『ふたりの秒針』とは
中性的なハイトーンボイスとネガティブな歌詞。
まさに現代のアーティストといえる焚吐。
『ふたりの秒針』はそんな魅力的な彼の楽曲です。
2016年の春から夏にわたってコナンのEDに起用されました。
コナンのED楽曲と言えば、倉木麻衣さんやB'zさんが有名です。
焚吐さんはそんな中で、新星のアーティストとして現れました。
そして今回紹介する焚吐さんのこの楽曲。
果たしてどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
なぜエンディングテーマに起用されたのか
それはまさに新一と蘭の恋心を歌い上げているからです。
コナンのエンディングテーマには共通したテーマがあります。
そのテーマとは新一と蘭の二人を描いているということ。
これまでの倉木麻衣さんの楽曲などもその輪郭を描いています。
今回の焚吐さんの『ふたりの秒針』という楽曲。
この楽曲も新一目線で蘭への熱い想いが乗せられた楽曲なのです。
蘭と出会って変化していく新一の想い
魔法にかかった日常
生まれて初めて触れた 君の優しさにただ
懐かしい気持ちになるのは なんでだろうか
電池が切れたみたいに 俯いた日常も
途端に色付いていくような
不思議だな 不思議だな
出典: ふたりの秒針/作詞:焚吐 作曲:焚吐
君に対する率直な想いを寄せています。
ここでの君とはコナンの登場人物である蘭のこと。
そしてこの歌詞は新一目線であることが読み取れます。
二人が初めて出会った日のことを思い返しています。
これまで経験したことの無かった人の愛というぬくもり。
何もかもが初めてのはずなのに、どこかノスタルジックな気分になる。
昔から知っていたような感覚に浸っています。
それほどに二人は相性が良く、お似合いであるのです。
それまでは普遍的で何一つ面白味が無かった毎日でした。
そんな日々が君に出会ったとたんに、180度姿を変えていく。
まるで魔法のようにめまぐるしく変化していく自分の環境。
これを不思議と思わざるをえないのです。
動き出した秒針は止まらない
チクタクと一秒ごと 命を刻み出したんだ
曖昧な言い訳など 何の役にも立たないだろ
出典: ふたりの秒針/作詞:焚吐 作曲:焚吐
そんな蘭を隣にした新一。
蘭を守りぬいて今を生きていくと意識する。
時間が一秒一秒と過ぎ去る中で強い決意をするのです。
二人の秒針を止めることが無いように歩いていく。
自身の煩悩や先延ばしなどは何一つとして無意味である。
それは確かな愛の力であり、湧き上がってくる熱い想いなのです。
蘭によって再び動かされた時計の針。
もう二度と止めることが無いようにという新一の感情が現れています。
愛を持って振りかざす前向きな想い
足りなかった最後のパーツは愛だった
愛というパーツひとつあるだけで 過去は変えられる
愛というパーツひとつあるだけで 過去は変えられる
愛というパーツひとつあるだけで ああ 明日もきっときっときっときっと
出典: ふたりの秒針/作詞:焚吐 作曲:焚吐
そこにはまれば全てが噛み合って回りだすようなパーツ。
それがあれば自分も君も、全人類が幸せになれるようなもの。
ここではそのパーツこそが「愛」であるといっているのです。
新一はそれほどに愛のパワーを蘭との出会いで感じ取っている。
悩んでいる人も歯車が上手く回らず生きることが憂鬱な人にも当てはまる。
皆が愛を持てば時間を超えた全ての物事を変えることが出来るといっています。
半ば無理やりとも思えるフレーズです。
しかしながらそれほどに幾許もの力がある「愛」を信じて欲しい。
そんな楽曲からのメッセージのようにも感じられます。