恋愛」という実験を実践しましたが、理論では説明できない謎が沢山出てきます。

そもそもどうして会えないとマイナスな気持ちになるのか。

何故相手も寂しいと分かれば嬉しいのか、帰り道は遠回りしようとするのか…。

これらは全て「相手のことが好きだから」といえばそれまでです。

しかしながら、それでもこれらを恋愛と定義づけるにはまだ足りません。

もしかしたら単に友達としての好きというだけかもしれないし…。

それにまず、これが「好き」という証明とも呼び難いのです。

謎を書きだせば「ホワイトボード」が真っ黒になっていきます。

ふと気になって相手の顔を見れば、やはり気持ちが高ぶるでしょう。

実験道具の「ビーカー」がまた理系らしさを感じさせる描写ですね。

何故、どのように高ぶっているのでしょうか。

主人公はうまく言葉にできません。

恋って何?

結局のところ、恋や好きという感情とは何なのでしょうか。

何でも理論ではっきりと答えを出してきた主人公でも、こればかりは答えが出しにくそうです。

相手を見るだけでドキドキすること自体、あまり理論的ではないのですから。

恋が先か、夢が先か

{夢で見た}が先か
{恋}が先で ゆえに 夢見るのか?
検証を 重ねても
堂々巡りね
貴方思う時間
ばかり増えて…

出典: PARADOX/作詞:藤原優樹 作曲:トミタカズキ

主人公は次に「恋」と「夢」で考え始めました。

「恋」をしたから相手を「夢」に見るという説もあれば、相手の「夢」を見たから気になるという説もあります。

なんだか「鶏が先か、卵が先か」のような話ですね。

なんとなく前者という気もしますが、主人公は「なんとなく」では納得しないと思われます。

ですがそんな主人公でも答えが出ません。

主人公だって、本当は「こっちだろう」という見立てはついている筈です。

ただし、その根拠となるものが作れません。

主人公のことですから、理論的で確固たる根拠を作ろうと思ったのでしょう。

ですが人の気持ちは曖昧ですから、そこから出来上がる根拠も曖昧にしかならないのです。

それどころか、気が付けば検証から外れて相手のことばかり考えてしまっていました。

これも「恋」も一面です。

貴方を知りたい

割り切れない この想いを
知り尽くしたい 貴方のとなり
円周率をそう、数えきるまで

出典: PARADOX/作詞:藤原優樹 作曲:トミタカズキ

割り算でも割り切れない計算があるように、主人公の気持ちもまた割り切れません。

人は、興味のある相手のことをもっとよく知ろうする習性があります。

知ろうとすると、それだけ初めて見る相手の一面が無限に飛び出すことになるでしょう。

その様を、主人公は「円周率」にたとえました。

「円周率」は有名な「3.14」から始まり、延々と数が続いていきます。

それを思わせるほどに、相手の内面はまだまだブラックボックスなのです。

主人公が挑む「恋」という難問

雨宮天【PARADOX】歌詞の意味を徹底解釈!証明できないのものって何?誰にも解けない答えに迫る!の画像

主人公は「恋愛」とは何かという、恐らく世界で最も難しい命題に挑戦しています。

人類はそれこそ古来より、「恋」とは何なのかを研究し続けました。

今も続いているでしょう。

続いているのは、現代においても未だに結論が出ていないからです。

恋愛は人によって様々な形があり、それによって感じる「好き」も少しずつ違うのではないでしょうか。

歌詞の主人公はあくまでも冷静に検証しようとしていましたが、「冷静に恋をする」などまず不可能でしょう。

気持ちを高ぶらせないと、人と人は愛し合えないのです。

仮に万が一理論的な結論が出たとしても、それは主人公と相手との間にある恋愛でしかありません。

それが主人公の求めていたものなら、それで解決します。

しかし、では「どんな人間にも当てはまる恋愛の証明か」と問われればそうではないのです。

ですから結局、答えは出ないままになってしまいますね。

不毛な研究かもしれませんが、ここまで考えられるのは主人公の知的好奇心の賜物ではないでしょうか。

どんどん広がる雨宮天の世界観

雨宮天【PARADOX】歌詞の意味を徹底解釈!証明できないのものって何?誰にも解けない答えに迫る!の画像

「PARADOX」の歌詞について解説しました。

曲としては明るくて楽しめるのに、歌詞を読むと「恋とは何か」を一緒に考えさせられます。

思えば、「恋愛」が人の持つ一番曖昧なものなのでしょうね。

このような深い歌詞ですら楽しく歌える雨宮さんは、とても新鮮ではないでしょうか。

9thシングルまでシリアスな曲が多かったので尚更です。

今後も「PARADOX」のような、明るくてクスッと笑える曲が出てくるかもしれません。

これから雨宮さんの世界がどのように広がるのか、非常に楽しみです!

雨宮天9枚目のシングル「Regeneration」は、彼女が声優を務めるアニメ「七つの大罪 神々の逆鱗」のEDでもあります。透明感のある歌声で紡がれる一曲には、どんな思いが込められているのでしょうか? 歌詞に着目して解釈していきます!

「Regeneration」は「PARADOX」の前作にあたる雨宮さんの9thシングル

アニメ『七つの大罪 神々の逆襲』のED曲にもなりました。

この記事でもお伝えしたように、雨宮さんの歌う曲はシリアスなものが多めです。

この曲も例外ではありません。

あるものを失った主人公の胸の内と、仲間がいることの希望を描いています。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね