星野源が病気?
2012年12月22日。星野源は病に倒れました。
病名は「くも膜下出血」でそのまま救急搬送されて緊急手術をし、活動休止を余儀なくされたのです。
2013年に一度は復帰したものの再発を宣告され再び活動休止をしました。
自身の著書である「蘇る変態」でも語られていますが、その闘病生活は過酷なものであったと想像できます。
しかし、星野源のすごいところはここからまさに蘇ったことです。
「くも膜下出血」といえば、最悪であれば命を失う可能性もあり、後遺症が残る場合も多々あります。
現在はミュージシャンとしても、俳優としても、文筆家としても変わらず元気な姿で精力的に活動を続けています。
生かされた命を、この経験をどんな風に人生に捧げていくのか。
星野源は「音楽に捧げること(曲を作ること)」でミュージシャンとして、その前に人間としてひとつステージを上げたのかもしれません。
「SUN」の歌詞を紐解く
そんな自身の経験を音楽へと昇華した「SUN」の歌詞に迫ってみましょう。
Baby 壊れそうな夜が明けて
空は晴れたよう
Ready 頬には小川流れ
鳥は歌い
出典: SUN/作詞:星野源 作曲:星野源
病気を乗り越え、病室から外の世界に出られた喜びが歌われています。
闘病中、星野源はいつまでも続く頭痛と神経過敏により耳障りに聞こえる環境音に苦悩していたそうです。
身も心も壊れそうになる程、苦しい夜を何度も越えてきたのでしょう。
やっとの思いで復帰出来たことは星野源自身にとっても、星野源を愛していたファンにとっても涙が流れるほど嬉しいことでした。
何か 楽しいことが起きるような
幻想が弾ける
出典: SUN/作詞:星野源 作曲:星野源
もう悪いことは考えたくないという希望に満ちた想いを感じ取ることができます。
死に直面するという、これ以上悪いことはないのではないかという経験をしたことで、生き延びたこれからの人生はどんなことあっても楽しいものに変わってきます。
未来を想像するだけで心はワクワクと弾けそうになります。
君の声を聞かせて
雲をよけ世界照らすような
君の声を聞かせて
遠い所も 雨の中も
すべては思い通り
Ah Ah
出典: SUN/作詞:星野源 作曲:星野源
そして、サビへと歌詞は進んでいきます。
側にいてくれる人の声を身近に聞くことのできることにシンプルに喜びを感じます。
また「雲をよけ」は「くも膜下出血」の「くも」に掛かっているのではないでしょうか。
自由の利かない病室から出れたことで、行きたいところへも行けるようになり、雨も直接肌で感じられるようにもなりました。
自分の思いのままに動くことができる現実の尊さを噛み締めている歌詞になっています。
Baby その色を変えていけ
星に近づいて
Hey J いつでもただ一人で
歌い踊り
出典: SUN/作詞:星野源 作曲:星野源
そして、2番。
実はこの曲の肝はここの歌詞にあります。
突然出てくる「Hey J」、果たして誰に呼びかけているのでしょうか。
「J」とは一体は誰なのでしょう?
「J」は実はあの「マイケル・ジャクソン」なのです。
星野源はまさに歌詞通りにいつでも孤高にステージに向き合い、ファンを沸かすマイケル・ジャクソンを敬愛していました。
「星に近づいて」という歌詞から死の淵に立つことで、もしかしたらマイケルに会ったのかもしれないという想像もできてしまいます。
何か 悲しいことが起きるたび
あのスネアが弾ける
出典: SUN/作詞:星野源 作曲:星野源
「あのスネア」は何を表現しているのでしょうか。
マイケル・ジャクソンの曲で印象的なスネア、もしくはドラムを感じる曲といえば「ビリー・ジーン」ではないでしょうか。
グルーヴィーなドラム、それを追いかけるように絡まるベースのイントロが印象的な楽曲です。
敬愛するマイケル・ジャクソンのこの曲が星野源の闘病生活を支えてくれていたのかもしれません。
君の声を聞かせて
雲をよけ世界照らすような
君の声を聞かせて
遠い所も 雨の中も
すべて同じ陽が
出典: SUN/作詞:星野源 作曲:星野源
こうなると「君=マイケル・ジャクソン」という式ができ上がってしまいます。
マイケル・ジャクソンは全世界にファンがいて、音楽やダンスで照らすようにみんなを楽しませていました。
どんな場所でも変わらずにマイケル・ジャクソンを貫き通す姿は、星野源にとってだけでなく世界中のファンにとって本当の英雄でした。