ワルキューレの名曲「GIRAFFE BLUES」とは?

【GIRAFFE BLUES/ワルキューレ】11話の海での歌唱に涙!歌詞と感動のシーンを解説!の画像

「GIRAFFE BLUES」は『TVアニメーション「マクロスΔ」ボーカルアルバム Walkure Attack!』収録曲です。

アニメ内では大切なシーンで流れ、ファンの間でも人気のある楽曲ですね。

特に、11話でのアカペラからこの曲を熱唱するシーンが強く印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな11話のシーン解説と、曲の歌詞を解釈していきたいと思います。

失った仲間、メッサーへのそれぞれの想いと新たな決意

11話では、10話で敵軍エースパイロットの通称白騎士との激闘の末に戦死したメッサーの追悼の儀式「クラゲ送り」が行われます。

(「AXIA〜ダイスキでダイキライ〜」の記事で10話の内容やメッサーについて詳しく解説しているので、気になる方は見てください。)

死んだ者の魂は海へ帰り光クラゲになるというラグナ言い伝えに由来する儀式で、死者を偲んで作った船を海に浮かべ、ゆっくりと海を漂わせるものです。

ヴァール・シンドローム再発の危険性を自覚していたメッサーは、暴走した時に仲間がとどめをさせるよう、わざと距離を取っていただけ。

本当は仲間のことを常に考え、想っていたということがコックピットに残った端末からわかり、一同はより悲しみに暮れたのでした。

ゆっくりと沖へと流れていくメッサーの搭乗機のバルキリーを模した船を見送りながら、美雲が静かに海へ入り、「GIRAFFE BLUES」を歌い始めます。

その歌声に背中を押されるように、メッサーの欠員による補充はいらない、その分も自分が戦うと決意したハヤテ。

そして、メンバーに続いて、最後に海に入ってきたカナメに美雲は言うのでした。

「あの日のメッサーは誰よりも輝いていたわ」、「カナメ、あなたもね」と。

そんな美雲の言葉に、「あなたのライバルはフレイヤだけじゃない」と今までとは違う意思を見せるカナメ。

「私の歌を大切に想ってくれる人がいる」、「だから私は歌うわ」、「誰よりも強く」と言い、メッサーのブレスレットを思い出すのでした。

あの日、カナメが自分のためだけに歌ってくれたことが、メッサーを誰よりも輝かせた。

そして、メッサーが自分の歌を、自分を大切に想っているとわかったことがカナメの気持ちを変えたのでした。

なぜ11話で「GIRAFFE BLUES」が歌われたのか?

「GIRAFFE BLUES」と言う曲自体は初出は違う話で、フレイヤにとってもとても大切な曲です。

しかし、なぜ、メッサーを送るシーンで歌われたのか。

それは、歌詞を解釈するとわかりますが、「GIRAFFE BLUES」の歌詞が、メッサーと重なるところがあったからだと言えるでしょう。

メッサーのことを偲ぶうちに、「GIRAFFE BLUES」が浮かび、美雲は歌い出す。

そして、そのことに気づき、他のメンバーも歌い出したのです。

では、次はそんなこの曲の歌詞を解釈してみます。

アニメを見ていた人は、ハンカチ必須ですよ。

「GIRAFFE BLUES」の歌詞を解釈!

最期まで寄り添うことができなかった君の想い

追いつけない君はいつでも
この場所から何を見てた
手に入れれば失うものたち数えて
涙も隠していたね
その瞳はこの世界をさまよっていた

出典: GIRAFFE BLUES/作詞:菜穂 作曲:h-wonder

曲名の"giraffe"はみなさん知っての通りキリンと言う意味です。

キリンの目線の高さから他の動物は物事を見ることができないことから、「追いつけない」人の考えをわかってあげられていたのかと想いを馳せる歌詞ですね。

デルタ小隊でも卓越した操縦技術を持っていたメッサーと同じ視点で見ることができないでいたと振り返る歌詞とも解釈できます。

生前の無愛想な態度も、今考えれば仲間を手に入れてしまえば失うことを恐れ、涙も隠して周囲と距離を置いていただけだったのではないか。

それでも、悲しみを隠しきれない「その瞳はこの世界をさまよっていた」と、何もその悲しみを知る手がかりがなかったわけではなかったのですね。

本当はメッサーの想いにも、もっと近づくことができたのではないか、と後悔がにじむ歌詞です。

キリンの目線になることはできなくても、キリンの気持ちを考えることはできたはずなのに...ということですね。

皆さんの周りには、何を考えているかわからないほど優れている人はいるでしょうか。

自分のことでいっぱいいっぱいだとなかなか普段その人の気持ちになって考えることってないですよね。

しかし、もしかしたら誰にも理解されずに悩んでいることがあるのかも知れませんね。

優秀が故に全てを背負い込んでしまった君へ...その手を離さないで欲しかった

夢は君が一人描くんじゃなく
見えない風が届けてくれる
高く遠く飛べる気がしたら
繋ぐこの手離さずにいて

出典: GIRAFFE BLUES/作詞:菜穂 作曲:h-wonder

メッサーに、一人で全てを背負うことはないと、どうして言ってあげられなかったのだろうという想いが込められた歌詞なのでしょう。

「君」を失った今になって言っても遅いけど、周囲よりも自分の腕が秀でていると気づいてしまった時、自分が全てを背負う必要はなかった。

そんな時こそ、仲間と「繋ぐ」その手を離さないで欲しかったと言っているのです。

届かない想いが切ないですね。

いつの間にかこんなに近くにいたこと、もっと早く気がつきたかった

言葉だけじゃ伝わらないよ
この胸にある真実たち
手に入れても消せはしない虚しさを
笑顔で隠しているの
いつの間にか近づきすぎた
あの頃のように歌は聞こえない...

出典: GIRAFFE BLUES/作詞:菜穂 作曲:h-wonder