実際のギャングが登場しているMV

テーマは実は平和?

マイケル・ジャクソン【Beat It】歌詞を和訳&解釈!実は非暴力の歌?「殴れ」ではなく「逃げろ」?の画像

知る人ぞ知るマイケル・ジャクソンのヒット曲『Beat It』。

激しい曲調やMVの内容から喧嘩についての曲かと思っている方もいるのでは?

本当はマイケルの「暴力で解決してはいけない」というメッセージが込められているのです。

登場するギャングの迫力は真に迫ったものですが、それもそのはず…

彼らには本物も混じっているのです…!

MVに参加しているLAのストリートギャンググループCrips(クリップス)とBloods(ブラッズ)は実際に対立していたとのこと。

いざ対面すると一触即発の危険な状態にもなったそうです。

MVの撮影中にはロケ地である倉庫の周りに警察が待機していたんだとか。

まずはそんな様々な逸話があるMVからチェックしてみましょう。

MVをチェック

抗争が始まろうとしていた夜

ダイナーのようなところで座っていたギャングのひとりは仲間を誘って外へと出て行きます。

一方、ビリヤード台のあるバーのようなところでもギャングはたむろしていました。

ギャングはこの二派にわかれているようです。

彼らは誘い合わせて外へと出て行き、どこかへと向かいます。

(マンホールから登場するギャングも…)

彼らはどんどん目的地に近づく度に合流して行きます。抗争が始まるのでしょうか。

ちなみに、白いジャケットの男性は貫禄たっぷりですが、彼はギャングではなくマイケルの振付師であるマイケル・ピータースです。

さてマイケルは何をしているかと言うと自室で何やら落ち着かない様子でいました。

意を決したような表情で彼は立ち上がり部屋を出ていきます。

お馴染みの赤いジャケットに着替えてダンスしながらギャングのアジトへと乗り込みますが…すでにそれらはもぬけの殻に。

マイケルの流れるようなダンスがとてもかっこいいパートです。

『ウエストサイド物語』がモデル!

マイケル・ジャクソン【Beat It】歌詞を和訳&解釈!実は非暴力の歌?「殴れ」ではなく「逃げろ」?の画像

ついにギャングたちはとある倉庫へとたどり着きます。

グループのトップとみられる二人が前に進み出てナイフを取り出し、決闘の構え…

このジャックナイフで決闘をするシーンは、ミュージカル映画『ウエストサイド物語』のオマージュです。

ダンスのような格闘シーンはハラハラしますね。

そうこうしているうちにマイケルが倉庫へ到着。

決闘している二人の間に入り仲裁し、にわかに踊り出すのです。

ギャングたちも彼の後に続きます。

その後は敵味方関係なく入り乱れてダンスブレイクのシーン。

見応えがありますが、彼らを囲んで観ている人々は約80名の本物のギャング。

それを知った上に見るとなんだか張り詰めた雰囲気も感じませんか。

実はマイケルが振付師ピータースの足を踏んでしまっているショットがあるので探してみてください。

本来ならば、 撮り直すところですが、前述の通り一触即発の状況だったためこのワンショットのみとなりました。

おもしろパロディー動画もある?

Eat it(食べろ!)

有名なパロディーミュージシャン、"Weird Al" Yankovic(ウィアード・アル・ヤンコビック)。

彼はマドンナやニルヴァーナなど様々なミュージシャンをパロディしているのですが、その中にはマイケルの曲もいくつかあります。

今回ご紹介するのは『Beat It』のパロディー作品『Eat It(イート・イット)』。

直訳すると「それを食べろ!」という意味。

歌詞の内容はタイトル通り、「好き嫌いせずになんでも食べろ」というもの。

忠実に元のMVを再現しているのも見どころです。

自室にいる時のTシャツはなんとマイケル本人からプレゼントされたもの。

本人公認のモノマネというわけですね。

最後に『Thriller(スリラー)』のパロも入っています。

それではいよいよ歌詞について解説していこうと思います。

歌詞を和訳&解説!

脅しをかけられて

They told him, "Don't you ever come around here
Don't wanna see your face, you better disappear"
The fire's in their eyes and their words are really clear
So beat it, just beat it

出典: Beat It/作詞:Michael Jackson 作曲:Michael Jackson

“ヤツらは彼に言った「ここら辺をウロウロするんじゃないぞ」

「お前の顔なんて見たくない、さっさと消えればいい」

ヤツらの目に灯がともり、そしてその言葉はとても分かりやすかった

だから失せろ、ただ失せろ”

 

歌詞の主人公はある若い男が、街のチンピラから脅しをかけられているところに遭遇します。

いきなり脅しつけられた男は腹を立てて、立ち向かおうとしたのかもしれません。

しかし、主人公はチンピラたちの危険さを察知したので、彼へ「早く逃げろ」と警告しているのです。