「誰のためでもない弱さ」というのは、周りに合わせて良い顔をする主人公を表したものでしょう。

自分が本心で人と接することが出来ない弱さは、その人を思いやってのことではなく、自分を守るためでしかない。

自分でそう気付いていることが余計に主人公を傷付けているということが「擦りむいた心」という言葉に表れています。

そしてここでの「ハッピーエンド迎えてるかもね」のニュアンスは、1番とは少し違いますね。

ここで歌われるそれは「別に今のままでもそれなりに幸せに生きていくことはできる」のような印象。

本心なんてその人にしかわかりません。

自分を取り繕って生きていたとしても、確かに咎められるようなことはないでしょうね。

シュガーナイフに聞いてみる
甘くて飛び散るだけの夢 きみはどう?
シュガーナイフは嘘をつかない
今も私は大人になれると信じてるよ

出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那

1番とほとんど同じ歌詞ですが、ここまでの内容でまた印象が変わってきますね。

忘れてしまうのは確かに楽だけど、どこか突っかかりを覚えている自分がいる。

「大人になれると信じている」というのは、この突っかかりをいずれ克服出来るという期待でしょうか。

今のままでも別に生きていけるけど…

なにがいいの わからないんだ
明日に誓った人であふれた
都会の喧騒 惰性できっと
歩いていけると星は流れるよ
いつかわかるかな わかるかな

出典: シュテルン/作詞:鎖那 作曲:鎖那

ここで歌われるのは「みんなそんなに深く考えて生きていない」ということでしょう。

人前の自分が取り繕った自分でも「まあそんなもんだろう」みたいな感じでしょうか。

「明日に誓った人」という言葉がありますが「明日からやる!」ほど適当な言葉はありませんね。

「星は流れる」と例えられているのは、どう過ごしたって時間は過ぎていくということ。

例えどんなに適当に過ごしていたって生きて行けるんです。

それに対して主人公は「だからと言って自分の本心と向き合わなくてもいいの?」と自問自答を繰り返しているのでしょう。

「いつかわかるかな」という言葉が、疑問を持ちながらもなかなか変われずにいる主人公を物語りますね。

MVは、窓辺に腰かけたもう一人の自分が、触れようとしたら消えていった…そんな描写になっています。

まるで思惑通りの自分にたどり着けない主人公を表しているようです。

1番最後のタバコを噛み潰した描写からも、主人公の煮え切らない気持ちが伝わってきます。

まとめ

今回は鎖那の「シュテルン」を紹介しました。

歌詞MVに描かれていたのは、人前で本心をさらけ出せない自分に疑問を抱く主人公。

結局曲中では彼女の抱いていた疑問はモヤモヤしたまま終わってしまいました。

「このままでいいのか」と問う彼女でしたが、その葛藤自体が成長しようとする証です。

記事をご覧の方にも共感できるところがあったのではないでしょうか。

今後彼女がどんな大人になっていくのかは想像次第。

それも完結していないからこその楽しみですね。

こんなアーティストもオススメ!

最後に鎖那が好きだという方にオススメのアーティストも紹介しておきましょう。

美波は彼女と同じ女性シンガーソングライター

MVもイラスト調のものが多く、今回のような映像が好みだという方にはきっと気に入っていただけるはずです。

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