もしも 魔法が使えて
夢がひとつ叶うならば
きっと 世界の誰もが
しあわせになる
涙 (ひと粒も) なんか (そうきっと)
流す者はいない (希望)
悲しみの (悲しみの) 種は
すべて (すべて) 消えるだろう
出典: 願いごとの持ち腐れ/作詞:秋元康 作曲:内山栞
もしもあなたが魔法が使えたら。
願いがひとつ、何でも叶うとしたら。
誰しもが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
正直に言ってしまうと「自分のための何か」を願う人が多いと思うのです。
でもこの歌は、そうすることで「世界の誰もがしあわせになる」と言っています。
それぞれがひとつずつ願いごとを叶えていったら、誰も涙を流す人がいなくなる、と。
てことは、それぞれが「人のための願い」を唱えると考えている訳ですよね。
むむむ。なかなか理想が高い歌い出しです。
ひとつになんて決められない
願いごとの持ち腐れ
一度きりの魔法なんて
あれもこれも欲が出て
今すぐに決められないよ
迷ってるうちに黄昏
出典: 願いごとの持ち腐れ/作詞:秋元康 作曲:内山栞
「何でもひとつ叶うよ」と言われてしまったらと考える主人公の「僕」。
すごいことですが、「ひとつ」となると決めかねているようです。
欲しいもの、理想の自分への近道、周りにすごいって言われたい……。
「ひとつだけ」なんだから失敗しちゃいけない。
大切に考えなくちゃ。
そう思えば思うほど、何を願ったらいいのか迷ってしまう。
悩んでいるうちに夜が来て、次の日の朝が来て……。
彼が願いごとを考えているうちに何日も経っているようです。
僕の願いごとは……
ある日 些細なことから
争ってる二人がいた
僕は思わず願った
仲良くしてと…
僕に (探してた) とって (生きる道)
たった一度きりの (チャンス)
大切な (大切な) 魔法
ここで (ここで) 使ったんだ
出典: 願いごとの持ち腐れ/作詞:秋元康 作曲:内山栞
そんなある日、彼はケンカしている友人たちを見てしまいました。
彼にとって大切な2人が些細なことで対立している……。
それを見るのは彼にはとても辛いことだったようです。
迷わず、というかとっさに彼は願いごとを唱えます。
「2人に仲良くしてほしい!」と。
言ったあとで「あっ!」と思わなかった訳はありません。
願いは「ひとつ」しか叶わないのがルールなのですから。
だから彼は考えて、考えて考えて……。
なのにたったひとつの願いごとをとうとう発動してしまったのです。
みんなに笑ってほしい
願いごとに悔いはない
自分のためじゃ迷うだけ
世界中が誰かのため
願えたらひとつになれる
微笑みは愛の夜明けだ
出典: 願いごとの持ち腐れ/作詞:秋元康 作曲:内山栞
一度は言ったことを後悔したであろう彼。
ですが目の前には笑い合っている友人たちがいます。
それを見て彼は自分の願いごとが「正解」だったと思えたのでしょう。
これまでは自分のために一番いい願いごとは何か、ばかりを考えていました。
でも自分にとって大切な人たちが笑っている。
それが自分の幸せなんだと彼は改めて気づくのです。
世界中の人たちが、大切な人が笑っていられるために「願いごと」を唱えたら。
そうすればきっともっとたくさんの人が幸せになれるのに。
「たくさんの人が笑い合っている世界」が彼にとっての願いごとでもあったのです。
魔法なんていらないや
願いごとの持ち腐れ
魔法なんか欲しくはない
叶えたい夢は多いけど
本当の願いは何か
見つけられたならしあわせ
出典: 願いごとの持ち腐れ/作詞:秋元康 作曲:内山栞
彼はふと思うのです。
魔法なんて本当は必要ないんじゃないかって。
傍にいる人を笑わせるなら、魔法を使わなくてもできる。
将来の夢ややってみたいことはいくつもある。
でもそれは「魔法で叶えること」なのか?
自分自身が動くことで叶えられる夢なんじゃないか……?
大切なのは何を願うかじゃなく、自分の願いが何なのか自覚をすること。
まだやりたいことが見つかっていないというあなた。
それは願いごとが見つからないままの「僕」と同じなのです。