晴れて輝く空は、いつでも人々を明るく照らしてくれます。

しかし主人公は、多くの人が大好きな明るい空を嫌いだと言っているのです。

それはなぜか。理由は2行目に書いてあります。

あなたはやったことがあるでしょうか。明るい空に向かって紙などをかざすと、裏が透けて見えたりしますね。

主人公はそんな風に、明るい空が自分の心を全て透かして見てしまうのではないかと不安なのです。

全て見透かされると困るのは、自分がついている嘘がバレてしまうこと

私の心を見透かす空は、自分のことなんて助けてはくれない。

嘘をついてそれを隠している私のことを、馬鹿にして笑うのだろう。そんな気持ちがにじみ出ています。

しかし実際のところ、空は人々を嘲笑っているわけではないのです。

それは4行目から綴られているとおりです。

涙は雨です。「止まない雨はない」という言葉があるように、いつか涙も止まります。

明るく輝く空は人々の涙を吸い込み、晴れにする…つまり笑顔にしていくのです。

だから7行目、少し前向きになった主人公はこう尋ねているのでしょう。

雨は晴れに繋がる。同じく涙は笑顔に繋がる。

どんよりとした雨とスッキリした青空、それらをつなぐ架け橋が虹です。

だからこそ明るく晴れ渡る空に、自分の涙で虹をかけられたのかな…そう思いを馳せているのです。

ワガママ?制御できない心

欲しいモノはないのに
満たされてないのは
君も同じ気持ち?
今は信じられない

近づくのは怖い
離れるのも怖い
ただのわがままだと
自分でもわかってる

出典: 虹の素/作詞:指原莉乃 作曲:増谷賢

またもや主人公は、自分の中のネガティブな感情に支配され始めています。

1.2行目、そして5.6行目にある通り、主人公は制御できない自分自身の心の揺れ動きに翻弄されています。

こんな状態は良くない。これはただのワガママだ。そうわかっているのです。

それでもうまくコントロールできず、振り回されて困っている様子が描かれています。

自分を変えたい…

不意に見せる強気な姿勢

誰に持て囃されたのか
幼稚な感情 捨ててよ
私の横 不幸になってくれる?

出典: 虹の素/作詞:指原莉乃 作曲:増谷賢

励ましてくれる周囲の人たちを疎ましく思う気持ちが溢れています。

主人公にとっては、明るく励ます言葉が幼稚に感じられるのでしょう。

そこまでして、私のことをどうしたいのかと疑問がぬぐい切れません。

しまいには3行目、一緒に不幸になる覚悟があるのかと、ネガティブな挑発をしているようにも感じられます。

私と君は違う

君もきっと眩しい空
暗闇を減らすだろう
違う世界 見ている人
私はずっと 影を見つけて
逃げ惑い 隠れるんだ
約束できないなら
ここから早く逃げ出してよ

出典: 虹の素/作詞:指原莉乃 作曲:増谷賢

歌詞中に何度か登場している君が、主人公にとっては明るく輝く空のような存在であると綴られています。

周囲を巻き込んで引っ張ってくれるような、リーダー的存在であることが感じられます。

その根拠として、3行目で自分とは違うのだとハッキリいっているのです。

主人公はそんな君に敵わなくて、いつも君の影に隠れて生きてきたようです。

心のどこかで憧れつつも、絶対に届くことのない君の存在感を改めて実感したのかもしれませんね。

自分のあり方を見直して

正義は1つじゃない

「一縷の光」なんて
Ah 誰が言ったの?
光が正義なのか?
だから…

出典: 虹の素/作詞:指原莉乃 作曲:増谷賢

これまで主人公はずっと、明るく周囲を照らす君のような存在が正義だと思っていました。

それが1行目に表現されている光でしょう。希望など、ポジティブな感情の総称として用いられています。

しかしその固定観念に対し、疑問を持ち始めているようです。

3行目で、その疑問が綴られています。果たして君だけが正しいのか。自分は間違っているのか。

光以外の正解があるのではないだろうか。主人公はそう思い始めたのです。

自分は自分にできることを

眩しい空が 苦手なんだ
嘘も見透かされそうで
ただ照らして 嘲笑うか
届くように叫び泣いたら
最後には逃げるだろう
せめて教えてよ
虹の素は誰の涙?

出典: 虹の素/作詞:指原莉乃 作曲:増谷賢