本楽曲について
莉犬に提供された楽曲
本楽曲は「すとろべりーぷりんす(以下、すとぷり)」の莉犬(りいぬ)に提供された楽曲です。
すとぷりは動画配信や音楽活動を行うエンタメユニットです。
本楽曲はそのメンバーである莉犬のアルバム「タイムカプセル」のために書き下ろされました。
今回ご紹介する初音ミクバージョンはその楽曲をかいりきベアがセルフカバーしたもの。
セルフカバーというより、同時発表と言った方が正しいかもしれません。
どちらのバージョンも、2019年11月23日にYoutubeとニコニコ動画にアップされました。
どちらのバージョンもかっこよく仕上がっています。
ボカロバージョンは初音ミク
本楽曲で使用されているボーカロイドは初音ミクです。
同じくかいりきベアの作曲した1000万再生曲「ベノム」はv.flowerで制作されていました。
可愛らしい声質の初音ミクと、パワフルさが特徴のv.flower。
他にもGUMIを使っている曲があったり、楽曲によって使い分けています。
本楽曲は激しめの楽曲ですのでロック向きのv.flowerやGUMIが合いそうです。
しかしこれが、実際に聞いてみると初音ミクがハマっているんですね。
歌詞に可愛い感じ言葉遣いやオノマトペが多いのが一つの要因かもしれません。
曲と歌詞を総合的に見て一番合う声質で編曲しているわけですね。
かいりきベアのプロデュース力が光ります。
イントロ~1番Aメロ
耳を襲う中毒性ギター
キメキメの下降フレーズから始まるイントロは、ギターのフレーズが印象的。
キレの良いバッキングギターを背に、リードギターが疾走します。
キーはAマイナーですが、メロディに短7度(ソ)ではなく長7度(ソ♯)が入っています。
ポップスではエキゾチックな雰囲気やクラシックっぽい雰囲気を出すのによく使われる音です。
パワフルな中に垣間見えるオシャレな仕掛けが中毒性を高めているのです。
また、Aメロではパン(音を左右に振ること)が多用されます。
ヘッドフォンで聞くと、頭の中をギターの音が駆け巡っているようで面白いですよ。
ヘッドフォンで聞いたことが無いという方は一度お試しください。
人生をテストに例える
満点な人生も 秀才な解答もございません
有害な評論も 見え透いた同情も 聞きたくはないな
壮観な表彰も 平凡な真っ当もございません
暗転な将来も 傲慢な快晴も 見たくはないな
出典: ルマ/作詞:かいりきベア 作曲:かいりきベア
1行目の歌詞から、人生をテストに例えていることが分かります。
人間誰しも、自分のことをとやかく言われるのは嫌なものです。
だからと言って同情もしてほしくないから、評論も同情もいらないわけですね。
有名なスポーツ選手の部屋に表彰状がずらりと並んでいるのをテレビなどでよく見ます。
主人公にはそんな誇らしい経歴はない、かと言って平凡でマジメな人生を送れてもいないのです。
暗い未来のことは考えたくないし、傲慢に自分の未来が輝かしいものだと思いこみたくもないのです。
主人公は自分の人生をどう送るのが正解なのか、思い悩んでいるわけですね。
青春時代の鬱屈した葛藤、誰もが一度は考えることではないでしょうか。
1番Bメロ
静と動のキメフレーズがカッコいい!
もしこの曲をバンドでコピーするとしたら、ここが一番難しいポイントかもしれません。
(そもそも各パートが凄く難しいのですが……。)
ボーカルだけになる部分、それ以外の楽器が一斉に入ってくる部分が繰り返されます。
いわゆるキメフレーズがガンガン押し寄せるわけです。
まさに静と動、胸にグッとくるカッコよさがあります。