君のことだから
きっと先に着いて
井の頭線の西口で
どんな顔してるんだろう
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
デートを楽しみに感じているのは、主人公だけではありません。
いつだって待ち合わせの時間よりも早く着いて、主人公の到着を待っていてくれる君。
主人公が電車を降りて自分の姿を探さなくてもいいようにと、すぐわかる場所で手を振ってくれるのです。
そして、それが分かっているからこそ、駅に近づくにつれ表情が硬くなっていく主人公。
とびきりの笑顔で駆け寄りたいと思いながらも、照れと恥ずかしさがそれを邪魔してしまいます。
しかし、表情1つでこんなにも頭を悩ませている主人公のことも、君はきっと理解しているはず。
そしてそんな悩みなど一瞬で吹き飛んでしまうような、溢れんばかりの笑顔で待っていてくれるのです。
生まれて初めての感情
「会いたい」だけじゃない
君以外 見えなくて
何も手につかない
僕じゃないみたいなんだ
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
待ち望んでいたはずのデートの日、会えたことがどんなに嬉しかったかを伝えたくなる主人公。
しかし、単純な言葉では伝えきれないほどの想いが秘められているのです。
会えない日は君のことばかり考えてしまい、会えると決まれば頭の中はそのことばかり……。
仕事や趣味に集中したいと思っても、君が頭から離れる日はないのです。
そんな困った日々のことも、主人公はそれほど嫌がってはいない様子。
これまでこんなに情熱的な恋をしてこなかったからこそ、この胸のときめきが信じられないだけなのです。
こんなに愛し合っている2人ならば、いっそ一緒に暮らしてしまったらどうか……。
しかし、そうせざるを得ない理由が2人にはたくさんあるのでしょう。
今はもどかしい想いを抱えながら、いつか会えるその日を心待ちにしているのです。
2人の間に明かりを灯して
いつか永遠に結ばれる日を
暮れた街のlight 君と灯したい
遠くない未来 その一つを
恋が愛に 変わる音が胸の奥から
鳴り響いて 到着のベルに重なって
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
君に手を振って、遠ざかる姿を見つめながら思い出に浸る……。
そんな1日の終わりを繰り返してきたからこそ、次こそは夜まで一緒に過ごしたいと願う主人公。
既に暗くなり始めた街に、次々と明かりが灯っていくのを眺めたいと願うのです。
それはまるで、距離を縮めきれずにいた2人の間に灯る光のよう。
具体的にイメージすることができずにいた2人の未来が、ハッキリと照らし出されるようにも見えます。
出会えたことが奇跡で、そばにいるだけで満足できていたあの頃。
それが今は、これから先もずっと一緒にいたいという願いに変わっていました。
それはこの先、2人が愛を誓い合う未来を意味しています。
教会に響き渡るベルの音を想像しながら、今はただその幸せな未来をイメージしているのです。
素敵だと思ってもらいたくて
寝癖のついた 髪をならして 早足で歩く
君にまだ 僕のダメなとこ 気付かれないように
改札の前 君の名前を呼んで
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
そわそわした気分のまま鏡を見れば、完璧に直してきたはずの髪は不自然な癖がついたままでした。
慌てて押さえつけながらも歩き続けるのは、主人公が本心を君に明かすことができている証拠でもあります。
着飾りながら、気遣いながら、恐る恐る時間を重ねてきたあの頃。
それが今は、心の内をさらけ出せるまでに成長しました。
それでも、お互いが愛し合っている限り、「嫌われたくない」という不安は付きまとって離れません。
思いがけないところで幻滅されないように、と身だしなみに気を遣う様子はまさに恋する乙女。
綺麗な髪で、綺麗な服で、そして一番の笑顔で……。
いよいよ、君の待つ改札をくぐる時がやってきました。
共に過ごす夜
ふと溢れた涙
君は僕のlight 並び歩くnight
ふたり笑いたい それなのにさ
どうしてだろう 君のことを想うだけで 涙が出るんだ
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
辺りが暗くなってきた今、2人の距離はいつもより縮まっているようにも見えます。
それは夜の雰囲気のおかげなのか、それとも主人公が少しだけ勇気を出しているのか……。
連れ立って歩く2人の間には、恋心が起こした小さな灯が目に見えるようです。
気持ちを伝えるならば今だ、と覚悟を決めて口を開く主人公。
さんざん練習した言葉が、すんなりと口から出てくることはありませんでした。
それどころか涙すら溢れてきて、君は突然のことに心配の言葉をかけてくれます。
決して悲しいわけではないのに、どうして涙が出るんだろう……。
それは主人公の頭をいっぱいに埋め尽くした感情が、行き場をなくして溢れてきたから。
「愛してる」という言葉以上の「愛してる」が、溢れて止まらなくなったからです。