懐かしい子供時代をイメージさせる美しい歌詞です。
鐘が6つ響いたということから、時刻は6時だと考えられます。
友達と2人、たくさん遊んだあとでの別れはとても寂しいもの。
その寂しさが歌詞を通して伝わってきます。
ここはそんな切ないシーンを大人になった今、思い起こしているとも考えられます。
6回鐘がなったのは現在なのか過去なのかはリスナーの想像に任せていますが、おそらく両方でしょう。
夕方の6時に、あの日の6時を思い起こしているのかもしれません。
また、2人でいるのも過去のことなのか現在のことなのかはっきりしません。
これもリスナーの想像に任せるということでしょう。
そして、人間に化けて遊んでいたのはつくもなのかもしれません。
切なすぎるストーリーが浮かび上がる
大切なもの探してた
君の横顔見つめては
涙をこぼさぬ様に
はしゃいでは笑顔に変えていたけど
出典: 今宵は夢を見させて/作詞:倉木麻衣 作曲:サイレンジ!
遊んでいたのがつくもだとしたら、ずっと遊び続けることはできないはず。
現実世界に飛び出してはみたけど、「君」と別れることが分かっていて涙をこらえる。
思い切りはしゃいでいるように見えるのは涙を隠すためだったのかもしれません。
つくものとてつもなく切ないストーリーが浮かび上がり、涙が出てきます。
つくものはかない想いが募る
風に吹かれて 耳をすましたら
きっと こころ聴こえてしまいそう
もう少し長く 君といれたなら
きっと そっと 抱き締めてたでしょう
今宵は夢を見させて
出典: 今宵は夢を見させて/作詞:倉木麻衣 作曲:サイレンジ!
つくもは「君」が大好きなのでしょう。
人をたぶらかすために人間の世界に出てきたのに、「君」を好きになってしまったのかもしれません。
「君」ともっと一緒にいたいという切実な想いが溢れだします。
ここではずっと一緒にはいられない運命にある2人の関係が浮き彫りになります。
今夜だけでも、例えこれが夢でも今の幸せを壊さないでほしいという切なる願いが伝わってきて、胸が熱くなります。
人は風など気にもせずに過ごしていることも多いもの。
しかし今は、その小さな風さえも現実を壊してしまいそう。
そのくらいに敏感になっているようです。
想いを伝えられないつくもの想いを想像すると、胸が張り裂けそうな気持ちになります。
一緒にいたいけどいられない。
叶わないつくもの願いが切なすぎます。
つくもと人間の恋物語!?
こんな日には ふと立ち止まり
あの時と同じ 空を見上げて
離ればなれ あの子を思う
どんどん思いがつのる
出典: 今宵は夢を見させて/作詞:倉木麻衣 作曲:サイレンジ!
道具の中に宿るつくもは、人間と恋をすることはできるのでしょうか?
1つの解釈ですが、これはつくもと人間の恋の物語なのかもしれません。
今は会うことのできない「あの子」。
自分は精霊だから、もう会うことができないけれど、好きな気持ちは変わらない。
そんな想いが込められているのかもしれません。
大切なものを見つけて吹っ切れたつくも
大切なもの見つけたよ
君の面影探しては
涙を忘れぬ様に
はしゃいでは笑顔に変えていたけど
出典: 今宵は夢を見させて/作詞:倉木麻衣 作曲:サイレンジ!
ものを大切にするということを教えてくれるのがつくもがみ。
しかしそのつくももまた、大切なものを探しているのかもしれません。
この曲に登場したつくもは、大切なものを見つけられたようです。
「もの」といっても物質的な「物」だけでなく、「存在」や「目に見えないもの」でも良いのです。
つくもが見つけた「大切なもの」とは一体なんだったのでしょうか?
自分にとって欠けがえのない存在、つまり「君」を大切に思う心なのかもしれません。
あいにく「君」は手に入れられないけど、君を大切に思う心は本物。
そしてそれを見つけられたことで、本当に笑える日がやってきたのではないでしょうか。
今までは君のことを諦めきれなくて、忘れないようにしていた。
だけどそんなことをしなくても心の中に君がいることに気付いた。
なんとなく吹っ切れたような、そういう心情なのかもしれません。
そしてもう一度サビを繰り返し、曲が終わってゆきます。
なんと美しい歌でしょう。
長くは一緒にいられない運命の2人。
しかし強い結びつきは心の中にあるようです。
主人公は別れを知っていながらも、せめて今夜だけはと幸せを願います。
遠い昔からこんな切ないラブストーリーがあったのでしょうか?
つくもの夢に想いをはせながら曲が終わりを向かえます。
叶わぬ恋の物語に胸が熱くなり、曲が終わってからも感動が冷めやりません。
はかないストーリーが胸を打つ
曲を聴き終わってもう一度冒頭部分を見てみると、泣いているのはつくものような気がしてなりません。
永遠に結ばれない運命のつくも。
どうして泣いているのかはじめは不思議でしたが、歌詞をフルで解釈したあとにはその意味が分かったような気がします。
つくもの想いを伝える幻想的なシーンがありありとイメージできる歌詞ですね。
竹取物語のようなはかないストーリー。
歌詞の内容をチェックしてからもう一度曲を聴いてみると、一味違った曲として楽しめると思います♪