独学より習った方が効率的
まずは、独学で練習することと教室や学校に習いに行った場合との比較をしていきたいと思います。
独学で練習していくと、間違った練習をしてしまう可能性があります。
たとえば弦の押さえ方や、指の使い方などです。
もっと基本的な、チューニングの仕方や、弦の張り方、演奏するときの姿勢なども間違ったままだと、それが癖になってしまったりします。
間違いをしたままだと、腱鞘炎の原因になったり、音が良くなかったりして、ベースって面白くないなと思い、やめてしまうこともあると思います。
なので、一人で本を読んだり、ネットを見たりして勉強するのは危険がたくさんあります。
こういったことから、人に見てもらうのが良いのですが、見てくれる人がきちんとした情報で教えてくれているのかというのも問題です。
もし、教えてくれている人自身が、間違った演奏方法やセッティングなどをしていたら、それが正しいと思ってしまいます。
身近な人でベースをやっている人に教わるのは良いですが、それもまた危険なのです。
やはり正しい演奏方法や、練習方法を知っている人に教わるのが一番うまくなる道です。
そのためには、教室や学校などで、講師の方に教わるのが良いということになります。
もちろん、お金はかかってしまいますが、長く続けていくための必要経費だと筆者は考えます。
「音楽教室」と「音楽学校」と「専門学校」の違い
ここからは、教室と学校の違い、音楽学校と専門学校の違いを見ていきたいと思います。
音楽教室と音楽学校(専門学校を除く)は、きちんとした境界線があるわけではありません。
教室は、入門編や初心者が通う形が多く、カルチャーセンターなどで行われています。
最近では、楽器屋さんで音楽教室を開いているところもあります。
筆者は、教室に通った経験はありませんが、おそらく、過度に難しい内容はやってないのではないでしょうか。
ただ、教えてくださる講師の方は、きちんとした技術を持っていると思いますし、初心者には敷居が低く、習いに行きやすい場所だと思います。
次に、専門学校ではない音楽学校ですが、こちらは、音楽関係の様々な内容が学べる学校を指します。
学校によって特色は異なりますが、それぞれの専科に分かれていて、ベース科では、教室よりも専門的な知識を付けることができます。
講師の方もプロで活躍されている方がいる学校もあります。
筆者は、こうした音楽学校出身です。
筆者が通っていたところは、レッスンの回数で学費が異なり、予約制で、自分の行ける日程で予約を取る形でした。
その他にも、毎日通うようなところもあります。
ここまで見てきて、専門学校との違いが気になりますよね?
専門学校は、文部科学省が定める専門学校の基準をクリアした、法的にも学校と呼べる場所を指します。
たとえば、学割が使えたりし、「学生」と呼ぶことができます。
専門学校での教える内容は、かなり専門的になり、本当にプロを目指す人向けです。
ですが、初心者が入ることもできますし、向上心があるのならば、専門学校に通うのも良いと思います。
講師の方もプロの方が多いので、安心して正しい技術を身に着けることができます。
また、プロの世界へのパイプも作れると思うので、専門学校に行った方がプロへの道が開けると思います。
このように、音楽教室と音楽学校と専門学校は異なります。
講師の方はレベルや得意なことが違うとは思いますが、どこへ行っても、正しいベースの演奏方法を学ぶことができるでしょう。
マンツーマンレッスンとグループレッスン
教室や学校によって、マンツーマンレッスンかグループレッスンかの違いがあります。
専門学校などでは、両方やっているところもあるかと思いますが、それぞれのメリット、デメリットを見ていきたいと思います。
マンツーマンレッスン
先生と1対1でのマンツーマンレッスンでは、細かい指導が受けられます。
自分の苦手なことを繰り返し練習していったり、得意分野を作っていったりできます。
また、人によって、進度や目標が違うと思うので、その人その人に合った内容のレッスンを行ってくれます。
つまづいたところで、質問できたり、気軽にレッスンを行っていけることがメリットです。
対して、ベーシスト同士で付き合うことがないというデメリットがあります。
ベーシスト同士の付き合いの中での情報交換や、お互いに刺激し合ったりなどができないということです。
後述しますが、ベーシスト同士の横のつながりも大事な要素になるので、それができないのはデメリットと言えるでしょう。
グループレッスン
グループレッスンでもベーシストだけのレッスンと、他のパートの生徒もいるレッスンがあります。
まずは、数人のベーシストの生徒がいるベーシストだけのグループレッスンについて見ていきます。
メリットとしては、みんなで切磋琢磨し、レベルを上げていくことができることと、情報交換ができることがあげられます。
一つの課題に対して、どういったアプローチをするかは人それぞれ異なります。
ベースラインの組み方などは、同じコード進行でも人によって違いますよね?
