実力派シンガーソングライター、久保田利伸
世界が認める実力
数多く存在する日本のシンガーソングライター。
その中で久保田利伸は、R&Bやソウルミュージックなどを中心にした楽曲を多く制作しているシンガーソングライターとして知名度が高いです。
そんな久保田利伸は1986年6月にメジャーデビューしており、2016年に30周年を迎えています。
デビュー曲として誕生したのが、ファーストシングルの『失意のダウンタウン』。
実は久保田利伸はそれ以前から音楽活動をしており、田原俊彦や岩崎宏美に楽曲を提供するほど音楽界では高い評価を受けていました。
その後4枚目のシングルでバラードソングの『CRY ON YOUR SMILE』がヒットを成し遂げ、知名度も急上昇します。
更に『You Were Mine』や『LA・LA・LA LOVE SONG』など数々のヒットソングを生み出しており、TVドラマのタイアップソングとしても選ばれることが多いです。
久保田利伸の魅力
独自の路線で楽曲を制作し、ヒットを成し遂げている久保田利伸。
彼の魅力の一つには、英語歌詞の発音の良さです。
今では当たり前の英語フレーズですが、久保田利伸がデビューしたての時代は和製英語で歌っているのがほとんどでした。
しかし久保田利伸はできるだけネイティブに近い英語発音で歌い、日本のミュージックシーンに大きな刺激を与えた人物でもあるのです。
更に久保田利伸のサウンドはR&Bやソウルミュージックスタイルを貫き通しており、ブレない姿勢は現在でも評価が高いです。
それまで日本ではR&Bというジャンルは浸透しておらず、久保田利伸が国内での基礎を作ったといわれています。
久保田利伸のバラードソング『Missing』
サウンドがいい
久保田利伸のデビューはバラードソングである『CRY ON YOUR SMILE』ですが、その後もさまざまなバラード曲を誕生させます。
その代表的なナンバーとして挙げられるのが『Missing』です。
同楽曲は1986年9月にリリースした、ファーストアルバムの『SHAKE IT PARADISE』収録の一曲。
リリース当初からじわじわとヒットし、現在まで多くの人が耳を傾ける楽曲です。
そのヒットを受けて、『the BADDEST』『THE BADDEST〜Hit Parade〜』などのベストアルバムには必ず収録されるレギュラーナンバーとしても知られています。
久保田利伸のナンバー『Missing』の特徴は、何と言ってもサウンドにあります。
イントロでは電子ピアノのソロでスタートしますが、このメロディーラインが切ないほど悲しく鳴り響くのがポイント。
そこに久保田利伸のしっかりした歌唱力を組み合わせることで、物悲しい質感のあるバラードソングへと昇華していきます。
多くのアーティストがカバーしている名曲
1986年9月に発表された『Missing』ですが、世代に関係なく多くの人が耳を傾けているナンバーで、日本のミュージックシーンでも指折りの代表曲です。
このため多くのアーティストがカバーしているナンバーの一つとしても知られており、久保田利伸自身の中でも思い入れのある一曲です。
この曲は男性ばかりではなく、中島美嘉や平原綾香などの女性シンガーもカバーしています。
女性バージョンの本曲も、また違った良さを聴かせてくれるのです。
またこの曲は、英語バージョンや広東語などでもカバーされており、世界的な人気を誇っています。
『Missing』は既婚者への愛の歌
歌い出し
聴いているだけでも胸が締め付けられるほど切ない『Missing』。
その歌詞も共感できる内容が多いので、ぜひ理解を深めていきましょう!
言葉にできるなら 少しはましさ
互いの胸の中は 手に取れるほどなのに
震える瞳が 語りかけてた
出会いがもっと早ければ と
出典: Missing/作詞:久保田利伸 作曲:久保田利伸
『Missing』の歌い出しでは、言いたいことがあるのに言えないもどかしさを感じます。
これは男女のやり取りとしてはよくある光景ですが、気持ちはちゃんと伝わっているのに声に出さないと分からないことも多いです。
そんな気持ちを男性の目線で歌詞に乗せています。
その後に続くのが彼女の瞳の様子で、「震える」と表現しており、続くフレーズでこの二人は思いが通じているのに恋人同士ではないことが分かります。
ここまで分かるのは、「彼女が既にほかの男性と付き合っており、告白するのが一歩遅かった」という解釈です。