「FICTION」ってどんな曲?
楽曲名を伏せてMV公開を事前予告
2020年リリースされた彼らの3rdフルアルバム「何者」に収録された楽曲です。
アルバムリリース後、楽曲名を伏せて「何者」から新しいMVの公開が予告され話題になりました。
Calmera参加のおしゃれで豪華なサウンド
大阪発のエンタメジャズバンドCalmera(カルメラ)から、ホーンセクションがゲスト参加。
ファンキーなサウンドの上にホーンセクションが加わり、おしゃれで豪華なサウンドに仕上がっています。
MVにも参加し、映像作品でもポルカドットスティングレイと共演を果たし、楽曲に花を添えています。
歌詞を読み解く
「つまらないのは世界か?お前自身か?」
わざわざカッコで綴られたこの一文がこの楽曲の大きなテーマです。
収録アルバム「何者」のタイトルにも通じるような、挑発的な問いかけにただならぬ世界観が垣間見えます。
この一文に象徴されるような、物事の本質を問うようなメッセージを歌詞全体から感じます。
そして、各パートごとに繰り返しが多用されているので、歌詞の分量としては実は少ないのも特徴的。
歌詞を繰り返すことで、「つまらない」という感覚を表現しているように思います。
世界(歌詞)そのものがつまらないのか、あるいは、自分自身がそう感じているだけのか?
そんな、ちょっとした心の隙間を突くような歌詞を読み解いていきましょう。
作りもの
凍えそうさ君の瞳で
痛いくらい風を切るのさ
どうしようもなくフレア散らして
It is FICTION that sounds like nonfiction
出典: FICTION/作詞:雫 作曲:雫
冒頭は、サビから始まります。
先に最後の英文を和訳するとグッと分かりやすくなります。
”事実(=nonfiction)のように聞こえることも作りもの(=FICTION)なのさ”と歌います。
ある意味、この楽曲で言いたい結論といってもいいかもしれません。
”凍えそうさ”というのは、物事の本質を知って価値観が崩れていく様子を表現しているのでないでしょうか。
”君の瞳”というのは、嘘偽りないまっすぐな本質の象徴でしょう。
例えば、恋愛の相談に乗ってくれていた親友が、実は好きな人の彼女だった!そんな話聞きますよね。
相談に乗ってくれていたという事実も、本質を隠すための作りものだった、という痛みです。
刹那の中で見る奇跡
どうしようもなく
日々は刹那
奇跡ならば
私を見ていた
出典: FICTION/作詞:雫 作曲:雫
このパートは非常に解釈が難しいと思います。
”刹那”とは、元々は仏教用語で、非常に短い時間の概念を表した言葉です。
つまり、毎日(日々)はどうしようもないくらい一瞬で過ぎてゆく、ということです。
もう少し噛み砕くと、「同じように繰り返される日常」と表現してもいいかもしれません。
そんな日常を、無意識に当たり前と受け入れている事実。
何も感じないような時間の流れの中で、本質に気づく(=私を見ている)というのは、奇跡なのです。