助け合いながら生きる人間像

Mr.Children【風と星とメビウスの輪】歌詞の意味を徹底解説!二人が歩むメビウスの輪ってなに?の画像

時流の早さ 命の重さ
確かめるように
人の弱さ 心の脆さ
かばいあうように また一歩ずつ
暗闇に迷うなら
心に光ってる星を頼りに進もうか

出典: 風と星とメビウスの輪/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

人間という存在はひとりで生きてゆくには脆くできています

そんな弱さや脆さを素直に認めて、お互いが労りあって生きてゆくために家庭を築くのです。

恋愛に関しての「草食化」などの新しい現象が見られるようになりました。

しかし、人間が家庭やそれに準じたミニマムな共同体を築いて厳しい社会をともに生きることは普遍です。

社会の仕組みが婚姻制度を基礎にしている側面があります。

人の生き方はそれぞれでいいのでしょうが、仕組みの方は時代の移り変わりに対応できません。

ならば、もう一度婚姻制度のいい面を見直してみることも必要かもしれません。

いずれにしても男女と異性愛に限らずふたりの人間が寄り添って生きてゆくことで苦しみをシェアする。

人生で躓くような場面があった際に誰かが側にいてくれることはとても心強いことです。

冷静に自分の心に訊ねてみよう

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自分の心の弱さを素直に見せることができる相手がいるのといないのでは人生は大きく変わります。

「風と星とメビウスの輪」ではそうした人間の弱さへの気配りが貫徹しているようです。

ふたりの生活に困難が生じたときには自分たちの心に訊ねてみようと歌います。

誰しも心の中に北極星のような輝ける目印を持っているのです。

この目印は普段の穏便な暮らしの中では気付かないものかもしれません。

しかし思い通りにならないような日々の中では、心を落ち着かせて自分に問いかけましょう。

きっと自分だけは自分を裏切らない味方なのだなということに気付くはずです。

「風と星とメビウスの輪」のエレメントのうちの星が現れるライン。

空に瞬く星だけではなく、自分の心のうちで輝いている星に道を尋ねることを歌うのです。

「メビウスの輪」というエレメント

永遠のループの中でふたり生きる

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愛されて 優しくなれて
その優しさ故に愛されて
君と僕が
そんなメビウスの輪の上を笑いながら
寄り添って歩けたなら

出典: 風と星とメビウスの輪/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

駆け足でたどってきた「風と星とメビウスの輪」の歌詞ですが、もうクライマックスへたどり着きました

パートナーとともにお互いを労るうちに自分の心が優しくなるのを自覚します。

その優しさをさらにお互いのためにあてがうのです

そうすることで優しさを持ち寄り愛することが永遠に続くようになります。

桜井和寿はこうした優しい労りの繰り返しの末に愛は永続すると考えているのです

ここでふたりの愛の永続性の隠喩である「メビウスの輪」が再び登場いたします。

「メビウスの輪」は永遠のループですから、歩いてゆけば何度も同じ位置に立ち返るのです。

しかし一方でこの円環は閉じたものではないと気付かされます。

メビウスの輪」には時空を超えるような、次元を異にするような特徴もあるのです。

繰り返し優しさや愛を持ち寄りあい、永遠の愛をともにするのですが、決して同じ場所には留まらない。

時空を超える、次元を異にすることはふたりが成長してゆくことを表現しています。

ふたりが笑顔で毎日を過ごしてゆくことの幸福感。

笑いあいながら愛する人と生きてゆける人生以上の幸福はこの世界にないかもしれません

「風と星とメビウスの輪」はここでクライマックスを迎えますが、ふたりの愛は永遠に続きます。

徹底して未来へ向けて開かれた歌が「風と星とメビウスの輪」なのです。

希望の火を灯し続けるような歌になっています。

発表から数年を経ていますが未だに愛されている理由がよく分かる名曲です。

「風と星とメビウスの輪」は永遠の詩

バンドとファンの愛の永続性

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Mr.Childrenの「風と星とメビウスの輪」

常に寄り添って生きるふたりの姿を軸に愛の永続性について歌った楽曲でした。

シングル・バージョンとアルバム・バージョンでは同じ歌詞分量でも長さが違います。

愛の永続性を歌ったからといって、長い曲にした訳ではないです。

桜井和寿はひとつひとつの言葉を噛みしめるように大事に歌ったので相応の長さになりました。

この曲が流れている至福の時間に私たちリスナーは自分の人生を顧みます。

「風と星とメビウスの輪」で歌われているのは理想的な愛の形です。

そのため決してこのような恵まれた恋愛ができていない人は引け目を感じるかもしれません。

しかし桜井和寿とMr.Childrenはそんな人たちを置いてけぼりにはしないのです。

この曲に登場する君と僕の関係をバンドとリスナーの関係として捉えることも可能でしょう。

バンドとリスナーがともに成長し続ける姿を重ね合わせる

そんな新しい解釈があってもいいはずです。

この新しい解釈でも焦点となるエレメントは「メビウスの輪」でしょう。

この不思議な円環が持つ時空の中でバンドとリスナーの永遠の絆を確かめあったって構いません。

この世のあらゆる作品はリスナーに向けて開かれたものです。

今はパートナーと呼べる人がいない方も、バンドとの繋がりをこの歌詞に見出して聴き入ってください。

そしてそのうちいつの日かあなたにも人生の伴侶と呼べるような人が現れることを祈ります。

大事なことは誰かと労りあうために持ち寄る愛の永続性を信じてみることでしょう。

そのための思考の実験装置がこの曲に登場した「メビウスの輪」なのです。

優しさを持ち寄る社会はいずれ人にとって過ごしやすい社会へと成熟するでしょう

「風と星とメビウスの輪」で歌われたことは、とても重く深いものだと確認できたはずです。

この先の未来へ届けたいMr.Children名曲であります。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEとMr.Children

桜井和寿のべらんめえ口調

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OTOKAKEにはMr.Childrenの関連記事がたくさんあります。

中でも桜井和寿がべらんめえ口調で苦悩を語る名曲をご紹介。

言わせてみてぇもんだ

この曲の歌詞を徹底解説いたしました。

日々の生活の中でもがき苦しむ人々へのエールです。

ぜひご覧ください。