上手くいかない恋

「君」の目に映りたい

BABY BABY
その瞳の奥で僕なら誰より
MAYBE NAVY
気まぐれに踊る僕ら

出典: メイビーネイビー/作詞:はっとり 作曲:はっとり

「僕」は、「君」に好かれることを望んでいるようです。

「自分の方が、あの子を幸せにできるのに」

片想い中の人が、相手の想い人と自分を比べてそう考えるのに似ています。

「僕」の想いが届く日はくるのでしょうか。

「君」の好きな人は?

「じつは最近ね」
うん、うん
「職場のひとでね」
うん、うん
「気になる人がいてさ、好きになったって、
もし言ったらどうする?」

出典: メイビーネイビー/作詞:はっとり 作曲:はっとり

また、「君」から電話でしょうか。

直接会うことはなくても、時々電話で話をするような間柄。

それはかなり親密といえるのではないでしょうか。

とはいえ、「僕」はほとんど聞き役です。

「君」は思わせぶりな話題を出してきました。

ここでの話は仮定にすぎません。

「君」の言葉にも「もしも」がついています。

ですが中には、「もしもの話だけど……」と前置きしておいて、実際の話をする人もいます。

本当に仕事先の誰かに好意を抱いているのだけれど、それを直接には認めずに話題にするのです。

仮定の話を聞いた相手の反応を見て、想い人との釣り合いなどを確かめたいのかもしれません。

その話し相手として、「君」は「僕」を選んだのです。

気落ちする「僕」

アイリスの花言葉
咲かずに散ってゆく
それでもまた5月はやってくると

出典: メイビーネイビー/作詞:はっとり 作曲:はっとり

この話を聞いて、「僕」は再び落胆します。

ついに歌詞の中には具体的な花の名前が出てきました。

この「アイリス」にも、他と同じように花言葉があります。

「希望」「恋のメッセージ」「良い知らせ」など。

恋愛を中心に、ポジティブなものが多い印象です。

しかしここでは、花は咲かなかったという描写がされています。

「僕」は、「君」に好きな人ができたのだと思い、失恋を自覚したのです。

ですが、希望をすべて捨ててしまったわけではありません。

アイリスは5月に見ごろを迎えます。

「僕」は新たな恋の機会に希望を託しているのです。

「君」に好きな人ができたからといって、「君」と誰かが必ずうまくいく保証はありません。

「僕」にもまだチャンスは残されています。

君の本音はどこにある?

BABY BABY
何を見ていたの
メイビーネイビー

出典: メイビーネイビー/作詞:はっとり 作曲:はっとり

ここで、少し「君」のことについても考えてみましょう。

「君」は「僕」に対して、職場に気になる人がいると話しました。

どんな意図をもってこの話題を出したのでしょうか。

それについては、歌詞の中で言及されていません。

「僕」は、この話題をきっかけに失恋したと思いこみました。

ですが、本当は違うという可能性もあります。

「君」は「僕」の反応を見ていたかもしれないのです。

つまり、「君」も「僕」に想いを寄せているという見方もできます。

ただ「君」は、「僕」に気持ちを伝える勇気がまだないのでしょう。

思わせぶりなことを言って、「僕」の反応をうかがっているのです。

好きな人ができた、と伝えて「僕」が悔しそうにすれば、「僕」の想いを遠回しに確認できます。

とはいえ、これは誤解を生む危険をはらんだやり方です。

仮に、「君」が本当に上のように考えて発言したとしても、リスクが大きすぎます。

実際に「僕」は誤解をして、失恋したと思いこんでいるのですから。

「僕」が完全にあきらめなかったことだけが、今後救いとなるかもしれません。

風に揺れる2人

BABY BABY
その瞳の奥に僕はもう映らない?
おしえてくれよ
MAYBE NAVY
気まぐれに踊ってた二人は
生きてる 咲いているのだ

出典: メイビーネイビー/作詞:はっとり 作曲:はっとり