シュテルン(ドイツ語:Stern)
⇒ 星
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/シュテルン
シュテルンはドイツ語で星を意味する言葉。
どうしてドイツ語のタイトルになっているのか定かではありませんが、単語の響きがどこか可愛らしくて鎖那っぽさがありますね。
忘れたい思い出を振り返って
電車の中で物思いにふける主人公…MVでタバコを持っていたのは?
終点間近もうすぐだよ
ちょっとした心残りとかいろいろ
あー。なんでこんなときに思い出しちゃうかな きみの顔。
良いところだけ切り取って忘れられるといいね
出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那
「終点間近もうすぐだよ」
冒頭の言葉が主人公が電車に揺られながら物思いにふけっている様子を彷彿とさせます。
ここで登場する「きみ」は友達とも恋人とも取れますね。
歌詞から察するにもう別れてしまった相手で、あまり良い思い出は残っていないように感じます。
MVでは主人公の少女が夜の街を歩きますが、クマのポーチなど幼さを感じさせる要素とは裏腹に片手にタバコを持っているのが印象的です。
ありのままではいられなかった
きっときみの思う私は私じゃないし、
好きなものを好きだと言えなかったよ
大通りに叫んで暴れてみたいと思うし
知らないところでハッピーエンド迎えてるかもね
出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那
その人を前にしたときの自分と、実際の自分は違うという主人公。
映像に出て来たタバコの描写はそんな彼女の二面性を表しているのかもしれませんね。
タバコを吸っていることもその人の前では隠していたし、性格自体も作られたもの。
しかし「好きなものを好きだと"言えなかった"」と言っていることから、これが彼女の意図とは違うことも垣間見えます。
本当はありのままの自分で居たかったのに、それと裏腹に取り繕ってしまっていたのでしょう。
「ありのままを見せたら嫌われるんじゃないか」
そんな恐怖心って、多くの人が持っているものですよね。
「知らないところでハッピーエンド迎えてるかもね」という言葉が、その人と関わることはこの先ないと思っている心情を物語ります。
シュガーナイフは良い思い出だけを切り取ってくれる
シュガーナイフに聞いてみる
甘くて飛び散るだけは嫌 きみはどう?
シュガーナイフは嘘をつかない
だけど私は大人になりたいと思ったから
出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那
耳に残るのは「シュガーナイフ」という言葉。
「バターナイフとかそういった類のものかな?」と思ったのですが、そんな名前のものは調べても見当たりません。
恐らくこれは鎖那の造語でしょう。
シュガーナイフは砂糖のナイフ。つまり甘いナイフということ。
メロ部分で「良いところだけ切り取って忘れられるといいね」と歌っていたのを覚えておられるでしょうか。
すなわちシュガーナイフは思い出の良い部分だけを切り取って忘れさせてくれる甘いナイフ。
そしてシュガーナイフは主人公の想像上の存在で、良い部分だけを切り取ろうとしたのは彼女自身です。
しかし主人公はそのことに疑問を感じているよう。
「その人との思い出は確かに苦いものも多いけど、本当に忘れてしまっていいのだろうか」
そんな内容をシュガーナイフに対して問いかける主人公。
その思い出を忘れたいという気持ちに嘘はないけど、もっと大人になるためにはこの痛みも受け入れないといけない気がする。
大切な人の前でありのままでいられなかった自分をきちんと認めないといけない。
彼女はそんな風に揺れ動いていたのではないでしょうか。
周りに合わせて取り繕う自分に対して
終点間近もうすぐだね
ちょっとしたヘイトや愚痴とかいろいろ
あー。なんでこんなとこで吐き出しちゃうかな いつもそう。
痛いところはね切り取って捨ててしまえばいいね
出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那
人の悪口や愚痴を、良くないとわかっていてもついつい口に出してしまう。
そのことに対して後悔している主人公の様子が描かれています。
その場のノリや、周りに合わせて仕方なくそういう話に乗ってしまうことってありますよね。
そういう人に合わせる部分でも主人公は自分に二面性を感じ、嫌気がさしているようです。
MVでも、実際の自分にもう一人の自分が置いていかれる描写があり「思惑とは裏腹に行動してしまう自分」を彷彿とさせます。
それに対してまたシュガーナイフは「忘れるのが一番」とでも言うかのようですね。
取り繕うのは自分を守るためでしかない
ずっと誰のためでもない弱さ噛み潰して
擦りむいた心息をしていたよ
めぐってく想いも曖昧な解答で
眠気覚めないままハッピーエンド迎えてるかもね
出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那