AKB48のメジャー48thシングル
AKB総選挙の投票権つきCD
「願いごとの持ち腐れ」はAKB48(以下、AKB)のメジャー48枚目のシングルです。
2017年5月31日にリリースされました。
Type-A、B、Cがそれぞれの初回限定盤と通常盤があり、劇場盤も含め、全7形態。
普段よりさらに種類が多いです。
その理由は、「AKB48 49thシングル 選抜総選挙」の投票シリアルナンバーが封入されていたから。
「推し」を上位にしたいファンの力で250万枚を売上げ、2017年の年間1位シングルに輝きました。
この配信が主流の時代に250万枚は快挙と言えます。
楽曲自体の良さはもちろんですが、この曲が広く知れ渡ったのは他にも2つの要因がありました。
「NHK みんなのうた」に採用
ひとつめは、NHKで1961年から続いている「みんなのうた」。
「願いごとの持ち腐れ」は2017年4月~5月に放送されました。
筆者がこの曲を聞いたのは、歌番組ではなくこちらが先です。
フルコーラスではなかったのですが、少女が大人の女性になるまでの物語が描かれていました。
ある雨の日のお散歩中、ゴミ捨て場でぬいぐるみを拾い、持ち帰る少女。
母親にぬいぐるみを修復してもらって少女はぬいぐるみと「友達」になります。
ぬいぐるみは、母親と共にずっと少女の傍で成長を見守ってきました。
ですがある日、母親とケンカをした少女は家を出てしまいます。
母親はぬいぐるみを見ながら少女を思い出しては後悔の涙を流す日々でした。
そして何年か経ち、大人に成長した少女が旦那さんと子供を連れて母親のもとを訪れます。
少女も自分が「母」になったことで当時の母親の気持ちを実感したのでしょう。
パステル系の柔らかい色合いのアニメーションが歌の世界によく合っていたのを覚えています。
このときに「めちゃめちゃいい曲だ!」と感動したものです。
2017年「Nコン」の課題曲
そしてもうひとつは、「Nコン」の課題曲になったこと。
「Nコン」こと「NHK全国学校音楽コンクール」は小・中・高の学生が参加できる合唱コンクールです。
2017年(第84回大会)の中学生の部の課題曲としてこの曲が採用されました。
Nコンの課題曲といえば「手紙(アンジェラ・アキ)」「友 ~旅立ちの時~(ゆず)」など。
未来への希望に溢れた歌を合唱するという印象がありました。
この曲はちょっと毛色が違っていて「難しい曲だな」と感じた学生が多かったのではないでしょうか。
合唱バージョンはAKBが歌うオリジナルバージョンより切なさが増したアレンジです。
そこが「中学生」という不安定な年代にむしろマッチしたように感じました。
下の動画は大人による合唱ですが、ぜひ合唱バージョンも聞いてみてください。
合唱バージョンだと……
合唱と言えば「ハモり」が醍醐味です。
サビの部分にハモりを入れることで歌に厚みが出ています。
ラストに向けて転調したり、オリジナルと違って語尾が上がったり……。
伴奏がピアノというのもシンプルで楽曲自体の良さが分かりやすいです。
AKBは女性のみのグループですから、男性の声も入った「混声合唱」だと雰囲気が変わりますね。
男性が歌うと曲に落ち着きがプラスされて、穏やかで優しい曲に聞こえてきます。
もうすぐお別れが来る……
AKBのMVは思い出が詰まっています
公式MVはドキュメンタリータッチになっています。
2017年3月をもって廃校が決まっていた静岡県の「浜松市立鏡山小学校」が舞台です。
メンバーたちが学校を実際に訪れて、子供たちとふれあう姿が撮影されました。
最後には保護者の方も招いての「合唱会」を開催。
選抜メンバーと子供たちで「願いごとの持ち腐れ」の合唱が披露されました。
その後には子供たちから先生方への思いを綴った手紙も……。
これちょっとズルいですよね。絶対泣いてしまうじゃないですか。
でも生徒や先生、保護者のみなさんに「鏡山小学校」の思い出がMVとして残せたのは貴重なことです。
では次は歌詞を解釈していきます。