Kate Bush【Running Up That Hill】歌詞和訳＆意味解説！入れ替わる真意とは

女性は男性に再び問いかけます。

抽象的なので、個人の問題というより、男女間の大きな問題というイメージでしょう。

具体的に何が問題だと言っているわけではありません。

ただ、お互いの溝を埋めることが必要だと言っています。

楽曲はこれからコーラス部分を繰り返して終わります。

つまり神に願うのです。

1度でいいから、お互いの目線に立ってみたいということでしょう。

それで多くのことが見えてくるかもしれません。

お互いの関係も修復できるでしょう。

神との取引というと、何か取り返しがつかないことのように思えますね。

入れ替わったら、2度と戻れないのでしょうか。

具体的な解釈という意味では、この楽曲の歌詞だけ考えても答えは出ません。

同じくケイト・ブッシュの代表曲、Wuthering Heightsから紐解きましょう。

邦題は「嵐が丘」です。

hillとHeightsというワードの違いこそあれ、二つとも丘をさしています。

この曲の歌詞は、エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」のストーリーがもとです。

なぜ、Running Up That Hillで女性は、男性になって丘を駆け登りたいと言っているのでしょうか。

推測を含みますが、小説「嵐が丘」の物語にインスパイアされているからだと思います。

悲劇の女性キャシーが、無骨な男性ヒースクリフを理解できない苦しみがモチーフとしてあるのです。

Wuthering Heightsでは、キャシーは死亡後ヒースクリフを尋ねるシーンを歌っています。

Running Up That Hillはキャシーのような女性が悲劇を迎えないためのアンサーソングなのでしょう。

ケイト・ブッシュ他の楽曲についても「嵐が丘」の影響が垣間見えるようなものが多いです。

そう考えると、Running Up That Hillの具体的な世界観が浮かび上がってきます。

すべての男女がわかりあえたら、この世から悲劇はなくなるのに。

単なる恋人との不和というよりは、このような根本的なテーマがあるのではないでしょうか。

神との取引はどんな意味を持つでしょうか。

どんな代償があるかと言い換えるとわかりやすいですね。

エミリー・ブロンテの「嵐が丘」のストーリーを頭に入れて考えると、悲劇的な結末になる気がします。

もしもケイト・ブッシュが「嵐が丘」をモチーフにしてこの曲の歌詞を書いたなら代償は何でしょうか。

きっと、人生や命といった重いものをイメージしたでしょう。

大切な相手との関係に亀裂が生じ、回復させるためにはもう神に頼んで、心を入れ換えるしかない。

そうすれば、お互いに大事なものが見えてくるはずです。

しかし、そんな現実離れした願いには、犠牲も必要にあなることでしょう。

少しの間心を入れ換えて、すぐに戻れるという都合がいいものではないのかもしれません。

命を生活を奪われる可能性があるのではないでしょうか。

ただそれでも相手を愛しているなら、もう道は1つしか残されていないのです。

その後どんな結末になろうとも、相手を理解したい。

Running Up That Hillの歌詞からはそんな切情がみてとれます。

だからこそ、時代を超えた名曲として今尚愛され続けているのではないでしょうか。

Running Up That Hillの歌詞を和訳して解説しました。

抽象的な文なので、聴き手がそれぞれのストーリーを思い浮かべられると思います。

補足として、「嵐ヶ丘」のストーリーと絡めて考えてみると、世界観を広げやすいでしょう。

歌詞のまとめを述べるなら、真の男女の愛には大きな犠牲や覚悟が必要だということではないでしょうか。

単なる歌詞の主人公の女性とその恋人の恋愛模様よりも、もっと俯瞰した視点で捉えているのです。

男女がわかり合うためには努力が必要だ！

そんな前向きな目線ではなく、男女は違う生き物で、決してわかり合えないことが前提なのです。

不可能を可能にするためにはどうすればいいのか？

きっとケイト・ブッシュと歌詞の主人公はそんな意気込みなのでしょう。

最後に、Running Up That Hillのように女性の悩みを歌った曲の記事を紹介して終わります。