札束撒く
どこでもオレの街
財布の中ある
札束喰ったYAGI
すべては嘘
同じ本当のこと
また使っても
口座増す ゼロぜロ
出典: YAGI feat. T-Pablow, G-k.i.d & Vingo/作詞:T-Pablow,G-k.i.d,Vingo 作曲:MURVSAKI
「BAD HOP ALL DAY vol.2」を聴いたリスナーの感想で目立つもの。
それはG-k.i.dの天下無双ぶりです。
かつて「Stay」という楽曲でG-k.i.dは自身の暗い生い立ちを語りました。
正統派のギャングスタスタイルで歌う姿はここにはありません。
表現力を増したフロー。
時にユーモアを交えた言葉遊び。
前回の配信曲ではメランコリックな歌声を聴かせてくれました。
そして「YAGI」ではさらに強さと哀愁を兼ね備えた声でパンチラインを繰り出します。
”口座増すゼロぜロ”はライブで大合唱が起こりそうなフレーズ。
一流アスリートのようなストイックさ
オレの前で
イケたフリをしてるヤツじゃムリ
足元にもいないヤツじゃ
なんでもねぇただのヒツジ
お前が寝てる間に
また数える数字
オレら寝ずに金を作り
今も金を食うよ
出典: YAGI feat. T-Pablow, G-k.i.d & Vingo/作詞:T-Pablow,G-k.i.d,Vingo 作曲:MURVSAKI
「No Sleep feat. G-k.i.d, YZERR & Tiji Jojo」でも垣間見えた彼の素顔。
寝る間も惜しみ金を作る=寝食も忘れ音楽を作り続けること。
そこには一流のアスリートのような真摯な姿勢が見て取れるのです。
その姿はイチロー選手や羽生結弦選手を彷彿とさせます。
”ヤクザの倅”で”14の誕生日を独房で過ごした”過去。
その過去を受け入れて努力を続けるG-k.i.dの姿は涙を誘います。
現代アートのように奔放なVingoのフロー
羽生えて飛んでいく諭吉を追う
金とfame食い荒らし埋めてく今日
あのモデル連れてくディナーにコース
タダ同然 気にしないでYagiに飯奢る
出典: YAGI feat. T-Pablow, G-k.i.d & Vingo/作詞:T-Pablow,G-k.i.d,Vingo 作曲:MURVSAKI
ファンの間で人気が高いのがLil PumpばりにクールなVingoの高音フロー。
Vingoは自身のスタイルを”現代美術”と称しています。
まずはその奔放なフローを満喫しましょう。
またVingoの歌詞は比喩表現やダブルミーニングが多いのも特徴。
YAGI(仲間)に食事を奢る様子をコミカルに伝えていきます。
彼のパートで浮かんだのがUSでメガヒットを記録したMigosの「Bad and Boujee」のPV。
高級ブランドで身を固めた美女を連れて安いダイナーで食事をする光景です。
ドリンクはシャンパン。食事はフライドチキンとカップ麺。
美女の口元を拭うのは高級ブランドのシルクのスカーフというユーモアはBAD HOPと重なります。
悪魔と契約しても音楽を作りたい
俺ら見ての通り
まるでYagiのように
あるだけ使いpay
しない神頼み
する気無いぜ懺悔
悪魔たちを呼んで
契約交わす
俺は早死にでも選ぶdat way
出典: YAGI feat. T-Pablow, G-k.i.d & Vingo/作詞:T-Pablow,G-k.i.d,Vingo 作曲:MURVSAKI
金を稼いだ分だけ全て使う。
まるでかつての任侠映画の”宵越しの金はもたねぇ”的スタンスに聴こえます。
しかしそれだけなのでしょうか?
2018年、BAD HOPはZepp Tokyoのステージに2階建ての家を作りました。
どれだけファンの期待の上をいくか?
BAD HOPはそのために無謀ともいえる先行投資を行うクルーです。
武道館公演も周囲の人たちは無謀だ、と反対したそうです。
ハイリスク・ハイリターン。
伝説のブルースマンRobert Johnsonのように悪魔と契約したとしても音楽で生きていく。
頼みの綱は自分たちのスキルのみ。
軽快なフローの裏側には強い覚悟が示されているのではないでしょうか?
選んだ道を共に行こう
お前よりも早く回る時計
自分の力だけでビデオ撮って
足りないものを足して増やすall day
お前たちに用ねえ 選んだ道の方へ
出典: YAGI feat. T-Pablow, G-k.i.d & Vingo/作詞:T-Pablow,G-k.i.d,Vingo 作曲:MURVSAKI