どれだけメッサーのことを偲ぶ言葉を紡いだところで、「言葉だけじゃ伝わらない」という歌詞がまた悲しくなりますね。
思い返せば、心の中にあるメッサーとの記憶は、どれも仲間を想う故の厳しさで、それこそが真実だったのです。
今更気づいても、感謝の想いを伝えることもできない。
そんな虚しさを笑顔で隠すしかないという一同の悔しさが伝わってくる歌詞ですね。
特に、この歌詞に関しては、カナメの想いが大きいでしょう。
メッサーを失った後、笑顔で気丈に振る舞っていたカナメの姿も浮かぶ歌詞です。
いつも一番近くで、自分を守っていてくれたという真実があったにも関わらず、なぜもっとその想いに寄り添おうとしなかったのかという彼女の想いですね。
しかし、最期まで周りと距離を置いているように見えたメッサーでしたが、いつの間にかみんなの心の中にいる大切な仲間だったのです。
この「GIRAFFE BLUES」という曲も、深い悲しみでメッサーが生きていた頃のようには「聞こえない」。
つまり、同じ歌詞でもメッサーを失った今はメッサーのことを歌っているようにしか聞こえず、悲しみが募るばかりだと言っているのですね。
この行き場のない愛しさはどこへ向ければいい?
愛しき君よ今どこにいるの...?
色も意味もなくした世界
高く遠く飛べるはずなのに
見えない空に翼ちぎれる
夢は君が一人描くんじゃなく
見えない風が届けてくれる
高く遠く飛べる気がしたら
繋ぐこの手離さずにいて
I know your blues...
出典: GIRAFFE BLUES/作詞:菜穂 作曲:h-wonder
「愛しき君よ」という言葉には、一同が伝えられなかった感謝が込められていると同時に、カナメの失って初めて気づいたメッサーへの愛も込められているのでしょう。
失った今世界は色も。生きる意味もなくしたように感じるくらい悲しい。
これからもメッサーは「高く遠く飛べるはず」だったのに、私たちが「見えない」くらい高い次元の戦いの中で「翼ちぎれ」、空に散ってしまったということですね。
そして、今ならあなたの"blues"(憂鬱)がわかる。
今ならあなたの手を離さないでいられたのに。
そんなメッサーへの想いが溢れる、切ない歌詞でした。
おわりに
「GIRAFFE BLUES」という曲名の"giraffe"は動物のキリンという意味と解釈の冒頭で書きましたが、実は他にも意味があります。
それは、星座のきりん座という意味です。
星になってしまった、仲間を想うという意味も込められているのではないでしょうか。
実際に海で歌うシーンでは、カナメが手を伸ばした手の先に、流れ星が流れます。
ちょうど、10話で、メッサーの機体が空を堕ちていくのと同じアングルで...。
悲しいですが、カナメの想いがメッサーに届いたと思いたいですね。
強い人にも、弱い部分はある。
冷たく見える人は、本当は誰よりも温かい心を持っているかもしれない。
あなたの近くにいる人も、もしかしたら、そうかもしれませんよ。
アニメの感動のシーンが蘇るとともに、失ってから後悔しないように自分を支えてくれている人を大切にしたいと想えるような一曲でした。
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