「栄冠は君に輝く」は夏の全国高等学校野球選手権大会のために作られた！？夏川りみも歌った歌詞を紹介♪

夏の風物詩ともいえる「夏の全国高等学校野球選手権大会」。

通称「甲子園」。

毎年、感動的で熱い試合が繰り広げられるこの大きな大会を長年盛り上げてくれている曲が「栄冠は君に輝く」です。

高校野球が好きな人はもちろん、そうでない方もテレビなどで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

今回は、昔から歌い継がれているこの名曲について詳しく解説していきます。

「栄冠は君に輝く」は、1948年の全国高等学校野球選手権大会から使用されるようになりました。

それまでは「全国中等学校優勝野球大会」という名前で行われていたこの大会。

しかし、名前が改定されたことをきっかけに「大会の公式テーマソングを作ろう」ということになったのです。

そこで、大会の主催を勤めている朝日新聞社はテーマソングの歌詞を全国で募集しました。

そして、見事採用となったのが加賀大介さんの書いた歌詞だったのです。

加賀大介さんは、石川県能美郡出身のプロの文筆家です。

しかし、この歌詞の応募をする際に使った名前は「加賀大介」ではなく「中村道子」。

なぜ、自分の名前とは全く違うペンネームで応募したのでしょうか。

実は「中村道子」というのは、加賀大介さんの妻(作詞した当時は婚約中)の名前。

加賀大介さんは「懸賞金目当てで応募した」と思われるのが嫌で、あえてこのペンネームにしたのだとか。

なので、この歌が発表された当時はてっきり加賀大介さんの妻が作詞をしたのだと思われていました。

この歌詞に関するインタビューなども全て妻である道子さんが受け答えをしていたのです。

でも、後になって実は夫である加賀大介さんが作詞したということを道子さんが発表し、本当のことが明らかになりました。

自分が作詞したという事実を、自分からは一切語らなかった加賀大介さん。

名誉やお金が目的ではないということがよく分かりますね。

それでは、なぜ全国高等学校野球選手権大会の歌詞を書こうと思ったのでしょうか。

その理由は、加賀大介さんの過去と関係しています。

実は元々野球少年だった加賀大介さん。

しかし、ある時試合で怪我をし骨髄炎となった結果、右足を切断。

16才という若さで、松葉杖がないと歩けない状態になってしまい野球の夢を断念することとなったのです。

右足を切断し、文筆家になった後も、野球が大好きでよく見ていたという加賀大介さん。

だからこそ、野球に対する熱い思いをこの歌詞に託したのではないかと思われます。

一方「栄冠は君に輝く」の作曲を担当したのは、作曲家である古関裕而さんです。

数々の名曲をこの世に残しており、応援歌や歌曲などを中心に作曲を行いました。

主な代表作は以下の通りです。

代表曲の中には「栄冠は君に輝く」以外にもさまざまな野球の応援歌が含まれています。

しかも、野球が好きな人でなくとも聴いたことのある名曲ばかり！

ちなみに「栄冠は君に輝く」が初めて発表された時に歌唱を務めた伊藤久男さんとはとても仲が良かったという話も残っています。

全国高等学校野球選手権大会で、この曲が流れるのは開会式と閉会式だけではありません。

高校野球ファンの方ならご存知の通り、大会ではこの曲を歌う「イメージアーティスト」が立てられます。

(※年によっては、イメージアーティストがいない場合もあります。)

イメージアーティストの歌ったバージョンは、CMやグラウンド整備中のBGMとして流されるのです。

過去にこの「イメージアーティスト」を務めた方の中で、著名な歌手は以下の通りです。

夏川りみさんや平原綾香さん、最近だとDream5などの数々の有名なアーティストがカバーしていることが分かりますね。

毎年さまざまな個性を見せてくれる、全国高等学校野球選手権大会のイメージアーティスト。

大会の盛り上げ役として欠かせない、重要な存在といえます。

ちなみに、2018年で全国高等学校野球選手権大会は100回目を迎えます。

その記念すべき第100回目である大会のCMでは「栄冠は君に輝く」のダンスバージョンが放送されており、話題をよんでいるのです。

CMで踊っているのは、同志社香里高校、大阪府立今宮高校、大阪府立登美丘高校などのダンス部。

どの高校のダンス部も、過去のダンスの大会で上位に入っている学校ばかりです。

CMでは、3つの学校のダンス部が一体となってキレキレのダンスを披露してくれています。

近年、ハイレベルな高校のダンス部に注目が集まっている影響もあって、このCMはとても話題となりました。

フルバージョンのCM動画も公開されているので、ぜひチェックしてみてください。