yasuのコンセプトアルバムの世界
「L-エル-」は、2015年にオリジナルアルバムとしては約3年ぶりにリリースされた4thアルバム『L-エル-』のタイトル曲です。
この『L-エル-』の前にリリースされたオリジナルアルバムは、2012年にリリースされた3rd アルバム『『2012』』でした。
2012年という年は、マヤ歴の内の一つが2012年の冬至頃にある周期の区切りを迎えることがニューエイジ思想などと繋がり、2012年に世界が終末を迎えるといわれていましたね。
記憶にある方も多いのではないでしょうか。
ハリウッドでも『インデペンデンス・デイ』や『GODZILLA』のヒットで知られるローランド・エメリッヒ監督がこの話をモチーフにしたディザスター映画、『2012』を制作していましたね。
世間に大きな話題を振りまいた”2012年終末説”ですが、yasuがここからインスピレーションを得て創られたのが『『2012』』というコンセプトアルバムでした。
”2012年終末説”から着想したストーリーに沿ってアルバムが構成されており、大きな話題となったこの作品はyasuのキャリア通して初となるオリコン週間アルバムチャート1位を獲得しました。
その作品から待つこと3年、ファンの大きな期待を一身に受けて登場した4thアルバム『L-エル-』は、前作よりさらに壮大なスケールを持ったコンセプトアルバムとして登場しました。
5thアルバム『L-エル-』
ヒロイン”エル”と彼女を愛した”オヴェス”の物語
アルバム『L-エル-』では、運命のいたずらから悲惨な人生を歩むことになった女性、エルと彼女のためだけに生きようとしたオヴェスの物語が展開されます。
yasuはこのアルバムに相当力を入れていたらしく、綿密に計算された構成がまるで読む音楽のようだという声も多く聞かれました。
アルバムリリースの約3か月後にはこのアルバムのストーリーをyasuが書き下ろしたストーリーブック『L-エル-』も発売。
完売の状態が続き何度も重版がかかるなど、大変な評判となったようです。
一時はAmazonの書籍エンターテインメント部門1位となったほどその勢いは凄まじく、それだけyasuの世界観が素晴らしく、多くの人に受け入れられたことを証明しているともいえるでしょう。
アルバムリリースの翌年2016年にはヒロインのエルを広瀬アリスが演じた映画『L-エル-』も公開されるなど、その世界は音楽にとどまらず様々な世界への広がりを見せました。
アルバムのチャート順位自体は前作に及ばず2位という結果になりましたが、前作以上に大きな反響を呼んだ作品となりました。
『L-エル-』の世界を表現した動画を紹介
『L-エル-』の世界を感じられるショートームービーをご紹介します。
その世界の一端に、触れてみてください。
アルバムタイトル曲「L-エル-」
今回ご初回する曲「L-エル-」は、このアルバムの5曲目に収録されているタイトル曲です。
ヒロイン、エルの名前がそのまま冠されたこの曲はエルに語りかけるオヴェスの声から始まり、優しく穏やかな愛を謳ったものになっています。
純粋にエルを愛し続けるオヴェスのまっすぐな想いを表した「L-エル-」は、オープニングから続くエルの悲壮な運命を表現した2曲目「liar or LIAR?や3曲目「エストエム」。
それ続く喪失感を伴うシングル曲「君がいない、あの日から…」の流れを受け止めて、全てを包み込むような愛を感じさせてくれます。
アルバムの中核を担うとても重要な位置付けの曲です。
歌詞の世界に注目
では、その「L-エル-」の歌詞を見ていきましょう。
エル おはよう
まだ眠たいね
寝言がうるさくてあまり眠れなかったって?
エル 本当?
ごめんよいつもだね
しかたない 少しこのまま二度寝しよう
最初に出逢った日 君がとても無邪気に笑うから
僕は恋をした
始まりなんていつもそう いきなり始まる物語
あれからそれなりの月日が流れ
まぁそれなりに大人になって
まだ知らない幸せなら
君と二人でみつけたい
出典: L-エル-/作詞:林保徳 作曲:林保徳
優しくエルに語り掛けるオヴェス。
運命に引き裂かれる前の、幸せだった時のことでしょう。
とてもエルを慈しんでいる様子がよくわかりますね。
まだ少年と少女の頃に出会ったエルとオヴェス。
これから先二人に襲いかかる運命も知らないで、ずっと続く幸せな未来を描いていたのでしょう。
エルの笑顔のように、光に満ち溢れた未来を。
すべてをあげたい
君に捧げられるものなんて これくらいしかないけれど
僕のこれから生きていく日々 すべて君にあげたい
君がいるこの時代に 生まれた奇跡 運命ってあると思う?
君と生きるこの世界に 出逢えた奇跡 この手をとって 決して離さないで
ふいに僕が君を傷つけたあの日
初めて君の涙を見た
うまく言葉にならなくて
あの時言えなかったけど ごめんね
あれからそれなりの月日が流れ
まぁそれなりに まぁ年をとって
残された時間をただ
君と二人過ごしたい
出典: L-エル-/作詞:林保徳 作曲:林保徳