「止まらないHa~Ha」について
日本のロック界のカリスマ"永ちゃん"こと矢沢永吉さん。代表曲でもあり、矢沢さんの存在を具現化したような曲が「止まらないHa~Ha」ではないでしょうか。
壮大なホーンセクションによる演奏のイントロ、徐々に上げていくテンションに力強いサビ。
元々は代表的なアメリカのAOR的なロックサウンドですが、時代とともに完全な矢沢さんとファンが作り上げたライブバージョンの方が有名になりました。
作詞はちあき哲也さんでキャンディーズや山口百恵さんなど数々のアイドルを中心にヒットソングの作詞を手がけていました。
作曲は矢沢さんで、ほかにも数曲あり「YES MY LOVE」、「TAKE IT TIME」などもちあきさんの作詞曲です。
ファンの方はご存知ですが、矢沢さんは作曲を手がけて作詞はほぼ作詞家の方が担当されています。
TVにでなかった時代の矢沢さんのイメージは歌詞によって作られていたでしょうから、まさに"みんなの永ちゃん"ということですよね。
収録アルバム『東京ナイト』
「止まらないHa~Ha」は1986年に発売された14枚目のアルバム『東京ナイト』の収録曲です。
シングルとしてリリースはありませんが、プロモーションビデオを集めた同タイトルのクリップ集で映像化され収録されました。
ライブツアーで盛り上がり定番となった超有名曲ですが、シングル化されたことはありません。
常に「売れるだろうという考え方で曲を作ることはしたくない」という楽曲に対する矢沢さんの想いがあり、どんなに有名になってもあくまでアルバムの中の1曲。
PVを作り海外バージョンを作っても「売れるから」という理由で、シングルカットすることは矢沢さんの流儀にはありえないことだったのでしょう。
定番の"タオル投げ"はいつから?
バイクで疾走したりスモークを噴射など派手な演出ではじまることの多い「止まらないHa~Ha」。
ライブを盛り上げるタオル投げが有名ですが、いつからはじまったのでしょう? タオル投げは「止まらないHa~Ha」だけではなく、「トラベリン・バス」など他の曲にもあります。
ライブの"タオル投げ"の発祥はアルバム『東京ナイト』のリリースツアーの1986年から。
もともとはライブでかいた汗を拭くために、スタッフにしょっちゅうタオルを要求していた矢沢さん。スタッフから「そんなに使うなら作っちゃいましょう」と提案されてYAZAWAタオルが誕生しました。
最初はテンションの上がった矢沢さんが曲のラストにタオルを投げたのがきっかけ。
真似をしたいファンが5~6人「止まらないHa~Ha」で盛り上げるためにタオルを投げたことから、どんどん浸透し現在に至るようです。
矢沢さん自身が身に着けているのはバスタオルよりもサイズの大きい"ビーチタオル"。
お客さんが投げるタオルは同じくツアーグッズのビーチタオルもありますが、投げるように100均タオルを持参しているファンもいるようです。
ツアーグッズはそれなりの値段もするので、変なところに飛んでいってもいいように投げる用のタオル持参がいいのかもしれませんね!
英語バージョンが存在!?
1987年に全米リリースされたアルバム『FLASH IN JAPAN』に収録されている「HURRICANE(ハリケーン)」が英語バージョンです。
作詞をしたのは矢沢さんも影響を受けたというアンドリュー・ゴールドさん。
ミュージシャンでもあり、ポール・マッカートニーやリンゴ・スターなど矢沢さんの敬愛していた元ビートルズメンバーをはじめ数々のアーティストのアレンジャーとしても有名です。
2011年6月に病気のため他界。プロデューサーとしてアルバム『E'』以降10年に渡って、アルバム制作に携わり90年代矢沢サウンドを支えた名プロデューサーです。
原曲の制作にも担当していて英詩の「HURRICANE」は直訳ではなくいろいろ変えてある部分もあるので、聴き比べてみるとおもしろいです。