「約束守れなかったくらいで…」という人もいるでしょう。

人によって価値観は違うので、それは仕方ないことです。

でも、約束ってある程度の信頼があってはじめて成り立つものでもあるんですよね。

信頼ゼロの人間に対して約束なんてしません。

この歌詞において約束とは、最後まで一緒にいる為のお願いとイコールです。

条件、と言い換えてしまうと上から目線になってまたニュアンスも変わってきてしまいますが。

要はこれさえ守ってくれたら他のどんな不幸も受け入れるよ、という深い愛情の現われなんです。

だから、これだけは守らなくてはいけない約束なんです。

余談ですが、僕は昔の恋人に「なんで約束したのに破るの?」と言われたことがあります。

その際に「破ったんじゃない。まだ叶えていないだけ」と答えて、それはそれは大きな喧嘩になりました。

昔の恋人というのがポイントですね。僕の傷を掘り起こすのはやめてください。

約束を破るとこういうことになる訳ですね。まあ僕は破ったんじゃなくて叶えていないだけなんですけど。

要望の中に垣間見える優しさ

ヤキモチやかせないでください すぐに風邪ひかないでください
あんまり忙しいと心配するから たまにはよく寝てください
明日もまた

出典: 彼に守ってほしい10のこと/作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵

並べた要望の中に優しさが見え隠れしてきましたね。

一番の歌詞での要望の中では、言ってみれば超個人的な要望です。

再三言いますが、わがままと言い換えても許されるくらいの要望。

でも今度はどうでしょう。

キモチはともかくとして、風邪の心配に、忙しいことへの気遣い。

もはや母性

でもやっぱり、これはこれで最後まで一緒にいる為のお願いなんです。

いつまでも元気でいてね

そりゃもちろん元気じゃなくたって一緒にはいられます。

でも、わかりやすい形での幸せって元気ありきです。

歌詞の中の主人公は相手とずっと一緒にいることを望んでいて、それは自分だけでは叶えられないことです。

どんな喜びも悲しみも、分け合うことを想定して生きているからこそ、相手には元気でいてもらわなきゃ駄目。

忙しいときに心配されると、嬉しさもあるけど正直面倒くさいと思うときもあると思います。

今が頑張り時とか、忙しさが楽しかったり。

でもそれで身体を壊したら元も子もない。

ずっとそばにいたいと思ってもらっているからこそ、こちら側もほんのちょっとわからないと駄目ですね。

そんな約束を守ってはじめて、最後にそばにいてくれるのです。

僕は君のことを想うだろう

最後に 最後に 僕は君のこと想うだろう
遠くに近くにいつもその声が聞こえているよ
どんなに どんなに 永い夢をふたりで見たの
愛とは自由とはわからないなりにその姿を見てみたい

出典: 彼に守ってほしい10のこと/作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵

皆さんは、今隣にいる恋人のことを常に想っていますか?

ほとんどの人はそんなことはないでしょう。

冷たいという意味ではなくて、それぞれにそれぞれの人生があります。

学校もそう。仕事もそう。友達と遊んでいる時間も趣味に没頭している時間もそう。

それらの中の瞬間瞬間で恋人のことを想うことはそりゃあるでしょうが、常にではないですよね。

実際に物理的に一緒にいるときでもそうです。

例えば目の前のテレビだけになっていたり遊園地のアトラクションだけだったり。

想っている時間は長くても、常にではない

だからこそ、いつどこで想うかっていうのは非常に重要な要素なんです。

いつどこでって言うと文法の授業みたいで嫌ですね。

上記の歌詞の「最後」は、「いろんな最後」です。

一日が終わる瞬間や、一年が終わる瞬間。そして人生が終わる瞬間

そういったいろんな感情が交錯する中で、最後に君の事を想うだろうという確信があります。

そう、約束を守れるなら。

 

永い夢をふたりで見たの

過眠症という意味ではなく

夢ってあんまり覚えていないじゃないですか。

まあ覚えてるって人もいるでしょうが、基本的には起きたら忘れてる。

何か夢を見た気がするけど全然内容覚えてないことはザラにあるし、おしゃれな洋服はZARAにある。

なんでもないです。

幸せって夢みたいなものです。

その時その時で幸せを感じたとしても、後から考えると何で幸せを感じたのか思い出せない

でも、裏返せばそれくらい当たり前に幸せが傍にあるということになります。

幸せは当たり前のことではありませんが、当たり前のように存在する幸せは確かにあります。

約束さえ守ってくれればそんな当たり前の幸せを永く感じることが出来る。

この歌詞の主人公には、そんな確信があります。

永い夢をふたりで見ることが出来る訳ですね。いいなあ。

愛とは自由とは

わからないなりにその姿を見てみたい。

僕がこの歌詞の中で一番好きな一節です。

愛とか自由って、みんながみんな同じものさしで見ているものではないじゃないですか。

常にかまってくれるのが愛情だと思う人もいれば、適度にほっといてくれるのを愛情だと思う人もいる。

仕事の後の残り時間を自由だと思う人もいれば、仕事してたらそもそも自由じゃねえと思う人もいる。

僕は後者ですね。今、僕の中の尾崎豊が自由を求めて盗んだバイクで走り出しました。

そういった具合で、愛とか自由とかってわかりにくいものなんです。

でも、わからないなりに見てみたい。

それってとっても尊い感情ですよね。

まとめ

如何でしたでしょうか。

口当たりの良い歌詞に込められた深い想い。そして愛情。

今すぐ告白しに走り出したいくらいです僕は。

それはさておき。

守ってほしい10個めはなに?

お気づきの方もいるでしょうが、歌詞上で書かれている『彼に守ってほしい10のこと』は9個しかありません

では最後の1個はなんなのでしょう。

答えは単純明快。

約束守ってね」です。

ただ単純に約束守ってねということではなく、一緒にいたいから約束守ってね、です。

並べた9個の守ってほしいことを総括して、最後の一個目が現れる訳ですね。

それをあえて口には出さない儚さ。いいですね。

そんなわけでこの歌詞は、深い愛情に加えて一抹の儚さも兼ねそろえた非常に贅沢な歌詞となっています。

弾き語りにチャレンジして彼のハートをわしづかみ!

彼に守ってほしい10のこと / 植田真梨恵 ギターコード譜 - U-フレット