「青空」
THE BLUE HEARTS屈指の名曲
「青空」は、1988年にリリースされたTHE BLUE HEARTSにとって3枚目のアルバム『TRAIN-TRAIN』に収録された曲です。
アルバム曲の中でも人気が高く、翌1989年には8枚目のシングルとしてリカットされました。
『TRAIN TRAIN』はそれまでの2作と違い、ある種コンセプトアルバムのような内容になっていました。
アルバム最後の曲「お前を離さない」の後には1曲目「TRAIN TRAIN」のサビと冒頭部分が流れるなど、アルバム通しての世界観が構築されています。
パンク中心だったサウンドからブルースやフォーク、カントリーミュージックまで様々な音楽の要素が入った幅広いアルバムでした。
それまでTHE BLUE HEARTSを聞かなかった層にもアピールし、新しいファンを獲得するきっかけになった傑作です。
中でも「青空」は素朴で美しいメロディーを持った名曲で、現在に至るまで長く愛される曲なのです。
タイトルの読みは?
タイトルは普通に読むと「あおぞら」ですが、作詞作曲した真島昌利によると歌詞の中にある通り「あおいそら」が正しいそうです。
ですが、メディアでも「あおぞら」と紹介され、メンバーの甲本ヒロトも「あおぞら」と読んでいるため一般的には浸透しなかったようですね。
THE BLUE HEARTSの「青空」は正しくは「あおいそら」なんだよ、と言うとちょっと音楽通っぽく聞こえるかもしれません。
豆知識として持っておくといいと思います。
映画「カラフル」ED曲
miwaがカバー
「青空」は2010年にアニメ映画『カラフル』のエンディング曲として起用されました。
歌ったのはmiwaです。彼女がカバーした「青空」はネット配信限定のシングルとしてリリースされました。
『カラフル』の監督は原恵一氏です。クレヨンしんちゃんの監督を務めていたことでも有名で、名作とされている『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』の監督としても知られています。
miwaバージョンの「青空」とともにぜひ、見てみてください。
その他にもカバーがたくさん
「青空」はスタンダードな魅力を持った名曲ですので、ジャンルや世代を問わず多くのアーティストにカバーされています。いくつかご紹介しましょう。
高橋優がNHK-BSの「The Covers」に出演した際に「青空」をカバーしています。
竹原ピストルもライブで「青空」をカバーしています。THE BLUE HEARTSは竹原ピストルにとってルーツのひとつで、他に「TOO MUCH PAIN」などもカバーしているようです。
その他にも、WANIMA、Acid Black Cherry、菅田将暉などがカバーしています。
それぞれどんな「青空」になっているのか気になりますね。
歌詞の意味
差別や政治への不満
それでは「青空」の歌詞を見ていきましょう。
ブラウン管の向う側
カッコつけた騎兵隊が
インディアンを撃ち倒した
ピカピカに光った銃で
出来れば僕の憂鬱を
撃ち倒してくれればよかったのに
出典: 青空/作詞:真島昌利 作曲:真島昌利
THE BLUE HEARTSにどういうイメージを持つかは人それぞれだと思いますが、個人的には「ピュア」「無垢」「真っすぐ」といったキーワードが出てきます。
「青空」もそうしたイメージに即した曲になっていると思います。
アメリカは建国以来先住民、いわゆるインディアン(現在はネイティブ・アメリカンと呼ぶべきですが)を迫害し、その領地を広げてきました。
自分たちの利益のために罪のない先住民を殺すことが果たして正義なのか、最初のフレーズから真っすぐな視点で訴えてくるのです。