。

どこか悲しげで「リリィー」がいなくなってしまったことをかき消そうとしている印象を受けます。

主人公にとっての「リリィー」とは

糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー リリィーWith out you
糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー リリィーWith out you
糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー リリィーWith out you
糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー リリィーWith out you

リリィーWith out you リリィーWith out you
リリィーWith out you リリィーWith out you

出典: 糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

楽曲の終盤のくだり、「リリィー」が恋しいと畳みかけるように歌詞が続きます。

落ちぶれた失敗作だった「リリィー」。

“メイドメカ”として使える代物では到底なかったはずです。

それなのになぜ「リリィー」なしでは生きていけないと歌うのでしょうか。

主人公はいつの間にか「リリィー」に愛着を持っていたのです。

それはきっといままで自覚することもなかったのでしょう。

「リリィー」の最後のときを迎え、それを目にすることで「リリィー」がもうこの世にいない喪失感をはじめて覚えたのではないでしょうか。

いつも家事すらうまくできずに電子音をまき散らしながらキリキリして感情を爆発させていた「リリィー」

そんな彼女がいなくなった家は寂しさを感じるのには十分な静けさに包まれていることでしょう。

「リリィー」に限らず、失ったときに大切さを感じるのは私たち人間にとってはよくあることかもしれません。

人であっても、物であっても。

それが便利でも使えなかったとしても、むしろそうでないからこそ愛着も沸くのではないでしょうか。

これで「リリィー」と主人公の物語は幕を閉じます。

ホルモンの中でもポップでかわいらしい【糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー】。

「リリィー」と主人公の思い出がまるでオルゴールの音色のように切なくも心に残るようです。