ハナレグミの名曲『光と影』とは
2009年5月発売のシングル
SUPER BUTTER DOGのボーカルとして1997年にメジャーデビューした永積崇。彼が2002年にバンド活動と並行してスタートしたソロ活動が「ハナレグミ」です。
親しみやすいサウンドと温もりあふれる唯一無二の歌声は多くのファンから支持を集めています。
そんなハナレグミの2009年5月に発売されたシングルが『光と影』です。
それまでのハナレグミのイメージを一変させたラブバラードで、何度聴いても泣ける名曲。
光も影もすべて受け入れるようなやさしさと切なさを感じさせるハナレグミの代表曲の1つとして知られています。
アルバム『あいのわ』収録
『光と影』は、2009年6月に発売されたハナレグミの4枚目のアルバム『あいのわ』にも収録されています。
東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一・沖祐市が参加した『愛にメロディ』やタイトル曲の『あいのわ』をはじめ、「あい」がキーワードのようです。
『光と影』はタイトルに「あい」はありませんが、曲の中で純粋で切ない愛について唄われています。
また、『Peace Tree feat.BOSE(fromスチャダラパー)、AFRA』も最高なのでぜひ聴いてみてください。
タイトルに伝えたことはすべて詰まっていますが、日本のヒップホップのパイオニアであるスチャダラパーとヒューマンビートボックスのAFRAが参加しています。
『光の影』でしっとりとした後に、グルービーでファンキーな『Peace Tree feat.BOSE(fromスチャダラパー)、AFRA』が続く流れはテンションが上がりますよ。
『光と影』は、ベストアルバム『hana-uta』にももちろん収録されています。
歌詞の意味を徹底考察
『光と影』の歌詞の意味を徹底考察していきます。この曲をより深く楽しむための参考にしてみてください。
今は一人?
僕はいま ゆれるキャンドルをみてる
ただ ぼんやり ぽっかり はっきり くっきり すっぽり うっとりと
いつだって君の側 健やかな光と影が
降り注ぐようにと 少しだけ願った
出典: 光と影/作詞:永積崇 作曲:永積崇
君のことを考えていることから、「キャンドル」は一人で見ていることがわかります。
「健やかな光と影」が降り注ぐように願っているのは、今は君がそばにいないからでしょう。
また、「ぼんやり」の部分の歌詞は、言葉のリズム感がとても心地良いです。
ケモノみたいに
あの日僕ら ケモノみたいに抱き合った
玄関閉め キスして 孤独をぶつけて 火の玉になった
その先に 痛みがあろうと
不安で胸が張り裂けようと
今を薄めたくなんてなかった 深く刻みたいと思った
出典: 光と影/作詞:永積崇 作曲:永積崇
お互いを熱く求め合っていることが伝わってくる歌詞です。
相手のことが好きでたまらない状態であれば、「その先に」つらい痛みがあることなど考えていられませんよね。
好きであればあるほど、それを失うことに対する「不安」も大きくなるものです。
そのような不安や痛みの予感に気を取られて、愛する人との大切な「今」という時間を「薄めたく」ないと思ったのでしょう。
何も言えなかった
そして僕は 一人どこへ行くんだろ
君一人幸せにできないやつに 何が言えるんだろ
ありがとう ってつげた 君に
僕はなんて言えたらよかったんだろ・・・
出典: 光と影/作詞:永積崇 作曲:永積崇
「一人どこに行くんだろ」という歌詞から、君とは別れてしまったことがわかります。激しく愛したからこそ、その喪失感は大きいのでしょう。
一番大切だと思っていた「君一人幸せにできないやつ」に、言える言葉があるのか悩んでいます。
それまでの時間を振り返って、君は「ありがとう」と言ったけれど、「僕」は何も言葉にできませんでした。それを今でも後悔しているのです。
本当は言いたいことや伝えたい気持ちがたくさんあるのに、それがどうしても上手く言葉にできない時はありますよね。
いつまで経っても、そのような思い出は忘れられないものです。