そこで、「そういう考え方もあるのか」と気づくことが多々あると思います。
さらに、横のつながりで、ここが良いとか、悪いとかを指摘し合えますし、この弦がいいとかこのベースのメーカーがいい、アンプはこれがオススメとかの情報交換ができます。
デメリットとしては、やはり、講師が個々を見ていくことができないということがあげられます。
講師が一人ひとりの個性を引き出しづらい状況となりますので、レベルを上げることがマンツーマンに比べて上手にできないと思います。
次に、ギターやドラムなどの他のパートの生徒もいるグループレッスンですが、これは上達する機会としてはとても良いです。
一人で課題に取り組むことよりも、バンドを組んだ方が明らかに上達の速度が速いですし、人との交流もできます。
ベースのレッスンとは別にこうした他パートとのグループレッスンがある教室や学校を選ぶと、とてもベーシストとして成長することができます。
ベーシスト同士の交流と他パートとの交流
先述したように、ベーシスト同士の交流と他パートとの交流があるかどうかも重要なポイントです。
ベーシスト同士では、お互いにライバル関係になれるような仲間を見つけられれば、お互いレベルを上げていこうというモチベーションにつながります。
また、情報交換もでき、一人で練習するよりも効率的に上達できます。
他パートとのつながりは、バンドを組むことへつながっていけます。
バンドを組む際に一番最初にぶつかる壁は、メンバー集めです。
他パートの知り合いがいないと組みたくても組めない状況になります。
教室や学校で他パートの人との交流がどの程度あるのかをあらかじめ知っておいた方が良いでしょう。
筆者は、マンツーマンのレッスンでしたので、ベーシスト同士のつながりは薄かったです。
ですが、学校主催のライブのために、バンドを組むことで、他パートとのつながりはできましたし、数年たった今でも付き合いのある方もいます。
マンツーマンのレッスンが良いと思っても、人とつながれるのかどうかも選ぶポイントにしましょう。
バンドを組んでライブができる環境
バンドが組める環境かどうかも大事なポイントです。
先に述べてきたように、バンドを組むこと、バンドで練習することが、一番上達が速いです。
もちろん、個々のレベルを上げるために、ベースの練習は必要ですが、バンドでは、他の楽器を聞いて合わせるという重要な練習ができるのです。
音源と合わせるだけではできない、人と人が息を合わせることの難しさを感じることができます。
リズムの取り方も人によって違うので、ドラマーとの息を合わせることの重要性に気付きます。
さらに、ギターなどの上物と重ならないように音を選ばなければならないという、ベースラインを考える上でも必要になる技術が身に付きます。
そして、バンドを組むからには、やはり、ライブをしていくのが良いです。
最初はライブでは、普段の練習の6割くらいの実力しか出せないでしょう。
いくら普段上手に弾けても、ライブ経験が浅いと、いざ人前で演奏するときになって、力が出せないなんてこともあります。
経験として、たくさんライブをしていって、より実力を発揮できるようになった方がうまいベーシストになれるのです。
教室や学校を選ぶ際は、このように、バンドを組んだりライブをしたりできる環境かどうかもチェックしましょう。
特に教室では、ベースを習うだけで、バンドが組めない場合もあると思います。
専門学校では、学校でライブを行える場所があることもあります。
こうしたところで、教室と学校の差が出てくると思います。
求める目標に応じて、自分に合ったところを選びましょう。