冒頭のフレーズと同様、1行目と2行目は僕の目線で語られています。

いくら長い間一緒にいたとしても、絶対に理解することができない

そんな心模様を改めて訴えかけているフレーズです。

3行目以降は、冒頭よりもバチバチとした攻防が描かれているように感じられます。

狂気をどうにかして抑え込みたい僕と、とにかく外へ出たい狂気。

バトルは徐々に熱を増してきたように感じられます。

振り払う叫び

You say I’m mad all around
(君はみんなに、僕が狂っているなんて言うが)
I say I’m not, you’re the one
(狂っているのは僕じゃない、君の方だ)
僕が狂ってる?
The more I shout it comes apart
(僕はそれが壊れるまで叫んだ)

出典: MAD QUALIA/作詞:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali 作曲:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali

最後の「それ」とは、狂気そのものを指しています。

だんだんと白熱してきた僕と狂気の真剣勝負。

なかなか決着のつかない一進一退の攻防戦にしびれを切らした僕は、叫びます。

この闘いを終わらせたい。その一心で声を枯らし続けているのです。

狂気を突き落とす僕

君を道連れに

Falling together
(共に堕ちてゆく)
In this dissolving sounds of city’s cry
(溶けてゆく街の叫声の中を)
We’re falling together
(僕らは共に堕ちてゆく)
In this evolving plan that’s
Useless and seamless
(進化し続ける、クソみたいで途切れることのない計画の中を)

出典: MAD QUALIA/作詞:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali 作曲:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali

前半にも同じ歌詞が登場していましたが、そこに込められた感情は異なっています。

というのもこの前の部分で紹介したように、僕はそろそろ決着をつけたがっているのです

しかし勝負が決する目処は全く立っていない

歌詞4行目にもある通り、狂気が僕をのっとるプランは現在進行形だからです。

それなら自分の身をもって決着をつけてやる。僕にはそのくらいの覚悟が感じられます。

その前提で1行目から読むと、先ほどと捉え方が変わりますね。

さっき堕ちていたときは、狂気優位でした。僕を支配したい狂気が一緒に堕ちていたからです。

しかしここでは、僕優位です。僕は狂気もろとも、身を亡ぼすほどの覚悟で向き合っているのです。

思惑は違えども…

We see the same light
(僕らは同じ光を見つめている)
Yet it differs in mind
(でもその心は異なっているのだ)
Mad Qualia

出典: MAD QUALIA/作詞:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali 作曲:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali

狂気は僕をダークサイドに引きずり込むために堕ちていると思っています。

しかし僕は、狂気を滅ぼすために堕ちていると思っているのです。

つまり両者の向いている方向は同じなのに、その目的は違う。それを説明しています。

君に歩み寄る僕

敵を理解したい…?

I wanna sense what you feel
(君が感じていることを知りたい)
I wanna taste how it feels
(君の感覚を味わいたい)
I wanna take what you feel
(君が感じていることを理解したい)
I wanna know what is real
(真実を知りたい)

出典: MAD QUALIA/作詞:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali 作曲:HYDE,Sho from MY FIRST STORY,Ali

ここは狂気の正体を知りたがっている僕の気持ちが表れている部分のように見えます。

ではなぜ、僕が狂気のことを知りたがるのか

抑え込みたい、いわば敵のような存在である狂気を理解したがる理由を考えてみました。

あくまでも筆者の想像ですが、それも狂気を抑え込むためだと考えられるのです。

というのも前半から中盤にかけて、僕は必死に狂気と闘ってきました。

しかしうまくいかず失敗ばかりで、結局自分の中に眠る狂気は抑えきれていません。

力ずくでなんとかしようとしても、できなかった。

それならば、違ったアプローチをしてみよう。僕はそう考えたのでしょう。

だからこそ一見すると、嫌悪していた狂気に歩み寄るような姿勢を見せているのです。

君から離れたい